
朝日新聞「悩みのるつぼ」からです。
******************************
タイトル「高校担任にエコヒイキされる息子」
相談者 40代主婦
2017年2月18日(土) 朝日新聞朝刊
******************************
【相談】
アメリカには、エリート育成というメソッドがあります。集団全員の成長を目指すのではなく、一部見込みのある子供だけを相手に、リーダーになれるよう集中的に指導する方法です。
他の生徒から嫉妬の集中砲火をあび、本人は孤立します。が、そんなことは当たり前。そんなことでへこむようでは将来、リーダーになれない。イジメや孤立は心のトレーニングチャンス、と指導者は捉えます。
「和をもって尊きと為す」日本人の性分には合わない教育方針です。が、スポーツの世界では当たり前ですよね?
すべての子供に平等に指導していては、チームを強くできません。強いチームのコーチなら、素養のある子、いま伸びている子につききりになるのは当然です。レギュラー選手の練習時間は、その他の子どもたちと 段違いでしょう。
「みんな同じように接するのが正しい教育」というあなたの考え方は間違っていません。日本では普通だと思います。しかし逆に「世界じゅう、どこでも正しく当たり前」ではないんです。
同様に、息子の担任の方針は、日本の学校教育では珍しいだけで、実は間違いとは言えないんですよね。
さて、そう考えた上で、切り替えてみましょう。あなたが悩んでいるのは、先生という「原因」ではなく、息子が登校を渋ったり、笑顔を見せなくなっているという「現象」ですよね?
では原因探しをやめて、ただひたすら息子のグチをきいてあげてください。アドバイスをしたり、解決しようとしてはいけません。
息子にとって何がイヤなのか。辛いのか。あなたが学校側とかけあっていること自体が、息子には苦痛かもしれません。先生の期待が大きすぎて、一時的に自信をなくしているだけかもしれません。
自分には厳しぎる。自分がダメになりそうと息子が考えるなら、いっそ転校も応援してかまいません。リーダーになるだけが幸せな生き方ではありませんから。
先生がイヤだから、その教育方針と戦う。学校が間違ってると思うから、いっそ転校する。人より早く競争社会の洗礼を受けてる、と思って、先生のエコヒイキをガマンする。
どの選択もアリです。大事なのはあなたではなく息子が選ぶこと。どの選択を選ぼうとも、かならず息子のグチを聞いてあげること、です。
******************************