FREEexなう。

2016年11月25日

今年度No.1確定!『この世界の片隅に』を劇場で観る理由

11月20日(日) ニコ生 岡田斗司夫ゼミ のハイライトです。
岡田斗司夫の最新生放送はこちら⇒http://ch.nicovideo.jp/ex


『この世界の片隅に』いくね。

もう俺、原作漫画買うわ、絵コンテ集も買うわ、読破するわ、
えらい騒ぎですよw

ほんとにすごいよね。
何がすごいって色々あるんだけど。
できるだけ皆さんも、あとでビデオとかでなくて、劇場で見て欲しいと思います。
 
音がすごい。音響がすごいので。

あと、絵の広がりもできれば狭い画面よりも、でかい会場で見たほうがいい。

何よりも映画館にいる人が呆然としてる感じ。
あれはもう体験しないとわからない。

映画館によっては泣いてる人もいたり、終わったあとに拍手するという人もいて。
感情の持って行き場がある場合もあるんですけど。
僕が行ったテアトル新宿というところでは、僕が見た回は、終わったあとに全員呆然としてて、
「これどういう風に思ったらいいんだろ」と。

感動の一番すごい領域だよね。

実は泣くとか笑うとかは、感情がまとまってるから扱いやすいんです。
一番すごい感動ってのは、言葉にならずに、呆然とする。

関西の『正義のミカタ』というテレビ番組で、いつも『シン・ゴジラ』とか、
『スターウォーズ』とかで、食いつき気味の東野幸治さんが、

「岡田さん何かおもしろい漫画ないですか、おもしろいアニメないですか」と言うので
「『この世界の片隅に』絶対見ないとダメですよ」
と言ったら
「ああ、見ときますわ」
めちゃくちゃ薄い反応w

やっぱ世間ってそんなもんなんだよね。

アニメっていうのに関してもそうなんだけど、あと絵の感じ?
まだ見てない人もあの絵の感じとか、頭の中で
「色んな人が感動してるし、岡田斗司夫も褒めてるけど、こんなもんだろうな」
というのがあるわけですよ。

そんな作品だったら、俺もこんなに言わねえよ!という話を今日したいと思います。

ネタバレしないと言いながらも、ネタバレゼロではほぼ不可能。
なので、絶対に安全な領域を、今からいくつかラインを引くね。

まずこれ、第二次大戦の前から後。
たぶん昭和10年頃から昭和20年・・21年あたりまでを描いてる作品だということ。

広島に住んでる女の子の話だから、クライマックスで原爆が落ちる。
これもネタバレじゃない。
ここまでは前提として持っててください。

見た人の感想が支離滅裂なんですね。

人によっては、冒頭1分から泣けて泣けてしょうがないという人もいれば、
とにかく見ろとにかく見ろという人もいれば、
みんなが思ってるようなかわいそうな戦争アニメじゃない。
戦争があってその中で、健気に生きる少女、なんて話じゃないから、頼むから見てくれ、っていうような
頼み込むようなものもあってですね。
まあおもしろい。

見てない理由は映画館、日本全国で60館くらいしかやってないのかな。
東京でも、4・5館しかやってないし。
地方だったらやってない可能性がある。

正直言って僕も困ってて、さっきも言ったけど、あまりに感動がすぎると言葉になりにくい。

前話した、ロサンゼルスとラスベガスの間にある「キャリコ」というゴーストタウンに行ったとき。

なんかすごいものを見て、ほんとに胸が潰れそうになった話をしたよね。それに似てるんだけど。
ほんとにすごいものをみたら言葉にならない。

映画を作る人間ってのは、全員そういう領域を目指して映画作ってるんだ。

映画作ってる人が、
「どんな話ですか」と聞かれたら
「言葉で説明できるのなら映画なんか作ってないよ」
ってよく言うじゃない。

それはみんな『この世界の片隅に』みたいな、言葉にならないものを与えたいんだ。

だから、感動を与えたいんじゃない。

わかりやすい感動とか、泣けるを与えたいんじゃなくて、圧倒させたいんだよね。

特に高畑勲さんなんて、そういう映画を作りたくてやってるから、
まあほんと死ぬほど悔しいと思う。

おもしろいかって言われると、面白いけどそれだけじゃない。

泣けるかっていうと、泣いてる人はいっぱいいるけど、泣いちゃダメだと思う。
泣いちゃダメな映画だと思う。

すごいかって聞かれたら、今年度ナンバーワンの映画。

アニメだけじゃなく、
映画として今年度ナンバーワン間違いないと思います。

 
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otakingex at 07:00コメント│ この記事をクリップ!

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