11月20日(日) ニコ生 岡田斗司夫ゼミ のハイライトです。
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今回も11月13日(日)のNHKスペシャル「終わらない人 宮崎駿」の話をしようと思います。
(http://www.nhk.or.jp/docudocu/program/46/2586742/)
ドワンゴの川上さんが、宮崎駿に「人工知能が作画した映像」というのを持ってきたんだよね。
「人工知能には“痛覚”が無いし、“頭は大事”という考え方も無いので、ゾンビとかを描かせたら、頭を使ってしゃくるように歩きます」という映像を紹介した。
それを見て宮崎さんが「生命に対する侮辱だ!」と怒ったんだ。
(http://www.nhk.or.jp/docudocu/program/46/2586742/)
ドワンゴの川上さんが、宮崎駿に「人工知能が作画した映像」というのを持ってきたんだよね。
「人工知能には“痛覚”が無いし、“頭は大事”という考え方も無いので、ゾンビとかを描かせたら、頭を使ってしゃくるように歩きます」という映像を紹介した。
それを見て宮崎さんが「生命に対する侮辱だ!」と怒ったんだ。
「これを作る人たちは、“痛み”に対して何も考えないでやっているでしょう!」
「きわめて不愉快ですよね!」
「きわめて生命に対する侮辱を感じます!」
宮崎さんは、そう言ったんですよ。
でも僕は、それを見て大笑いしちゃったんだ(笑)。
川上さんは「倫理観や一般常識がないAIにアニメを作らせたらどうなるのか?」という実験を持って来ただけなんだよ。
それに対して宮崎さんは、上から目線で一刀両断しちゃったわけだよね。
でも宮崎駿の『風立ちぬ』って作品は、「ゼロ戦を作った人間の美しい人生」を描いた作品だよね。
ゼロ戦って中国の重慶爆撃に使われて、2万人から5万人の死者を出した戦闘機なわけだよ。
スペインのゲルニカに対するドイツの爆撃機。
中国の重慶に対する日本の爆撃機。
日本の広島に対するアメリカの爆撃機。
この三つは、戦争犯罪と言われるぐらい無差別に人を殺したんですよね。
宮崎さんは「美しいものを作りたかった」って理屈で丸め込んでいるけど、それこそ生命に対する侮辱とも言える。
「宮崎駿こそ、痛みについて何も考えて無い作家だ!」とも言えるわけだよ。
だって、中国の重慶の人口の80パーセントが死んじゃってるワケなんだからさ。
そんな視点でゼロ戦の映画を作った宮崎駿が「生命に対する冒涜」とか言い出したら、重慶に住んでいた人や家族が聞いたら「ちょっと待てよ!」って言いたくなるよね。
オマケに、川上さんが作った映像はただの実験だけど、宮崎駿が描いた堀越二郎は本当に人を殺す戦闘機を作ってるわけだからさ。
あの言い合いに関しては、川上さんの言い分は100パーセント正しいし、宮崎さんの言ってる事は100パーセント間違っているんだ。
じゃあ、なんで川上さんは言い負けたような顔をしていたのか?
それは当たり前で、川上さんの立場が弱いから。
あそこで宮崎駿を怒らせちゃいけないし、怒り出した宮崎駿は理屈が通じない。
それで、しょうがないから黙ってるだけ。
あのドキュメンタリーの面白さは、そういう理不尽を言う老人・宮崎駿を面白がる事。
反論できない力関係や雰囲気で、相手の意見を圧殺する嫌な人間・宮崎駿の非人間的な一面というのが見どころなんだよ。
その両面があるから、宮崎駿は面白い。
本当にゼロ戦の堀越二郎と同じだよね。
「美しいものを作るんだけど、内面はどうなってるんだ!?」という人間なんだ。
でも、ネットの感想では「感動した!」とか「スッとした!」という声が続出してる。
なので僕は、あのドキュメンタリーを見て「さすが宮崎駿は人の痛みが分かる人だ!」と思っちゃう純粋な人の方を心配しちゃう。
そんな人は、すごく“いい人”が多いんだよね。
だけど、そんな人はちょっとだけ「NHKの演出に騙されたよ」と思ってくれればいいなと思います(笑)。
「きわめて不愉快ですよね!」
「きわめて生命に対する侮辱を感じます!」
宮崎さんは、そう言ったんですよ。
でも僕は、それを見て大笑いしちゃったんだ(笑)。
川上さんは「倫理観や一般常識がないAIにアニメを作らせたらどうなるのか?」という実験を持って来ただけなんだよ。
それに対して宮崎さんは、上から目線で一刀両断しちゃったわけだよね。
でも宮崎駿の『風立ちぬ』って作品は、「ゼロ戦を作った人間の美しい人生」を描いた作品だよね。
ゼロ戦って中国の重慶爆撃に使われて、2万人から5万人の死者を出した戦闘機なわけだよ。
スペインのゲルニカに対するドイツの爆撃機。
中国の重慶に対する日本の爆撃機。
日本の広島に対するアメリカの爆撃機。
この三つは、戦争犯罪と言われるぐらい無差別に人を殺したんですよね。
宮崎さんは「美しいものを作りたかった」って理屈で丸め込んでいるけど、それこそ生命に対する侮辱とも言える。
「宮崎駿こそ、痛みについて何も考えて無い作家だ!」とも言えるわけだよ。
だって、中国の重慶の人口の80パーセントが死んじゃってるワケなんだからさ。
そんな視点でゼロ戦の映画を作った宮崎駿が「生命に対する冒涜」とか言い出したら、重慶に住んでいた人や家族が聞いたら「ちょっと待てよ!」って言いたくなるよね。
オマケに、川上さんが作った映像はただの実験だけど、宮崎駿が描いた堀越二郎は本当に人を殺す戦闘機を作ってるわけだからさ。
あの言い合いに関しては、川上さんの言い分は100パーセント正しいし、宮崎さんの言ってる事は100パーセント間違っているんだ。
じゃあ、なんで川上さんは言い負けたような顔をしていたのか?
それは当たり前で、川上さんの立場が弱いから。
あそこで宮崎駿を怒らせちゃいけないし、怒り出した宮崎駿は理屈が通じない。
それで、しょうがないから黙ってるだけ。
あのドキュメンタリーの面白さは、そういう理不尽を言う老人・宮崎駿を面白がる事。
反論できない力関係や雰囲気で、相手の意見を圧殺する嫌な人間・宮崎駿の非人間的な一面というのが見どころなんだよ。
その両面があるから、宮崎駿は面白い。
本当にゼロ戦の堀越二郎と同じだよね。
「美しいものを作るんだけど、内面はどうなってるんだ!?」という人間なんだ。
でも、ネットの感想では「感動した!」とか「スッとした!」という声が続出してる。
なので僕は、あのドキュメンタリーを見て「さすが宮崎駿は人の痛みが分かる人だ!」と思っちゃう純粋な人の方を心配しちゃう。
そんな人は、すごく“いい人”が多いんだよね。
だけど、そんな人はちょっとだけ「NHKの演出に騙されたよ」と思ってくれればいいなと思います(笑)。
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