「やっぱり岡田さんや赤井さんには、“在学中にアニメを制作しよう!
そして金持ちになってやる!”といった明確な目標があったのでしょうか?」
- スポーツカーよりロケバンを買ったほうが楽しいに決まってる
- 故郷に帰れば“錦鯉センター”が待っている
- 世界一だけど全く需要のない技術
この動画の全長版はクラウドシティと赤井孝美×岡田斗司夫対談「クリエイティブと金」で絶賛公開中
![Still002](https://livedoor.blogimg.jp/otakingex/imgs/3/c/3cb4841c-s.png)
┃スポーツカーよりロケバンを買ったほうが楽しいに決まってる
【岡田】
いや、「アニメを作りたい!」って目標はあったよ。でも、「金持ちになってやる!」だなんて目標はないない。
金なんて持ってどうするの? だって、得た金は全部アニメに使うほうが楽しいに決まってるじゃん。例えば、自家用ジェットを買っても自分一人しか乗れない。だったら“撮影用ジェット”を買ったほうが100倍楽しいし。自分用のスポーツカーがあるよりは“ロケバン”があったほうが楽しいに決まってる。楽しさが圧倒的に違うよ。
だから、金持ちになろうと思ったことはなかったね。それは「思いつかなかった」って言うほうが正しいのかもしれないけど。
![Still003](https://livedoor.blogimg.jp/otakingex/imgs/f/4/f429ef55-s.png)
┃故郷に帰れば錦鯉センターが待っている
【赤井】
僕は大阪芸大に入る前は、自分が特撮映画をしたいのかアニメをしたいのかわからなかったので。「まあ、4年間いさせてもらえば何か見つかるだろう」と。で、「結局それも全部ダメだったら、田舎へ帰って父親がやってる“赤井錦鯉センター”を継げばいいや」と思っていたので。
【岡田】
あはは(笑) あの、コワい錦鯉屋さんを?
【赤井】
そうそう。もともと赤井錦鯉センター自体が、うちの親父が庭で飼ってた鯉の趣味が高じて、先祖伝来の田んぼを埋め立てて養殖センターを作ったのが始まりなわけで。まあ、趣味ではじめたもんなんだから、俺が失敗して潰してもいいだろうって(笑)
まあ、全て失敗してオメオメと故郷に帰っても、家業を継げば地味には食っていけるだろう、と。で、空いた時間に漫画でも描いたりしてたら楽しいかなって。そういうのを“自分の心のセーフティネット”として常に持っていて。その中で、「これをやったら世間に通用するかも。いや、しないかも」というのを試していました。
だから、「やりたいことが強烈にあった」と言うよりかは、「やりたいことと世間に通用することの狭間でウロウロしてた」って感じですね。
![Still001](https://livedoor.blogimg.jp/otakingex/imgs/f/b/fbc8abcf-s.png)
┃世界一だけど全く需要のない技術
【赤井】
好きなことでは食えないですよね。
こういう言い方はナンですが、“赤井孝美といえども”好きなことだけでは食えないですね。「好きなことで培ったテクニックを応用しながら、なんとか食えることをしている」っていうのが現実で。好きなことだけで食っている人が本当にいるんだろうか?
例えば、『アオイホノオ』の話で言うと、学生時代の僕は部屋にミニチュアセットを作ってたじゃないですか。でも、僕、ミニチュアセットで食えたためしないですから。
【岡田】
あんなに得意なのにね! もう、昔っから言ってるんだけど、「赤井くんって90cm四方の特撮セットを作らせたら世界一だ」って。俺、いまだにそうだと思うもん!
いや、もちろん、ハリウッドとかに行ったら、もっとすごいこと出来るヤツはいるよ。でも、それはもっと大きい4mとか2mくらいのサイズなんだよ。30cmとかのサイズであんなにすごいセットを作るやつなんで世界にいないんだよ。
でも、あたりまえだけど、そんなものを作る仕事なんてこの世の中にはないんだよな。そんなニーズはない!(笑)
【赤井】
そう。だから、僕も好きなことで食っているわけではない。好きなことで食えたためしもない。
“好きなことの隣接業”で食っているんです。
この動画の全長版はクラウドシティと赤井孝美×岡田斗司夫対談「クリエイティブと金」で絶賛公開中
ライター:矢村秋歩(FREEex)
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『僕たちは就職しなくてもいいのかもしれない』(PHP新書)
就職を考えている若者の過半数が「なんで決まんないのかなぁ」と悩み、決まっている人も大喜びできず、「これでいいのかなぁ」と半信半疑。苦労の末に入った会社なのに、しんどすぎて、すぐにでも辞めたい。チャンスを一回逃したら「新卒」と呼ばれなくなって、さらに厳しい。転職活動はこれまた輪をかけて厳しい――。何かヘンです。明らかに、何かがズレています。
第1章 もう就職できないかもしれない
第2章 でも、そんなにお金は必要なのか?
第3章 お金は動かなくても経済はまわる
第4章 「お手伝い」という働き方
第5章 最後は「いい人」が生き残る
終 章 あらためて就職を考えよう就活や会社生活に疲れきったすべての日本人に向けて、「評価経済社会」の到来を予言した稀代の評論家が、金儲けからもストレスからも余計なプライドからも解放された、なんとなく気持ちのいい新しい働き方を紹介します。キーワードは「未来格差」「3つのC」「お手伝い」。