FREEexなう。

2017年02月20日

【悩みのるつぼ】高校担任にエコヒイキされる息子

るつぼタイトル


朝日新聞「悩みのるつぼ」からです。
******************************
タイトル高校担任にエコヒイキされる息子」
相談者 40代主婦
2017年2月18日(土) 朝日新聞朝刊
******************************

【相談】

 40代主婦で、高校生の息子がいます。
 息子の30代の男性担任に依怙贔屓されています。息子はそれが嫌で、学校へ行きたがりません。息子だけニックネームをつけて授業中に褒めまくり、それについては、「出来る生徒を褒めることは大切な指導」と言い張って、何度お願いしてもやめてくれません。

 まわりからは先生のお気に入りと呼ばれ、疎外感があるため、登校を渋ったり、ストレスからか笑顔も会話もなくなりました。担任はクラスでは、学力の高い生徒や明るい生徒としかコミュニケーションを取らず、40数名のうち5名としか関わりを持とうとしないのです。
「自分に自信がある、自信がないと教師になれません」と話すだけあって、高学歴ではありますが、基本的に自分以外に興味がないように感じています。モテた話をクラス内外で話す、自己愛が強い人です。

 学校のカウンセラーや管理職からその先生に話をしてもらっても、素直に聞き入れようとはしません。心無い言葉を発して指摘された時は、本当はそんなことは思っていなかった、上手く伝わらなくてすみません、その決まり台詞なのです。
 無意識で生徒も保護者も振り分けているのに、なぜ教師になりかったのかも不思議なのです。息子も私も、みんな同じように接するのが正しい教育、指導だと思っています。
 
******************************
 
【岡田斗司夫の回答】


 アメリカには、エリート育成というメソッドがあります。集団全員の成長を目指すのではなく、一部見込みのある子供だけを相手に、リーダーになれるよう集中的に指導する方法です。

 他の生徒から嫉妬の集中砲火をあび、本人は孤立します。が、そんなことは当たり前。そんなことでへこむようでは将来、リーダーになれない。イジメや孤立は心のトレーニングチャンス、と指導者は捉えます。

「和をもって尊きと為す」日本人の性分には合わない教育方針です。が、スポーツの世界では当たり前ですよね?

 すべての子供に平等に指導していては、チームを強くできません。強いチームのコーチなら、素養のある子、いま伸びている子につききりになるのは当然です。レギュラー選手の練習時間は、その他の子どもたちと 段違いでしょう。

「みんな同じように接するのが正しい教育」というあなたの考え方は間違っていません。日本では普通だと思います。しかし逆に「世界じゅう、どこでも正しく当たり前」ではないんです。

 同様に、息子の担任の方針は、日本の学校教育では珍しいだけで、実は間違いとは言えないんですよね。

 さて、そう考えた上で、切り替えてみましょう。あなたが悩んでいるのは、先生という「原因」ではなく、息子が登校を渋ったり、笑顔を見せなくなっているという「現象」ですよね?

 では原因探しをやめて、ただひたすら息子のグチをきいてあげてください。アドバイスをしたり、解決しようとしてはいけません。

 息子にとって何がイヤなのか。辛いのか。あなたが学校側とかけあっていること自体が、息子には苦痛かもしれません。先生の期待が大きすぎて、一時的に自信をなくしているだけかもしれません。

 自分には厳しぎる。自分がダメになりそうと息子が考えるなら、いっそ転校も応援してかまいません。リーダーになるだけが幸せな生き方ではありませんから。

 先生がイヤだから、その教育方針と戦う。学校が間違ってると思うから、いっそ転校する。人より早く競争社会の洗礼を受けてる、と思って、先生のエコヒイキをガマンする。

 どの選択もアリです。大事なのはあなたではなく息子が選ぶこと。どの選択を選ぼうとも、かならず息子のグチを聞いてあげること、です。


******************************

この記事についての考察・感想は、“ほぼ”毎日更新しているオンラインサロン『岡田斗司夫ゼミ室』で問答しています。
みなさんの参加、お待ちしています!
         ↓
https://lounge.dmm.com/detail/103/  




コメント一覧(新規コメント投稿は、上のFacebookソーシャルプラグインをお使いください)