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2017年03月01日

番組資料まで公開リアル・タイム法廷バラエティー『昔話法廷』

2月5日(日) ニコ生 岡田斗司夫ゼミ のハイライトです。
岡田斗司夫の最新生放送はこちら⇒http://ch.nicovideo.jp/ex


 『昔話法廷』っていう番組があります。

 これはどんなのかっていうと、「昔話の登場人物が法廷で裁かれる」というもので(笑)。

 第1話が、“三匹の子ぶた裁判”というやつで。被告人は末っ子の子ぶた。彼は煙突から閉じ込められたオオカミを大鍋に沸かした熱湯の中に転落させ、フタをして閉じ込め殺害した。これは、突然襲ってきたオオカミから身を守るための正当防衛だったのか、それとも、周到に準備した上での計画的犯行だったのか、というのを弁護人と警察官が議論をするという。これがね、すごい、面白いの。

 2話が“カチカチ山裁判”で。被告人がウサギで、またね、なんか和服を着た、そこそこ上流階級っぽい姿で出て来るの。僕らの中のカチカチ山のウサギのイメージではなく、60か70歳を超えた人間国宝みたいなじいさんが出てきて、「確かに、私が殺しました」って言っていうことで、情状酌量だけを訴える。

 だって、カチカチ山だからね。ウサギが計画性を持ってタヌキを傷つけたのは、これはもう否定しようがないんだ。それに対して、情状酌量を与えるかどうかだけを争うという弁論の戦いですね。

 第4話が“アリとキリギリス裁判”。アリは食べ物がなくなって食糧を分けて欲しいと頼ってきたキリギリスの申し出を断った。キリギリスはその次の日、餓死した。兄弟同然の深い関係にあったにも関わらず、キリギリスを見捨てたアリは“保護責任者遺棄致死罪”で有罪か無罪かというやつで。

 このアリとキリギリス裁判については、『かぐや姫の物語』でかぐや姫の声優をやった朝倉あささんという人が裁判員の1人をやっていて、番組のホームページに自分の意見を書いてるんだ。

 「アリは無罪だと考えます。深刻な食糧事情であるという状況は、キリギリスに限らず、大家族を抱えるアリも同じでした。その中で、なにも対策をとることなく、毎日バイオリンを弾いていたキリギリスにアリが手を差し伸べられる余裕はなかった。また、キリギリスが食糧を求めてきたとき、危険な状態には見えなかったとアリは延べております。このことから、アリが家族の命を護るための貴重な食糧を与えるかにおいては、キリギリスへの優越感はありつつも、冷静に判断した結果ではないかと思いました。」という、こういう意見を述べているんですね。

 教育番組だけあって、この番組は面白い構成をしていて。これね、有罪か無罪かの判決がないんだ。つまり、昔話の登場人物が被告人になって現れて、それが有罪か無罪かっていうのを、弁論側と検察側がそれぞれ言うっていうだけの番組なんだ。それで、「結論はクラスで話合ってください」ということになっている。

 こんなのをね、小学生だけに楽しませるのはもったいないから。絶対ね、大学とか企業のサークル活動で、やったほうがいいよ。

 番組のホームページに先生用のPDFファイルというのがあって、「論点の整理」とか、「こういうことを論争させよう」という注意書きとかも全部ダウンロードできるようになってるの。すごいよ、本当に。

 これ、本当にね、仲間で集まってやったら面白いと思うんでやってみてください。

 あと見所はね、さりげに女性検察官役の女性の選択が、なんかエロいんですよ。

 例えば、三匹の子ぶた裁判で、女性検察官役をやっているのは、木南晴夏っていう『勇者ヨシヒコ』でムラサキの役やった人なんだけども。

 まあ、ザックリと前が開いたスーツを着てて、なんかそこからブラウスを持ち上げておっぱいを見せてるんだけども、おっぱいの位置がやたら低くて。「ああ、この人は胸が大きいんだけども、すごい垂れてるんだな」っていうのがわかるんだけども。

 そういうのをサラリと流すというNHKのスタッフね。なんか“微妙にズレたエロい人”を持ってくるんだよね。

 カチカチ山の時は、安藤玉枝っていう『あまちゃん』の北三陸鉄道リアス線のあの事務員をやっていた人で、ミス北鉄を選ぶ時のコンテストでビキニになったかなんかの女優さん。これもやっぱりね、すごい美人ではないんだけども、ちょっとエロいっていう感じの人を出してきて。

 そこらへんもですね、NHK教育のエロスに関する不思議な考え方が面白いですね。

 「ネット放送と民放とNHKの差はなんだろう?」って考えちゃうよね。

 昔、言われてた様な、例えば、「過激なことが出来るのは民放の深夜の時間帯」であって、「NHKというのは、みなさまのNHKだから、当たり前のことしかできない」っていうのが、だいぶ崩れてきていて。

 それを崩しすぎて失敗したのが去年の紅白歌合戦かもしれないし。逆に言えば、過激なことが出来る分、「過激であれば面白いんだ」という枠にハマってしまって、それでもコンプライアンスとかもあって、実は、動きがとれなくなっているのが、民放かもしれなくて。なんかね、よくわかんなくなっているという事態になっております。

 
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otakingex at 08:00コメント│ この記事をクリップ!

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