FREEexなう。

2014年01月13日

岡田斗司夫の近未来日記 287回「3Dプリンター」

2014y01m06d_173159259 恋愛戦略は、ちょっとお休み。どうしても気になったので「3Dプリンター」の話をします。

 インクジェットプリンターは、微細なインク粒子を紙に吹き付けて印刷します。三原色と黒のインクを、何度も紙を往復させて吹き付けると、カラー印刷ができます。

  これと同じ原理で、微細なプラスチック粒子を吹き付け、それを何百層も何万層も重ねると・・・どんな複雑な立体でも、印刷するように成形できてしまいます。

  これが3Dプリンターの原理です。


2014/1/21日号掲載


2014y01m06d_173114485  この3Dプリンター、「21世紀最大の発明」と言われています。

  オバマ大統領も「モノ作りアメリカ復権を担う技術」と演説し、全米の公立学校に3Dプリンター設置と教育を指示しました。

  すると、たちまちあらゆる産業で3Dプリンターが応用されました。

・食品・料理

  NASAはできたてピザを3Dプリンターで「印刷」に成功。

・工業

  ゼネラルエレクトリックスはジェット機のパーツを3Dプリンターで製造開始。3Dプリンターで作られた自動車、あと二年で公道を走る。

・建築

  一戸建てを20時間で超大型3Dプリンターで作る計画が進行中。

  ビルや橋など巨大建造物を作る建材にも3Dプリンターの応用進む。

・生物

  アイオワ大は3Dプリンターで人間の「臓器」出力を研究。

  DNAを印刷する可能性をアメリカの分子生物学者が示唆。

  ・・・と無限に応用範囲は拡がります。

  素材もプラスチックだけでなく、金属や半導体素子も可能です。つまり機械部品や筐体も成形が可能なんです。電子回路に必要なプリント基板も、それどころか集積回路だって、いまや「印刷」されています。近い将来、スマホや腕時計などが丸々すべて「印刷」されるでしょう。

  では、この行き着く果てはどこでしょう?

  建物だけでなく、道路や港や鉄道まですべて「印刷」する、超巨大な3Dプリンターの登場?

  DNAや細胞を印刷し、ついには「人間」まで出力する生物3Dプリンター?

  いいえ。そういうセンセーショナルに聞こえる発明よりも、ずっと地味で、おそらく数年以内に可能な技術に、恐るべきゴールが見えています。

 「3Dプリンターを作れる3Dプリンターの登場」

  これが究極のゴールです。言い換えるなら「自己複製できるマシンの誕生」。繁殖できるロボットの誕生です。

  次回に続きます。

<<前回、「モテる戦略」3はこちら

***********************************************************
岡田斗司夫のSNS『クラウドシティ』では、この連載をはじめ、すべての連載やインタビューが連載前から読めます。
バックナンバーもそろっています。

クラウドシティ入会者 随時募集中
価格:月額 882円 / 年額 10,500円
動画・音声・テキスト・電子書籍:岡田斗司夫コンテンツアーカイブ見放題

詳細はこちら お申込みはこちら




コメント一覧(新規コメント投稿は、上のFacebookソーシャルプラグインをお使いください)