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2014年08月16日

【公式ブログ連動企画】やつらに騙されるな!アオイホノオ第五話「嗚呼、東京」のひみつ

アオイホノオ5話のひみつ


aoihonoo ついにオンエアを開始したドラマ『アオイホノオ』に合わせた岡田斗司夫の解説と赤井孝美さんとの対談で飛び出したあのころのぼくらのひみつを皆さんにお知らせするぞ!
録画をした君は、この解説を頭に入れてもう一度みてみよう!
  1. あのころ編集部のひみつ
  2. マッド・ホーリィのひみつ
  3. 名画座『ロッキー』のひみつ
  4. 最近の学生のひみつ
  5. 岡田斗司夫のひみつ

ドラマ24『アオイホノオ』(テレビ東京系)毎週金曜日24時12分


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  • ・「女の子が可愛く描けているよね」

     実は当時の漫画界、特に少年サンデーでは最大の誉め言葉。それまでの少年マンガでは「女の子が可愛いかどうか」などどうでもよかった。
     しかし細野不二彦の登場以来、新人マンガ家の条件として「可愛い女の子が描けるかどうか?」はほぼ絶対の条件になった。
     この条件は サンデー>マガジン>ジャンプ>チャンピオン の順に要求された。

     サンデー=絵がキレイで女の子が可愛い
     マガジン=マンガに迫力がある
     ジャンプ=誰も描いてないマンガである
     チャンピオン=ヤンキーまたはヤクザが主人公(ブラックジャックも無免許医=ヤクザな医者)

     これが当時噂されていた、各編集部が求める新人マンガ家の条件である。

  • ・「これ、僕の名刺だから」

     これは横山氏が担当になってくれた、というサイン。
     要するに今回のマンガは「なにか言うレベルではない」ということになる。「このまま掲載」とか「この部分を直してくれたら掲載」というレベルのマンガではない。しかし持ち込みに来る積極性と、なにより32ページを最後まで完成させた執念ややる気はすごく評価してくれている。
     これ以上の言葉を横山氏が語らないのは、「あと2〜3作、完成してみないと才能なんかわかんない」と思ってるから。マンガ家に必要なのは、才能よりも「何度も持ち込む」という執念と欲望である。だからこの段階であきらめてしまうような「繊細な若者」はある意味、必要としないのだ。
     もちろん、一発OKで採用される場合もある。しかしモユルの場合はそこまでの超A級ではなかった。普通のA級〜B級の上、というところか。だから励ましてくれて、名刺までくれたわけ。
     しかし、舞い上がった次は過剰に落ち込んだモユルには、横山氏の真意は伝わらない。

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  • ・「ジャンプに行こう。あそこは絵の下手な新人に優しいから」

     これはモユルの言うとおり。ジャンプで新人としてデビューした小林よしのりやえんどコイチなどは驚異的な絵の下手さで読者すら驚かせた。
     しかし連載を半年も続けると、みるみるそのヘタさも味になる。サンデー=小学館が当時、「デビュー時の絵の完成度」を求めてたのに対して、「これからの可能性」を求めるジャンプは、当時のマンガマニアからこう言われていたのだ。

  • ・「いま、江口先生の原稿があがらなくてさー」

     マンガ家・江口寿史は原稿が遅い,落とすので有名。詳しくはwikiとかで各自調べるように。

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  • ・「腹へったろ?好きなモン、頼んでいいよ」

     ジャンプ編集部マッド・ホーリィはこう語った。他の編集部に比べてジャンプ編集部は接待が豪華なので有名。
     岡田斗司夫が、まだ朝日新聞社から単行本一冊しか出していない物書きの時代に、いきなり編集長から「会いたいんですけど」と丁寧な電話で誘われて「山の上ホテルの天ぷら」「六本木のキャバクラ」と謎の接待を受けた。別に仕事を頼まれるではなく「なにかあれば、なんでも相談してください。できることはなんでもやります」と言われた。
     たぶん、将来があると思った作家や物書きには片端からこう言って声をかけていたんだろうと思う。帰りは黒塗りのハイヤーを呼んで、自宅までの行き先を告げた上で「大切な先生だから、安全にお願いします」と運転手に念を押した。まさに「物書き殺し」の名セリフ。
     こういう第一印象で作家やマンガ家はクラッと来てしまうのだ。

  • ・インベーダー喫茶

     集英社の編集者に原稿を見てもらった喫茶店のテーブルは、ちゃんと当時の風俗どおりのゲーム機。おそらくインベーダーゲーム。

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  • ・名画座の「ロッキー」

     まさかの再現フィルム!  TVドラマ内で実在の映画映像とか使うのは権利処理がたいへん難しい。特にハリウッド作品など不可能に近い。だから普通、そういうシーンは シナリオに入れないし、あったとしてもプロデューサーがカットする。
     しかし!「アオイホノオ」では敢然とこの問題に立ち向かった!
     その成果が、このまさかの「再現フィルム」である。

     結果は・・・
     僕は好きだ。

     このドラマの、こういう「マジメに悪ふざけして、その上で感動させるところ」が大好きだ。第一話の庵野のセリフ「受けようと思って作ったんじゃない!感動させようとしたんだ!」を地でいく名シーンである。


┃学生のいい子率が増えている

岡田 今の二十歳ぐらいの学生っていうのは、大阪芸大に限らずどこの大学でも、すぐ反省しちゃったり落ち込んだり、有頂天と落ち込みとの交互を繰り返してるんですよ。今の若い人ってボランティアとかに行くじゃない、本当に真面目というのと違う、いい子率が高いんだよ。とにかく争いを避けるよね。

赤井 そうなんですよ。真面目と言うと、意味が広くなりすぎちゃってぼやけるから、いい子のほうがニュアンスとしては近いんですかね。あと、ぼくらは先輩や目上の人を敬いますよね。

岡田 敬っちゃう。

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┃得られるものがないなら辞めてしまえ

赤井 岡田さんだって、こんなところで学ぶところはないみたいに大学もすぐ辞めたし、幼稚園もお遊戯ですぐ辞めたし(笑)

岡田 幼稚園も辞めたし大学も辞めたしガイナックスも辞めたし(笑) 「去年もやった同じお遊戯をさせるようなところに僕はもういる意味はありません」って「反骨精神だろう」と言われるけど、反骨でも何でもなくて去年と違うお遊戯をさせてくれたなら幼稚園辞めてなかったと思うよ。

赤井 ぼくらも大阪芸大に入った時に先生を小バカにしていたんですよ。先生方もそれを知っていて、例えば当時の先生でいうと脚本家の依田義賢さん。あと黒沢映画とかで撮影していた宮川一夫さん、この辺の先生は「嘗めるな」ということで、ぼくらに必ず技を見せて黙らせるんですよ。


┃先生は実力を見せつける

赤井 一年生の夏休みの前に依田義堅さんにシナリオの課題を提出したら。速読してシナリオを見るわけです。「読んどるんかい? このおっさん」とこっちが思っていると「この人物がこういう行動をとるのはなぜ? この状況だとこうするはずだろ?」みたいなことを言って「読んでる~!」とか、宮川一夫さんも、僕から見ても背丈が低いんですけど、でっかい35ミリのカメラを手でもって「君たちは8ミリカメラでもパンをすると揺れるだろ、それはね元の位置からカメラを振るから揺れるんだよ。最後の最終位置に腰を向けて振れば」ピタッ「ほら揺れない」とそれを見てぼくらは「うぉ~かっこいい」って、ぼくらや当時の若者の「日本映画に学ぶことはない、お前らハリウッド映画に歯がたてへんやんけ」という気持ちにパッとプロのテクニックを見せつていたんです。

岡田 すごい重いでしょ35ミリ。それを小男が降って揺れない(笑)

赤井 たぶん「こいつら先生とか言ってるくせに俺の映画を見てないだろう」とか「宮川和夫が何たるかを知らないだろう」と思っていて「ちょっと腕力を見せとかなきゃ」みたいなね。そういうことをやっていた先生だけは尊敬していたんですよ。だけど、そうでもなくて「先生だから尊敬される」と思ってる人には、ことさら小バカにする態度をとったりとかしてましたね。

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ライター:城谷尚也(FREEex / アルテイド)

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otakingex at 01:00コメント│ この記事をクリップ!
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