インタビュアーが何を聞いても、水木しげるはすごく眠そうだった。 でも鬼太郎の話になった瞬間に、「銭がガッポガッポ入ったんですよ!」と言ったんだ!
水木しげるさんっているじゃない?
まあ、昔から変な人だってことは分かっていたんだよ。今、原作の『ゲゲゲの鬼太郎』が文庫版になっているから、みんなも読んだほうがいいよ。あれはすごいよ!
2011/07/04 放送岡田斗司夫ニコ生ゼミより
この記事のポイント- 鬼太郎のダークサイドを分化したねずみ男
- インタビューで「銭がガッポガッポ!」
- 『ゲゲゲの鬼太郎』がヒットした理由は、ねずみ男!?
┃鬼太郎のダークサイドを分化したねずみ男
いかに水木しげるという人間が労働嫌いかが分かる。漫画を描くのは好きなんだけど、サボりたくてしょうがないことがよく分かるよ。
ちょっと人気が出て調子に乗ってくると、すぐに水木しげるは疲れて連載を打ち切るんだよな。だから文庫本を見たら、しょっちゅう休載が入っている。「先生がめんどくさくなって適当に終わらせたな」ってことがまる分かりな感じがする。なかなかアナーキーでいいんだよ。
原作の鬼太郎って、僕らが知っているような良い性格じゃないだよね。金に汚くて、小狡くて、人の裏をかいたり、意地悪することを考えたりするんだ。実は「ねずみ男とどこが違うの?」というキャラクターなんだよ。
本来なら鬼太郎にねずみ男的な役割があったんだけど、無理矢理に分化させたんだ。つまりねずみ男は、鬼太郎のダークサイドみたいなもの。それに関して水木しげるが半年くらいまえにテレビのインタビューに答えているんだ。これがもう最高だったの!
┃インタビューで「銭がガッポガッポ!」
インタビュアーは水木しげるに普通のことを聞こうとしているわけだよ。でもインタビュアーが何を言っても、水木しげるはすごく眠そうに「うーん、ああ」とか言って、イメージ通りのボケ老人っぽい感じだったんだ。でも鬼太郎の話になった瞬間に身を乗り出して「鬼太郎は銭がガッポガッポ入ったんですよ!」って言うんだよ。
この「銭が〜」と言い出す間が最高によかったんだ!
あと『ゲゲゲの女房』で有名になったあの背の高い奥さんいるじゃん?
もうお婆さんになんだけど、横に座ってるんだよ。それまで大人しーく古き良き貴婦人みたいな感じに座ってるお婆さんが「ガッポガッポ」って言った瞬間に「本当にねー、良かったわねー」って合いの手を入れるのがおかしくておかしくて(笑)。
┃『ゲゲゲの鬼太郎』がヒットした理由は、ねずみ男!?
「鬼太郎は人気がありますね、じやあ、ねずみ男はどうなんですか?」とインタビュアーが質問をしたんだ。そしたら水木しげるはこう答えた。
「それは大間違いなんですよ。鬼太郎じゃなくて、ねずみ男が銭をガッポガッポガッポガッポ持ってきてくれるんですよ」
これは「水木しげるが金に汚い」という話じゃない。『ゲゲゲの鬼太郎』を描いている中で、ねずみ男というキャラが受け入れられた瞬間にお金がバカみたい入ってきた。それが面白くて面白くてしょうがないんだよな。それぐらい人生はどうにもならないし、どうにもならないから面白いんだよね。
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鬼太郎でお金がガッポガッポ! お金に無頓着で、成功後も南方で危ない目に遭う水木しげる