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2016年09月05日

【悩みのるつぼ】「取り柄のない私」

朝日新聞「悩みのるつぼ」からの転載です。

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タイトル「取り柄のない私」
相談者 30代半ば主婦
2010年8月7日 朝日新聞/朝刊
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私は30代半ばで、6歳の娘、3歳の息子がいます。独身時代からの勤めを今でも続けています。

私にはどうやら浪費癖があり、独身のころからお金はきれいに使い切っていました。結婚後もギャンブルにはまったり、他の男性に貢いだりすることこそありませんが、主人には使い道を報告することもないまま、買い物を続け、数百万円使ってしまいました。カードローンやクレジットの返済は主人の両親にお願いして払ってもらいました。

主人はかなり怒って実家にお願いせざるを得なかったので、今後は感謝をしながら正しい人生を歩んでいかなければなりませんが、私には何ひとつ取りえがありません。

整理整頓も、料理も子育ても妻としても何もたいしてできません。せっぱつまってもできないのです。これだけは誰にも負けることがないというものもなければ、大好きなこともとくにありません。

このままでは親子関係も、夫婦関係もどんどん悪くなる一方です。こんな年になってこんな悩みは恥ずかしくてしかたないのですが、自分で悩んでいても何の答えも出ないのです。
何かアドバイスをいただければさいわいです。


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岡田斗司夫による回答
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悩んでも答えが出ないのは当たり前。原因と結果が逆転しちゃっている。相談を正しい順序に直すとわかりやすくなります。

私には取り柄がない
→”だから”浪費が止まらない
→浪費がバレて、評判が落ちた
→下がった評判を取り返したい
→評判を取り返すには「誰にも負けない取り柄」が必要だ
→でも私には取り柄が(無限リピート)

浪費、つまりお金を使っている瞬間は人にチヤホヤしてもらえます。ブランド物を買うと、店員に丁重に扱われますし、身につけると、友達に見栄をはることができます。高級レストランで食事をおごったりすると、知り合いに喜ばれます。

つまり、これまでのあなたの取り柄とは「金払いがいい」「気前が良い」ことだったんですよ。
その唯一の取り柄も、溜まりに溜まって借金数百万。夫の両親に頭下げて払わせたんだから、もはやこの手は使えません。

では、どうしましょうか?
キャラを変えるしかないでしょう。もう「カッコいい私」はあきらめてください。「おバカだけど頑張る!=愛される」を目指しましょう。
オススメは「お金使わなかった貯金」です。これまでの自分なら絶対に買っていた・支払っていたモノやコトを毎日箇条書きしてください。おまけに毎週末、家族に発表するのです。

「以前の私なら○万円使ってたけど、使わなかった!これで累計○○万円の得!ね?偉かったでしょ?誉めて!誉めてくれないと、また浪費しちゃうかも」と夫に誉めを要求しましょう。

おバカでしょ?そういうキャラになっちゃうのです。
誉められること、評価されることは人間に必要です。だからこそ、あなたは浪費した。この根本から目を逸らすと、また同じパターンの繰り返しになります。借金してまで誉めてほしかったんですよ、あなたは。そんな自分を「おバカキャラ」として認めて許してあげてください。

夫が誉めてくれなかったら、仕方ない。僕に「お金使わなかった貯金」をメールしてください。月に一度ぐらいなら「偉かったね」と誉めてあげますから。
とりあえず第一回目、前払いします。
ちゃんと相談できて、偉かったですね。
 
 
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