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週刊アスキー・連載

2016年09月16日

週刊アスキーにて連載されていたコラム、
岡田斗司夫の ま、金ならあるし」の記事再録です。

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岡田斗司夫の最終ビジネス(7)
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 目標は「赤字は出さないけど、予算は使い切る」だった。試算では10万円くらい黒字のはず。しかし大会当日が近づくにつれ、予想外の出費が増える。

「会場では設備費以外に保険料もかかる」
「ガムテや文具は倍近く用意しないと機能しない」
「ゲスト呼び出しスタッフにインカム(携帯無線機)が必要」
「スタッフ用弁当の数が予想より多い」
などなど、キリがない。

 アニメにも予想外のお金がかかった。素人集団だから失敗も多い、つまり資材にムダが出る。撮影が失敗するとフィルム代や現像費も倍かかる。撮影用のライトもつけっぱなしで、家の電気代が一ヶ月20万を超えた時、さすがに両親に怒鳴られ弁償させられた。
 

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2016年09月09日

週刊アスキーにて連載されていたコラム、
岡田斗司夫の ま、金ならあるし」の記事再録です。

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岡田斗司夫の最終ビジネス(6)
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 大会当日の話は本題ではない。思い切ってはしょろう。
 第二十回日本SF大会DAICONIIIは大成功だった。オープニングアニメは、空前の熱狂と大歓声に迎えられ、他の企画も大好評だった。

 超過しつつあった予算さえ考えなければ、人生最高の二日間だった。SF大会の〆めは打ち上げパーティーだ。スタッフたちは二日間、企画も見れずあこがれの作家に声もかけられず、ひたすら働いた。その労をねぎらい、同時にゲスト作家の先生たちへのお礼の場でもある。

 喫茶店で会議を開いてもお茶代は自分持ち、という態度を貫いてきた僕たちは、始めて大会の経費で飲み食いした。赤字がまた増えると考えるとのどが詰まりそうになるので、考えないようにしながら。
 

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2016年09月02日

週刊アスキーにて連載されていたコラム、
岡田斗司夫の ま、金ならあるし」の記事再録です。

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岡田斗司夫の最終ビジネス(5)
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 一九八十年から八一年の夏まで、僕たちはSF大会のことしか考えていなかった。

 本場アメリカのSF作家から日本SF大会へのお祝いメッセージをもらってくる。いまや地方TV局でもやってるような、なんでもない映像を撮るために、ボストンで開催された世界SF大会に参加した。
 ネットもメールもない時代、海外のSF大会に参加するだけでも大変なのに、アポなしでSF作家や彼のエージェントに交渉し、当時重さ十キロもあったビデオカメラを廻した。録画するのはこれまた十キロの携帯型ビデオデッキだ。
 

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2016年08月26日

週刊アスキーにて連載されていたコラム、
岡田斗司夫の ま、金ならあるし」の記事再録です。

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岡田斗司夫の最終ビジネス(4)
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 若干ハタチの若者たちが手にしたSF大会予算は、なんと総額七二〇万円!よっしゃ。これだけあれば何でもできる!赤字とはおさらばだ!
 ていうか、むしろ使い切るなんて、無理じゃない?わはははは!
資金の豊かさに目はくらみ、これまでの学生らしい金銭感覚は一変した。会場費70万円?安い!本番二日プラス、リハーサル含めて三日間押さえてまえ!それでもたった二百十万円だ。
 プログラムブックも、これまでの4Pや8Pのペラペラしたのはカッコ悪い。全48ページいってみよう。

 使っても使っても、予算は使い切れず、ガレージキットやオリジナルグッズも、たくさん制作した。それでも無駄遣いはビタ一文していない。フェルトマスコットは、実家の刺繍工場から夜中に生地を盗みだし、プリントごっこで印刷し、女子スタッフたちに縫わせた。男子は、ガレージキットを手流しで作らせた。
 

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2016年08月19日

週刊アスキーにて連載されていたコラム、
岡田斗司夫の ま、金ならあるし」の記事再録です。

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岡田斗司夫の最終ビジネス(3)
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「SF大会、名古屋で決まったよ」
 東京の大物SFファンはそう言い放った。「困るなぁ。SF業界の慣例を知らない者にひっかき廻されちゃあ」

 大会の開催地はSFファングループ連合会議という組織で討議され、開催地を選定するという。そんな情報どこにも書いてなかったけど、それぐらいは”伝統あるサークルに属していれば”知っていて当然の常識だそうだ。

「もう会場まで押さえたの?困った人たちだなぁ。とりあえず小さいイベントでもやりなさい。それが成功したら考えてもいいよ」
 肩を落として大阪へ帰った僕たちを待っていたのは、SF研OBたちの猛烈なお説教だった。後輩のしつけもできないのか、と東京ファンから散々、イヤミを言われたらしい。
 

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