FREEexなう。

2016年11月30日

『デスノート』の失敗は『シン・ゴジラ』の影響だった? 名作が変えてしまった映画業界の今後

11月27日(日) ニコ生 岡田斗司夫ゼミ のハイライトです。
岡田斗司夫の最新生放送はこちら⇒http://ch.nicovideo.jp/ex


『シン・ゴジラ』

この作品が映像業界を変えてしまいました。

『ミュージアム』とか『デスノート』の評判が悪いでしょ。
あれはやっぱり『シン・ゴジラ』の影響もあるんだよ。

ああいう極端なフィクション性の強い設定の作品を、これまでみたいに「役者さんの演技力」で見せようとしていたら、やっぱり限界が来ちゃうんだよね。
 
シン・ゴジラが見せちゃったものって、庵野秀明の演出論による「役者さんに敢えて演技をさせない事」なんだ。

シン・ゴジラの俳優さんに渡した台本って、電話帳ぐらいの厚さだったらしいんだよ。

それぐらいの情報密度で役者さんを圧倒して、その中で情報を埋めるような演技をさせる。

その事によって、日本の俳優さんが持っている「フィクション性の高い設定だから、極端なハイテンションの演技をしないと持たない」という常識を打ち消したんだ。

その“ハイテンション演技”の考え方が、現場を苦しめてたんだよね。

劇場版の『ガッチャマン』も極端なウソを、ぜんぶ役者さんの「やるんだ!」という顔や演技で乗せなきゃいけなかったんだよね。

みんな破天荒で恥ずかしい衣装を着て、「人類の命運は俺たちにかかってる!」みたいな事を言ってた。

でも、そんな演技は無理があるんだよ。

それをしようと思ったら、シン・ゴジラみたいな電話帳みたいに分厚い台本が必要なんだよね。

なので、これから先は、これまで邦画のドル箱だった「極端なシュチエーション」とか「フィクション性の高いシュチエーション」を描いた、若い人にヒットするであろう作品が、どんどん作れなくなっていきます。

これが、『シン・ゴジラ』が映像業界を変えてしまった事です。

 
*********************************************
この記事についての考察・感想は、“ほぼ”毎日更新しているオンラインサロン『岡田斗司夫ゼミ室』で問答しています。
みなさんの参加、お待ちしています!
         ↓
https://lounge.dmm.com/detail/103/






otakingex at 07:00コメント│ この記事をクリップ!

コメント一覧(新規コメント投稿は、上のFacebookソーシャルプラグインをお使いください)