11月27日(日) ニコ生 岡田斗司夫ゼミ のハイライトです。
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『シン・ゴジラ』
この作品が映像業界を変えてしまいました。
『ミュージアム』とか『デスノート』の評判が悪いでしょ。
あれはやっぱり『シン・ゴジラ』の影響もあるんだよ。
ああいう極端なフィクション性の強い設定の作品を、これまでみたいに「役者さんの演技力」で見せようとしていたら、やっぱり限界が来ちゃうんだよね。
シン・ゴジラが見せちゃったものって、庵野秀明の演出論による「役者さんに敢えて演技をさせない事」なんだ。
シン・ゴジラの俳優さんに渡した台本って、電話帳ぐらいの厚さだったらしいんだよ。
それぐらいの情報密度で役者さんを圧倒して、その中で情報を埋めるような演技をさせる。
その事によって、日本の俳優さんが持っている「フィクション性の高い設定だから、極端なハイテンションの演技をしないと持たない」という常識を打ち消したんだ。
その“ハイテンション演技”の考え方が、現場を苦しめてたんだよね。
劇場版の『ガッチャマン』も極端なウソを、ぜんぶ役者さんの「やるんだ!」という顔や演技で乗せなきゃいけなかったんだよね。
みんな破天荒で恥ずかしい衣装を着て、「人類の命運は俺たちにかかってる!」みたいな事を言ってた。
でも、そんな演技は無理があるんだよ。
それをしようと思ったら、シン・ゴジラみたいな電話帳みたいに分厚い台本が必要なんだよね。
なので、これから先は、これまで邦画のドル箱だった「極端なシュチエーション」とか「フィクション性の高いシュチエーション」を描いた、若い人にヒットするであろう作品が、どんどん作れなくなっていきます。
これが、『シン・ゴジラ』が映像業界を変えてしまった事です。
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