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2016年05月22日

【真田丸って面白い!その2】第16話『裏表』がドキドキする!

岡田斗司夫ゼミ 5月8日号より。


秀吉
が真田信繁に対して言うの。
徳川家康が真田を滅ぼすけど、それを真田に連絡しちゃいけないよ」って。

主人公の信繁はパニックになって、そこらじゅう走り回る。
そこに出てくるのが、茶々なんだよね。
 


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 オタキング真田丸2
真田丸って作品は、歴史的・通俗的な解釈と違いや、
マニアックな目線からばかり捕えられてる。


だけど三谷幸喜のシナリオは、
コメディーの中に怖い部分があるんだ。


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第16話『表裏』の解説をするね。
これは「ひょうり」でいいのかな?



 茶々っていうのは秀吉の側室。
秀吉がメチャクチャ可愛がってるんだよ。

可愛がっているあまり、
茶々と目線が合ったり、イチャイチャしてる側近がいたら、バンバン殺すんだ。


その事に関して、茶々が秀吉に聞くんだよ。
あの側近が死んだってウワサを聞いたけど、本当?って。

みんなは秀吉が殺してるのを知ってるから、凍りつく。
秀吉は「あぁ、死んだらしいなぁ」っていう。

ものすごい怖い冷たい空間が流れるんだよね。

それを茶々は、「あ、そうなんだ。じゃあもう会えないね。」って、サバサバしてる。

信繁は女中頭に「
どうして茶々様は、あんなに気に入っていた側近が殺されても平気なんですか?」って聞く。
そしたら女中頭は「
茶々様は悲しむのをやめたんですよ」って答える。

信繁は、まったく意味が分かんないんだよね。

でも見てる人間に歴史知識があれば、分かるんだ。
茶々がひどい目にあわされて、数奇な運命の末に秀吉の側室になったというのがね。


竹内結子が茶々役をもらった時に、
「茶々は秀吉に親や家族を殺された。だから秀吉には恨みのこもった視線をするんだろうな。」と思って、役作りをしてた。

そしたら三谷幸喜から、「茶々は明るく楽しそうにしてくだい」って言われたらしい。

竹内結子は、理由がまったく理解できない。

「でも言われたんだから。」
そう思って、一生懸命 明るくバカに見える演技をやっていた。

それが“悲しむのをやめた”って事だったんだ。

権力者の近くにいるって事は、心のどこかを殺す事なんだ。
そういうのは、僕ら視聴者には伝わるんだよね。


茶々は、秀吉から南蛮のキレイな帯をもらって、嬉しそうに信繁に見せる。
信繁は、それが分からない。

なんで茶々様は、そんなにひどい目に会いながら楽しそうに出来るんだ?」と。


オレは、それをドラマで見ててゾッとしたね。


つまり、茶々っていうのは未来の真田信繁なんだ。

真田家が滅ぼされようとしている。
しかし真田家の次男の自分は、秀吉にすごい可愛がられているわけだよ。


権力者に家族が殺されるかも分からない。
しかし秀吉に可愛がられる事は、すごく楽しい。

でも、これを受け入れてしまったら、茶々のように悲しむのをやめる人間にならなきゃいけない。

そういう葛藤があるからこそ、茶々のエピソードと、真田家を滅ぼそうとする秀吉のエピソードが、同時に進行するんだよね。


本当に伝わりにくい。
伝わらなくても、話として面白い。

三谷幸喜がやろうとしてるのは“正しい歴史”ではない。
そこにあったかもしれない人間のドラマ。
それを1年間、作ろうとしてる。


だから、すごいドキドキするんだよね。(25




otakingex at 07:00コメント│ この記事をクリップ!

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