「モテる」とはなんでしょう?
まずは既存のアプローチ、つまりネットや雑誌で溢れている「通俗的な情報」を検証してみましょう。
2014/1/7・14日合併号掲載
1.恋愛マニュアル系
「いまは〇〇系男子がモテる!」とかのアレです。つまり「女子一般には求める男性像と言うのがあって、それを演じる事によって好かれる可能性が上がる」という世界観。
これなにかというと、釣り(フィッシング)と同じ考えなんですね。対象をいくつかのカテゴリ(磯釣りとか森ガールとか)に分けて、釣果を上げた人の談話から必勝法を逆解析する。釣りヒーローの語録や装備をありがたがる。「恋愛マニュアル」ではなく「フィッシングマニュアル」にしかなっていません。
しかも女性と魚類は「知性と個性と多様性」vs「地域性(海や川の特殊条件)と本能」と違いすぎます。
それでも「マニュアルないよりマシ」としていまだに重宝されています。
2.オンナが語る恋愛論系
オンナのことはオンナに聞け、という発想でいまだに根強く生き残っています。だいたい、上から目線で、語り手は以下の2パターン。
パターンA:年上の「私は良い恋をいっぱいしてきたわよ」系の強気型。「オンナはこういう生き物よ!」と断定して、男にダメ出しします。
パターンB:「これまで苦労してきた私が言うんだからさ」型。
オネエとか元風俗嬢とか銀座ホステスとかが語ります。あんがい一番マトモなんだけど、肝心の「モテない男子がどうすりゃいいの?」の問いにはまず答えてくれません。彼女たちの興味は「モテない男子」ではなく「モテる男子との恋愛と泥沼」→「そうならないように、皆さんは以下のように気をつけてね」という自分語りにあるからです。
3.最近、流行りの「恋愛経済学」系。
論理思考に弱い人ほど、エセ論理に騙されます。エセと本物の論理を見抜くのは難しく、だいたい楽しいのはエセの方だからです。経済学のフリしてるけど、実は経済用語を使ってるだけでナンパ術を語る。これが「恋愛経済学」の本質です。
たとえば柳田理科雄さんの「空想科学」シリーズは、まったく科学的ではありません。「言い回しや用語が科学っぽくて面白い」けど、あくまで「科学用語を使った屁理屈ネタ」です。
Mr.マリックの超魔術を「奇跡だ!」と信じる人、いませんよね? あれは手品だとわかって楽しんでいる。同様に柳田理科雄も「科学ではなく屁理屈」と割り切って楽しめばいいんです。
なので最近はやりの「恋愛経済学」も屁理屈と割り切って楽しめばすごく面白いし、学ぶところも大いにあります。「経済学」という看板は「超魔術」と同じだから気をつけましょう。
カテゴリ1は時代遅れ。カテゴリ2はジャンル違い。カテゴリ3はトンデモ理論。では「使える」恋愛理論とはどんなものでしょうか?
<<前回、「モテる戦略」2はこちら
***********************************************************
岡田斗司夫のSNS『クラウドシティ』では、この連載をはじめ、すべての連載やインタビューが連載前から読めます。
バックナンバーもそろっています。