島本和彦
「女の子が砲弾を手で受けた瞬間に全部もうダメだと思った」
- DAICON3オープニングアニメのひみつ
- 庵野くん作画の弱点
この対談の全長版はクラウドシティと島本和彦×岡田斗司夫対談2「オタキングの逆襲」で絶賛公開中
-
いよいよ来週!アオイホノオ最終回を岡田斗司夫が実況ニコ生やっちゃいます!タイムシフト予約よろしく!
放送局によっては、ネタばれ気味になっちゃうけどごめんね。配信でドラマ本編は流れないけど、文字じゃどうしても伝えられないことがあるんだよ。
岡田 DAICONⅢのオープニングアニメは1カット1カットが「アニメのパロディをこんなにストレートにやって、なんてダサイおれ」って死にたい気持ちで一杯になるから。
『アオイホノオ』でこれからあのアニメが出て来るんだと思うと辛くて辛くて。パンクドラゴンだけは出さないで欲しいんだけど、出すんだろうな(笑)
┃パンクドラゴン登場の時は大丈夫だった
島本 パンクドラゴンが出たときにはね、「このレベルか」と思って安心したの(笑)
これからマンガに描くけど観客はドッと笑ってるのね。あそこは本当にね「このレベルでいってくれ!いいんだ。これで笑ってくれるなら大丈夫だ。俺の心は傷つかない」って思ってたんだけど、女の子が砲弾を手で受けた瞬間に「ああ、全部もうダメだ」ってなったの(笑)
岡田 あそこからの怒涛の展開でなんか印象がいいアニメだと思うけど、最初の30秒か1分ダメなアニメなんだよ。
島本 そうでもないよ。パンクドラゴンのところだけだよ(笑)
岡田 いや、パンクドラゴンの次の、吾妻ひでおのゴモラが土煙を上げながら下から出て来るシーンのタイミングも酷いよ。
島本 うん、あのゴモラもどうかと思った。ギャグとしてちょっと中途半端かな(笑)
あまりパンクドラゴンって言うといしかわじゅん先生に失礼だからね。
岡田 今観ると、パワードスーツが女の子に「これから打つぞ」ってシーンの一歩前出しとかもね、カットが切り替わったら「一歩前へ出て止まって」ってダメなアニメのカット割りになってる。
┃庵野作画初期の弱点
岡田 庵野くんは同じことを『マクロス』の27話『愛は流れる』のデストロイドモンスターの一歩歩きでやっていて、カットが変わったあとで、モンスターが一歩歩いて終わってる。
そうじゃないだろ! カット始めでもう足が上がっていないと! 宮﨑駿に何を学んでいるんだ(笑)
エヴァではそこらへんがなくなって凄いナチュラルになっているんだけど、初期の庵野動きは真面目すぎるの。たぶん紙でアニメを描いているからなんだろうね。ダイエーの計算用紙で無駄な紙を使えないから、頭から終わりまで描いてはめちゃおうとする。「用意スタート……カット」の演技で動作の最初から最後まで全部使っちゃうのよ。
カット頭でもう動き出すという、スピード感とアクション感の編集がないから、1カット1カットが死ぬほど辛くて……描くのが速くなってくるとだんだん良くなってきたなって感じなんだけど。
島本 そーか、でもですよ。
この対談の全長版はクラウドシティと島本和彦×岡田斗司夫対談「島本和彦×岡田斗司夫対談2「オタキングの逆襲」」で絶賛公開中!!
ライター:無銘のマサフミ(FREEex)