
『悩みのるつぼ』、今回は「自分の不倫癖に悩む40代女性」からの相談です。
40代女性です。夫と大学生 高校生の女の子ふたりと4人家族です。ときどきわきおこる誰かと「恋愛したい」という感情を抑えきれずにいます。
いま仕事場で気になる人がいます。20歳くらい年上で、とても魅力的で親しくなりたいときっかけをさがしています。
以前つとめていた会社で不倫を3回しました。会社帰りにお酒をのんだり、ホテルにとまり、朝帰り。子どもたちのお弁当を作って学校に送りだし、会社へいく。旅行にでかけたり、休日を一緒にすごしたり。
家族へ罪悪感もありましが、思いを抑えきれずに続けてきました。お金の問題や相手の男性の転職などの理由で、それぞれ終わりました。
母は浮気症で、お酒を飲んでは、男の人と抱き合ったりしていました。その姿に嫌悪感を抱き、私は絶対あんなふうにはならないと思ってきました。今は、私の不倫癖も血筋なのだろうかと思ってしまいます。
夫婦関係は10年以上なく、会話もありませんが不満はありません。でも、だれか男の人がほしくなる自分がいます。意中の人に近づきたいと考えずにはいられないのです。恋多き男性で、魅力的なひとです。私は病気でしょうか。
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あなたのしんどさは三つに分解できます。
1.家族を騙し、不倫してるという罪悪感
2.嫌いだった母と同じ事をしてる、という嫌悪感
3.こんな自分はダメだ、という自己否定
一番目の罪悪感はどうにもなりません。家族を騙してるんだから、苦しいので当たり前です。
二番目は? 母は浮気姿をあなたに見せて苦しめました。でもあなたは娘に気付かれてません。つまりあなたと母は「同じ」ではない。
三番目はどうでしょう? 私には実は「ダメだ」と強く思えないんですよ。その理由は、私たちの社会がいま、「生涯恋愛社会」へと変化しているからです。
生涯恋愛社会とは、生涯、自由に恋愛する可能性を「否定しない」社会です。恋愛する・しないが、非婚・既婚にも、年齢にも関係しない社会。
生涯、誰とも恋愛しない人もいる一方で、結婚してからも恋愛し続け、生涯の恋人が10人を超える人もいる。この二極化がすすんでいます。あなたのような人は今、そんなに珍しい存在ではありません。
10年以上、ろくな会話もしてくれない夫でも「不満がない」と言えるのは、あなたが不倫してるからでしょう。不倫をやめて、その結果、ストレスで家庭が壊れても、誰の得にもなりません。そういう理由で平和が保たれている家庭はいま、想像以上に多いのです。
いま、あなたができることを四つにまとめました。
1.母親を許す
あの頃の母の気持ち、いまはわかるはず。母を許せないと、自分も許せませんよ。
2.秘密を守る
油断や開き直りは禁物。家族に不倫がバレた時、はじめてあなたは大嫌いだった母と同じになります。
3.家族を大事に
あなたは、夫の妻であり、子供たちの母です。その立場を守り、責務を果たすことは社会人として求められている大切な役割です。決して投げ出さないこと。
4.自分を最優先する
あなたの人生は、あなたのもの。子供のものや夫のものではありません。自分の気持ちを最優先してください。
ただし、婚外の肉体関係は違法です。あなた自身を大切にするために、避けられる限り、避けましょう。自棄をおこさず、溺れず、プライドをもって「生涯恋愛社会」を泳ぎ切ってください。
<<前回、「夫のソープ行きに悩む」はこちら
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