FREEexなう。

週刊アスキー・連載

2016年08月12日

週刊アスキーにて連載されていたコラム、
岡田斗司夫の ま、金ならあるし」の記事再録です。

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岡田斗司夫の最終ビジネス(2)
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 なにかに熱中している若者は、いつの時代も貧乏と相場が決まっている。
 アイドルのおっかけにはまっているヤツは、夜行バスや激安航空券情報にやたら詳しくなる。劇団に所属して熱心に活動しているヤツは、短期日払の割高バイト情報にやたら詳しくなる。
 ご多分に漏れず、僕も大学時代、若さゆえの情熱のせいでイヤになるほどの貧乏を経験した。

 当時、僕が熱中していたのはSFだ。SF小説に熱中したってたかが知れている。バイトで稼いだお金は全部SF小説を買うのにつぎ込む。そんなことは僕にとって「当たり前」で、苦労とも貧乏とも思わなかった。
 ところが、僕が熱中していたのはSF小説だけでなく「SF」という活動すべてだった。SF映画やSFアニメ、そしてなによりSFファン活動。そのファン活動の頂点として僕たちの上に君臨していたのが「SF大会」だ。
 

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2016年07月29日

週刊アスキーにて連載されていたコラム、
岡田斗司夫の ま、金ならあるし」の記事再録です。

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岡田斗司夫の最終ビジネス(1)
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「儲け話」の話をしよう。
「儲け話」というのは、誰がやっても絶対に儲かるビジネスのことだ。

 よくビジネス本や自己啓発本には「こうすれば年収が十倍」とか「必ず成功するノート術」とか書いてある。週アス読者はあんなタワゴトを信じてはいけない。
 ああいう本にあるのは「リスクにチャレンジしろ」とか「勉強に勝る自己投資なし」といった人生訓ばかり。たしかに正論だろうけど、そんな本を出版してる会社の社員や編集者、印刷会社のスタッフが成功したという話など聞いたこともない。
 

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2016年07月22日

週刊アスキー「岡田斗司夫の ま、金ならあるし」。
2010年の記事再録です。

◆岡田斗司夫の母vs税務署(15)

(1)からの一気読みはこちら http://goo.gl/L10s6c

 暑かった夏、熱狂のSF大会は終わり、膨大な借金に困り果てた僕たちは、オープニングアニメを、わずか5分間のアニメを一万円以上で売ることにした。

 数日もしないうちに現金書留が届きだした。二通、三通と増えてゆき、ついには毎日数十通、届くようになる。
 アニメに否定的だった両親の態度は目に見えて変わった。別に両親が守銭奴だったわけではない。「自分たちにはわからないけど、価値を感じる人が多数いる」という証拠をはっきり認めたわけだ。
 

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2016年07月15日

週刊アスキー「岡田斗司夫の ま、金ならあるし」。
2010年の記事再録です。

◆岡田斗司夫の母vs税務署(14)

(1)からの一気読みはこちら http://goo.gl/L10s6c

 オープニングアニメの制作が始まってもう2週間。つまりすでに庵野秀明ら3人がうちに泊まり込んでから2週間が経過した。いや、アニメ三人組だけではない。連日の会議や企画作りで、誰か2〜3人は必ず泊まり込んでいる。

 深夜に会社のコピー機を何時間も使っている。事務所のセロテープやホッチキスの玉がいつの間にかごっそり無くなっている。父も母も、こんな状態にはそろそろ耐えられなくなっていた。
 しかし、僕にしてみればようやっと順調に制作が進み出したばかりだ。できれば目をつぶって欲しい。そう、あと・・・3ヶ月ぐらい?

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2016年07月08日

週刊アスキー「岡田斗司夫の ま、金ならあるし」。
2010年の記事再録です。

◆岡田斗司夫の母vs税務署(13)

(1)からの一気読みはこちら http://goo.gl/L10s6c

 僕の家はアニメスタジオだった。
 ・・・ダメだ。どうもカッコ悪い。「僕の村は戦場だった」というカッコいい題名の映画があるから真似しようと思ったのに。

 大学生の頃、僕の家はアニメスタジオになってしまった。内職から会社を興し拡大させた両親は、核シェルター付の巨大な邸宅を造った。
 僕の部屋は三階で、姉が嫁に出たあとは50平米以上の空間を独り占めしていた。やがて隣の土地も買い工場ができて、三階同士が連結されてショールームになり、実質的に僕の部屋は3つ、合計100畳を越えた。

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