FREEexなう。

2016年09月06日

【弱者マーケット向け】で稼ぐ人たち

2013年9月30日のメルマガ再録です。

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【弱者マーケット向け】で稼ぐ人たち
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おはよう! 岡田斗司夫です。

 どう書いても「趣味が悪いですね」と言われてしまいそうだけど、【弱者マーケット向け】のテレビCMから目が離せないんです。

【弱者マーケット向け】といっても、別に貧乏人とか低学歴とか、そういうわかりやすい区分けじゃないんですよね。「情報に引っかかりやすい人向け」という意味かな?

 たとえばサラ金のCMを思い出しましょう。そう、「レイクちゃ~~~ん」とか言ってるアレです。
 
「スマホでカンタン」とCMで言うけど、それでなにか便利になったわけじゃないんですよね。
「誰でもカンタンに借金しやすくなった」という恐ろしい報告なんです。

 爽やかな音楽やキレイなモデルさん、「抜け」の良い映像でごまかしてるだけ。それだけでテレビを見ている僕らは「サラ金でお金を借りること」のハードルが下がっちゃう。

「ガマンしてお金が貯まるのを待つ」じゃなくて「いますぐスマホで借金」に抵抗感がなくなっちゃう。
 まんまと 【情報弱者向けの戦略】 に引っかかっちゃうわけです。

 宝くじのCM。あれも【弱者マーケット向け】の商品です。
 以前に橘玲さんが「宝くじは別名『愚か者の税金』。あんなもの買う連中は搾取されてもしかたないですよ」と言っていました。

 橘さんは露悪的だけど、本当のことしか言いません。もちろん、宝くじを発行する政府や銀行の偉い人は【一生・絶対にあんな損する買い物をしない】という「真実」を知ってるから、僕たちに「耳に痛い」話をしてくれるわけです。

 宝くじに関しては、僕自身は「国主導であくどいことするなぁ」と思っています。

 もちろん、「夢を与えてる」という意見もあるのは知ってます。
 でも、そんなこと言いだしたら原発だって戦争だって「国民に夢を与え」ていたんですよ?
 第二次大戦が始まったとき、日本中で戦争万歳パレードが行われました。それは先日の東京オリンピック決定と、なにひとつ違わない風景です。

 夢を見ることは素晴らしい。
 でも、夢見ることの快楽に溺れすぎると、あとで「悪夢」になります。落ち着いて考えれば、「夢」と「悪夢」の差は、誰でも判別可能です。

 宝くじの場合だって、【生涯買い続けた場合の金額】と【獲得の期待値合計】を計算したら、それが「悪夢」だとわかるはずなんですよね。

 ・・・とまぁ、僕の感想はさておきましょう。
 一流の金融関係者が宝くじを決して買わないように、CMを作る人たちも、これが本質的には【弱者マーケット向け】。つまり「詐欺じゃないけど、胸張れる仕事じゃない」ってわかってるようです。

 だから【弱者マーケット向け】CMはいつも、「楽しさ過剰」になりがちです。たぶんそれは、作る側と見る側双方の【罪悪感】を打ち消すためなんだと思います。

 はい、今日はここまで。岡田斗司夫の、ちょっと悪趣味な、TVウォッチングでした!
 

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otakingex at 07:00コメント│ この記事をクリップ!
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