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2014年02月11日

【特集】押井守の映画はようわからん。わからんけど気になる!

img (1)サンドイッチとアイス珈琲の代償に、北久保監督は僕を押井守エミュレーターとして使い倒した!
「押井守の魅力は”ワケわからなさ”て言うたやろ? デタラメとは違う。”知的で底が知れないこと”やねん」
「なんや意味ありげやし、賢いことを言うてるけど、ようわからん。わからんけど気になる。
岡田斗司夫の「ま、金ならあるし」第5集 より
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週刊アスキー の人気連載『ま、金ならあるし』が電子書籍になりました!

岡田斗司夫が、お金にまつわる様々な思い出をつづった連載エッセイ『ま、金ならあるし』。
今回発売されるのはその第5集18回連載分で読み応えっぷりです。しかも99円とお買い得!!

本の中で語られるのは、芸大時代、自宅をアニメスタジオと改造し、アニメをを作っていた頃の話。
当たり前の様に家に居座る息子の悪い友達「庵野秀明、赤井孝美、山賀博之」 VS 岡田斗司夫の厳格な「ご両親」とのまるでコメディーのようなやり取り。

『お笑いウルトラリッチ』では、”天才”脳機能学者という肩書のドクター苫米地の、一般人とはスケールの違う『金持ちのリアルな生態』

そして注目は、「押井守になりたい」という北久保弘之監督に対しての、岡田斗司夫の『映画監督・押井守の徹底分析』
圧巻は、分析だけでは終わらず、まるで押井守当人が考えたかの様なアニメのストーリと設定を1話丸々その場で作ってしまう。

しかも急に呼び出された喫茶店で、サンドイッチとコーヒーとケーキを奢ってもらう、ただそれだけで……
そのハイライトをどうぞ!!

ライター:天邪鬼のシュンスケ
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”これまでのあらすじ”

大阪アマチュア時代から続いていた僕たちのルール。


それは”メシや珈琲を奢ってもらったら、その時間中は相手の企画にとことん付き合う”という鉄の掟だった。

サンドイッチとアイス珈琲の代償に、北久保監督は僕を押井守エミュレーターとして使い倒す権利を得たのだ!


「押井守の魅力は”ワケわからなさ”て言うたやろ? デタラメとは違う。”知的で底が知れないこと”やねん」。


監督は首をかしげる。

「なんや意味ありげやし、賢いことを言うてるけど、ようわからん。わからんけど気になる。

そういう気分にさせるためには、観客を”観ていることの内容整理に迷う”という方向に、ぽんと落としてやることが必要やねん

「なるほど。それは、”たんなるわかりにくい話”とは違いますよね」


「大事なのは、知的な香りを漂わせ意味ありげに語ること。ナゾはナゾのままでかまへん。

セリフは目一杯多い目で声優も舞台役者っぽい発声や演技できる奴で固める。

またはセリフできるだけ少なくするか、どっちかや。

観客自身が意味不明という暗闇の中で手さぐりで歩きながら”すごい、どこまで行っても果てがない!なんて奥深い話なんだ!”と感動する。

何のことはない。
観客は自分が迷い歩いた道程そのものの”長さ”を”奥行き”と思いこんでるだけやねん



「わからなくてウロウロ迷わせるのを前提に作品を作るんですか? 
それだと、まったく間違った結論に行き着いちゃったらどうするんですか」


「それでもエエやんか」

「え?」

「お前の作品は、”見通し”が良すぎる。だから誤解の余地がない。観客一人ひとり誰もが”同じ話”を観てる」

「当たり前じゃないですか!」

「誰もが同じ作品を見るなら、その観客は”誰でもいい”ことになる。”私”である必要はない」

「……」

「観客は映画をみながら一生懸命、ああだろうかこうだろうかと考える。考えれば考えるほど、解釈がどんどん広がって結論が出ない。

結論が出たらアカンねん。

自分の想像力をフルに使って精いっぱい考えた解釈も、作品の中に用意されたものだと思い込む。

これが、”私だけの映画”になる瞬間や


「そう言えば、押井作品にいつも登場する、映画作りというテーマも何通りにも解釈できるテーマですよね」

「それやよ、それ! 映画監督であるとはどういうことか。映画を作るとはどういうことか。

これは、押井作品に必ず含まれるテーマの一つやねん。

あとは”特定の時代に思い入れ”、”存在やコミュニケーションの不在”とかが押井テーマの特徴や」


「う〜ん、岡田さん、いま押井守が乗り移ってますよ!」

「サンドイッチひとつでエエ仕事しまっせ(笑)」

「それどころじゃない。これはケーキの値打ちもあります!」。

 なんとケーキまでゴチになってしまった。監督の出費はすでに二千円を超えているだろう。

こうなるともう、かつて貞本義行が語った”押井守の秘密”を語るしかあるまい!


つづく・・・


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otakingex at 07:00コメント│ この記事をクリップ!
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