11月27日(日) ニコ生 岡田斗司夫ゼミ のハイライトです。
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アニメ業界っていうのは、現場にお金が落ちてこない。
なんで落ちて来ないのかっていうと、トリクルダウンといいうやつで、上から順番にお金が落ちてくるから。
つまりアニメの元請の会社はもちろん取るし、
テレビ会社も取るから、下の方に来ると無くなってくる。
じゃあこれを、全員が少しずつにしましょうか、にはならない。
おそらく予算を3倍にするしか方法がないんだよね。
でも、そうならない。
僕が思うに、円盤買うとか、関連商品買うというような
遠回りをしている暇は、ないと思うんだよね。
円盤を買わなくても、いずれおもしろい作品、ヒットした作品であれば、ネットで見れたり無料で見れたりするわけなんだよ。
なのでクラウドファンディングというか、
お布施に近いんじゃないかな、と思う。
アニメの制作会社は、勝手にグッズ作れないんだよ。
でもアニメの制作会社が直に、オンエア中のアニメから、お金を集める方法っていうのを考えてあげる。
具体的に言えばどうなのかっていうと、第1話オンエアした時には、
だいたい6話くらいまでできてるんだよ。
ということは、7話から13話までの制作予算の足しにしかならないんだよ。
1話だいたい1500万くらいで作らされてる。
でもほんとは、あと現場に500万くらいの金が必要だとするよ。
そしたら、13話作るのに、6500万必要だよね。
この6500万を1口1万円でファンからお金を集めたら、6500人集めなきゃいけない。
なかなかきついんだけど。
じゃあその6500人に対してリターンをどうするのか。
クラウドファンディングだから、リターン必要だよね。
リターン何するのかっていうと、ガヤの声優さんをやらせてあげますとか、
出した金額によって、アニメの中の看板で宣伝させてあげるとか、
そういうふうなものをどんどんやる。
なんで俺がこんなことを言ってるのかって言うと、
そのほかの売り方っていうのは、すべて閉じられてるんだよ。
アニメの制作会社ってのは権利がないから。
勝手に商品作れないし、制作委員会方式だからさ。
それぞれに全部了解取らなきゃいけない。
なのでアニメの制作会社が、クラウドファンディングでお金をとってもやれることには限界がある。
じゃあ何ができるのかっていうと、
制作現場だけで判断できる、登場人物の端役の名前とか、
背景に書いてある文字とか看板とか、
ガヤの声優さん誰にするのかとか、
そういうふうなものくらいでやるしかない。
というのが僕が最初に考えた、なんとかする方法。
これ、非現実的ではあるんだよね。
さっきも言ったとおり1話につき 500万もの赤字があるからさ、
6500万を1口1万円、
特別に声優で1声出るだけでも10万円とかにしても、
まずそれだけのバリューのある、
価値のあるアニメを作らなきゃいけないわけだよ。
第1話をオンエアした瞬間に
「1万円出してもいい」
とみんななかなか言ってくれない。
2話、3話見たときには、制作現場はもう10話くらい入ってるわけだよ。
この集金方法が当たり前になっちゃうと、さらに現場の予算絞られるってこともあるよ。
いわゆるスポンサー筋からね
「君たちはどうせクラウドファンディングでお金集めるんだから、1話980万円で作れるよね」
と言われちゃう可能性もあるんだから。
今のところ、制作会社が自前でお金を集める方法をやって、
僕らがそのアニメを応援したいと思うお金が、
無駄な、雑誌・グッズ・円盤っていうバイパスを通らずに、
最終的に製作者のところにほぼストレートに行く方法を考える。
95%くらいの率でいいや。制作者にちゃんと届く方法を考えるしか、アニメ界を経済的にサポートする方法はないと思う。
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