
今回は「ゲーム機に没頭する息子に悩む50代女性」からの相談です。
50前の女性です。
中学の後半から現在の高校を目指し、塾通いと恵まれた先生方のおかげで難関突破し、それなりの進学校に入学できました。
高校入学後、友達からの連絡はスマホが必須と、頼み込まれて切り替えたところ、学業に差し障りのない限りで、という条件を守っていたのは最初の3日間だけ。学校から帰宅直後、休日は朝からイヤホンを耳にさしたままスマホでゲームに没頭する日々がつつく有様。
母親が注意しだすと暴力行為にはしることもしばしばです。そんな息子の行動・態度に堪忍袋の緒が切れ、購入して1か月もたたないスマホを父親が折ってしまいました。
しかし息子は「なぜ両親がこんなことをしたのか」が理解しようともしません。「学校に自動的に必要なお金を振り込んでくれて、住む環境と食べるものがあれば自分一人で生きていける、親はそのためのもの」とはっきりと言われました。情けなくて仕方がありません。今後まともに社会人として成長していけるのか、心配です。
彼のために毎日弁当作りをしてあげたい気持ちにもなれず、一切かかわりたくない気持ちも高まるばかりです。いつか彼が「このままではいけない」と目覚めるまで放置しておくほうがいいのでしょうか。もうどうするべきなのかわかりません。どうか相談にのってください。
ふたつ、確認します。
ひとつ目、この相談はあなたの家だけの問題ではありません。おそらく思春期の子どもを持つ家庭の過半数が、おなじ問題を抱えています。
ふたつ目、この相談に登場する三人、つまりあなた・夫・息子のだれ一人として間違っていません。全員が最適の行動をとっています。
まず、あなた。中学から高校入試という難しい受験期を、よくぞ息子を励ましながら学費を準備し、進学校に入学させました。高校入学までスマホをガマンさせたのも上出来です。
次に夫。常に妻の味方になり、息子の行動を規制しようと努力しました。スマホを折ったのも、おそらく同年代の男親なら賛同できなくても納得してくれるでしょう。
最後に息子。この時代に、高校入学までスマホをガマンできたのは、まさに奇跡です。父親がスマホを折るという理不尽な事態に、よくぞ家出もせず耐えました。現代の高校生にとってスマホは生命線です。そんな無理解な親相手に、いまだ会話を続けているのも立派です。
いかがですか? 誰も「間違っている人」はいないんです。みんながちゃんとガマンして、家族という共同生活のために耐えている。
だから「いつか息子はわかってくれるだろうか?」と思ってもムダ。あなたの「スマホ中毒じゃないだろうか?」という不安は、息子には理解不可能です。
同様にあなたも「息子の気持ち」を理解する必要はありません。「なぜスマホが必要なのか?」を理解する必要はない。単に所持と使用を認めてやればいいだけです。
そんな相手にお弁当を作ってあげたり、奉仕してあげる気持ちになれない。これまた「当たり前」です。間違っていない。
「育児→しつけ→教育」という段階は終わっちゃったんですよ。息子はこれから先ずっと、親よりスマホの言うことを聞きます。息子が夢中なのはゲームではありません。スマホで出会える「どこか他所の世界」に夢中なんです。
でも、あなたも同じような時期、「家の外」に出たかったんじゃないですか?
思い切って再挑戦しましょうよ。弁当の手を抜くかきっぱりとやめて、息子とおなじスマホかパソコンを手に入れて、「家の外」に出てみましょう。
ネット世界の魅力や怖さなら、いまや息子は頼りになる「先輩」かもです。
<<前回、「罪悪感希薄な私」はこちら
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