FREEexなう。

2014年10月06日

香港学生デモはなぜ起きた? 中国嫌いな香港人の若者が増えている

石平「香港の若者は中国人のことが大嫌いなんですよ!」
東野幸治「・・・そ・・・そうなんですか」

この記事のポイント
  1. 香港の学生デモとは?
  2. ここがイヤだよ中国人
  3. 前門の香港、後門の台湾
  4. 中国の対デモ作戦と美少女活動家の対応

この動画の全長版はクラウドシティ岡田斗司夫ゼミ10月号『中国嫌いな香港人とあの番組の後日譚』で絶賛公開中

 最近、大阪朝日放送の『正義のミカタ』っていう東野幸治さんが司会をやってる土曜の朝のワイドショーに出てるんだけど。つい昨日の放送で、中国問題に詳しい石平さんって人から香港の学生デモの話を聞いたんだ。

 その中で、なぜ香港の若者たちを中心にこういう問題が起こるのかについて、石平さんが「香港の若者は中国人のことが大嫌いなんですよ!」ってスゲえ発言をしてまして(笑)

 これ、テレビ的にOKなのかといったら、司会の東野さんもツッコミようもないみたいで、「そ、そうなんですか」って。あの東野幸治でもツッコめないってのも大概なもんなんだけど。

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┃香港の学生デモとは?

 そもそも香港の学生デモっていうのはなにかというと。香港の行政長官を選ぶ際に、自由選挙を行うことを約束していたはずなのに、中国政府がそれをやってくれない。それに対する抗議なんだ。

 元々、イギリスに借款されていた香港が中国に返還された時、当時の香港の市民の人たちは「恐怖の中国政治に支配されることになる!」って大反対した。それに対して、中国は“一国二制度”ってことを言い出したんだよね。つまり、中国本土は共産主義なんだけど、香港に関しては民主主義を取っていい、と。そうやって説得したわけだ。まあ、そこまでしても、当時600万人いた香港の市民の内、60万人がカナダとかアメリカに逃げちゃったらしいんだけどさ。

 だけど、結局その後、香港のトップを選ぶための自由選挙っていうのは行われなかった。「800人の選挙管理委員が選んだ人が香港の長官になる」という制限選挙だったんだよな。その800人っていうのは中国共産党の人が選んでるから、結局は中国の思い通りの人事になっちゃうわけだ。これについて大モメにモメて。

 で、再来年にやっと今の長官が引退して、新しい行政トップが選ばれるんだけど。これがまた「18歳以上であれば誰に投票するのも自由。……ただし、立候補できるのは選挙管理委員が選んだ人だけですけど」っていう、とんでもない方法だったわけで。どれを取ってもいいんだけど、選べるものはクズばかりっていう、もう“ダメなコンビニの朝のお弁当コーナー”みたいな状態になっててさ(笑)

 それに対して、香港の学生を中心に、今、抗議活動が起こってるそうなんだ。

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┃ここがイヤだよ中国人

 香港の若者が中国人を嫌う一つ目の理由は、“マナーが悪い”というところ。中国人って、路肩の植え込みとか電車の中とかでも平然と子供にトイレをさせるらしいんだよね。

 石平さんによると、中国には子供用の服として“お尻の部分が割れたズボン”が売ってるんだって。それは何のためかというと、どこでもウンチやオシッコが出来るように。どうやら中国には「子供のウンチは汚くない」という伝統があるらしいんだけど。出演者の一人が「本当に汚くないんですか!?」って聞いたら、石平さんは「汚いに決まってますよ!」って(笑)

 「何処でもさせるとは言ったけど、自宅のリビングでさせるような親はいません!」と。つまり、本当は汚いとわかっているんだけど、そういう意識が低いからそこら中にさせている。そういう中国本土の人間のマナーの悪さが香港の若者は大嫌いだって話をしてた。

 あとは“愛国教育”っていうのがあるじゃん。いわゆる、中国にとって有利な歴史ばかりを教えたりするやつ。

 いや、どこの国も「自分の国が一番かっこいい!」って思いたいものだからさ。60年代のアメリカの公的教育を見たら「悪いインディアンの元に正義のアメリカ人が来た」って平然と教えていたし、日本だって似たようなことをやってた。そこについてはどこでも似たようなものなんだけど。

 だけど、このネットワーク時代においては、なかなかそういうことって言い切れないものなんだよ。すぐに他所の国からツッコミが入るから。でも、中国ではいまだにそれをやっている。それが香港の若者からしたら「ウソだろ?」ってことで。それで、今、デモになっているんだって。

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┃前門の香港、後門の台湾

 ではなぜ、中国政府はデモ活動の強制的な弾圧に出れないのか? これに関する石平さんのポイントオブビューがすごく面白かったんだ。

 やっぱりね、“天安門事件”が中国の支配層の人たちにとってトラウマになっているらしくて。きれいに鎮圧できたと思ったんだけど、結局、向こう何十年、ヘタしたら100年後まで語られるような歴史的な事件になってしまった。その結果、「中国はああいうことをする国だ」と言われてしまっている。

 で、それのなにがマズいのかというと、“台湾”なんだ。中国は今、台湾を併合しようと目論んでいる。それに対して台湾は「併合反対」、あるいは「併合されるとしても出来るだけ良い条件で」ということを考えている。

 こういう時に台湾の人が無視できないのが、香港における“一国二制度”問題なんだ。中国は、かつて香港と交わした「お互いの政治体制を尊重しましょう」という約束をあきらかに守ってないんだよね。そうすると、次に台湾が併合される時も、かつての香港と同じか、悪くするとチベットと同じような扱いになるんじゃないかって思わざるをえない。

 そして、タイムリミットも迫っている。台湾に住んでいる人の中には、かつて国共内戦の時に中国本土から移り住んできた人がいる。彼らの中には「中国本土に骨を埋めたい」と願っている人達もいる。もともと儒教とか祖霊信仰の強い国だし、これについては僕らが考えているよりも精神的な支柱に関わる問題なんだ。そういう人たちが台湾の中に残っている内に併合を進めたいわけだよな、中国は。

 でも、香港ではこんなにトラブっていて。「天安門事件の二の舞いは起こせないし~」っていうのが今の中国なんだ。

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┃中国の対デモ作戦と美少女活動家の対応

 そこで中国政府が始めたのが、「デモ隊が反発して暴力的なモブになるように、警官隊を使って刺激する」ということなんだよ(笑)

 でも、中国本土ではこれが上手く行ってたんだ。つまり、警官隊がちょっと過激に小突いたら、カッと血が上って、あっというまに流血沙汰になって。そうなってからそれを鎮圧するっていう流れができたんだけど。

 今回の香港のデモを取り仕切ってるのが17歳の結構イケメンの男の子と、すっごい美少女の女の子の二人なんだけどさ。この二人が、“ウォール街占拠”とかいろんなデモを見て、何が成功して何が失敗したのかというパターンを研究しつくしてるんだ。

 おまけに、台湾の「次は俺達の番かもしれない」って思ってる連中や、中国本土の中でも共産党が嫌いな若者たちなんかと“裏ツイッター”みたいなもので連絡を取り合ってるそう。スゲえよなあ。

 

 今日の俺、なんか反体制派みたいな、「権力に反抗する男・岡田斗司夫!」みたいな感じになってるけど、そんなつもりは全くありませんからね! ただ面白がってるだけなんだよ。今回の話も「中国共産党の手口って、すごい“あからさま”で面白いなあ」って思っただけで(笑)

 まあ、こういう話を朝のワイドショーでバリバリ言えてしまうところが面白いと思いました。

この動画の全長版はクラウドシティ岡田斗司夫ゼミ10月号『中国嫌いな香港人とあの番組の後日譚』で絶賛公開中

ライター:矢村秋歩(FREEex)


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