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2017年02月27日

Eテレ3大狂ってる作品『ねほりんはほりん』がぶっ飛んでいる件

2月5日(日) ニコ生 岡田斗司夫ゼミ のハイライトです。
岡田斗司夫の最新生放送はこちら⇒http://ch.nicovideo.jp/ex


今回は、今、“Eテレ”がちょっとすごいんじゃねーの?という話です。


 皆さんの中にも見てる人が多いと思うんですけど、『ねほりんぱほりん』ってご存知でしょうか?

 人形劇みたいな絵面でトークバラエティーやってるんですね。
 この番組の作りはどういうものかって言うと、普通の、いわゆる暴露系トーク番組なんですよ。実際にやってることは。顔を出せない人が出てきて、その業界に関する深い事情を話す。それを山里亮太とYOUがグイグイと根掘り葉掘り聴くので、『ねほりんぱほりん』というタイトルなんですよね。

 ただ、それを普通にスタジオで収録してから、全部、人形劇に落とし変えている所が、この番組の面白さなんですね。インタビュー内で出てくる説明シーンとして“再現ドラマ”みたいなパートがあるんですけど、その再現ドラマも全てこんな感じで人形劇で作られています。

 かなり大きいサイズですけど、これ、“オタ芸”をしている人たちですね。地下アイドルのライブをオタ芸でワーッと盛り上げているシーンを、人形を使ってどうやって撮っているかというと、ブルーバックで人形を持った二人がこうやっていると。それをいくつもいくつも合成して、かなりちゃんと作ったセットの中で動かしているんですね。

 つまり、民法の普通のトーク暴露バラエティーみたいなものと、手間をかける場所が全然違うんですね。民放のこういうトーク暴露バラエティーというのは「いかに過激な話を引き出すか」っていうのと、情報量っていうのかな? 濃い話、濃い話、エグい話、エグい話でもっていくんですけども、ねほりんの場合の面白さは何かっていうと、そういう民放的な「ちょっとでも刺激的な話、えぐい話を」ではないんです。 

 いや、話自体は本当にスゴイんですよ。例えば、地下アイドルの回では「アイドルなんて誰でもなれます!」って言った子がいたりして。「家族がライブに毎回10人来ますと言えば、中の下ぐらいのレベルの女の子でもアイドルになれます!」って。こういった話が出てくるんです。

 その話が出た時に山里役のモグラの人形がリアクションするんですけど、この時に、普通のバラエティだったら、出演者の「え?」っという顔だけなんですけども。

 これを一回“人形劇に翻訳”している。全部、音とか絵を撮った後で、もう一回人形に演技させているわけですね。だから、山里モグラが「えーっ!?」っと言ったら、ヘルメットの部分がポンと飛び出るアクションとかも入ってるんですよ。

 すごく、見やすくなっているっていうのかな? 悪意みたいなものが隠されている分、よりそれらが染み出るような感じで、面白くなっているんですね。 

 その地下アイドルの女の子が、「このライブに来る10人というのは、家族でも誰でもいい! 別に彼氏でも“セフレ”でもいいんですよ!」って言ったんです。そしたら、思わずそこでYOUがつっこんで、「ちょっとすごい言葉が出てきましたね。セフレですか。そういうふうに聞くと、セフレって言う言葉も、柔軟剤みたいでいいよね」って言う(笑)。

 これね、民法とは過激さのレベルが違うっていうか。教育テレビなんだけども、そういうふうな言葉を出演者が使っちゃったら、カットするのではなく、YOUのこういう機転によって棘を取ってやっていって、最終的な絵面が「可愛い豚が過激なことを言っていて、モグラが驚いている」っていうふうに落とし込んでいる所が、すごく上手いです。

 なんだろうな。これを一回見てしまうとですね、『ヨソで言わんとい亭』みたいな民放の暴露トーク番組が物足りなくなっちゃうんですね。

 つまり、どんなにエグい話をされるよりも、そうではなくて、それで心を動かされる人とか、それを言っちゃった人間がなんでそんなことを話すのかっていう部分についてYOUと山里の話術で徐々に心を開いていく所が面白いんですね。 

 やっぱ、YOUの話術がスゴいんですよ。

 YOUの話術って、いっちゃえば、単調なんですよ。ストレート、フック、ストレート、フックの連続で。ストレートとしての「あ、私それ嫌い」、「私それ嫌い」、「わかんない」って言った後、フックとしての「わかる気がする」、「わかる気がする」っていう。

 この連続で、相手の心をほぐしておいて、油断した所で、アッパー。「でも、なんでそうなの?」っていう言葉が出てきてですね、この豚さん達も心を許して話してしまうんですね。 

 この手の話で、僕、これまでで、テレビで放送している番組の中で「そこそこ深いな」って思ったのって『マツコ会議』なんですけども。

 『マツコ会議』の中でのマツコデラックスのポジションも、やっぱりYOUと同じで。「それわかんない」とか「私、そういうの嫌ーい」と言いいながら、「わかる気がする」という、この交互なんだけども。

 この『ねほりんぱほりん』でやっていることの方が、流石、教育テレビだけあって、一段上のクオリティーを持っている。

 『にこにこぷん』とか『ハッチポッチステーション』以来の、溜めて溜めて溜め込み続けてきたNHKの人形劇技術の全てが、こんなことをするために使われているっていうのが、めちゃくちゃ格好いいですよ(笑)。

 
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otakingex at 07:00コメント│ この記事をクリップ!

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