中世の都市とか、中世の街とか村とか言うけども、そこにはどんな物があって、どんな生活してたのか。
これがかなり図解で描いてあるんですね。
僕は、というかガイナックスは、めちゃくちゃ参考にしました。
架空の世界を作る時は、「その世界ごとにコレが一冊作れないと駄目」ということですね。
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2013年11月10日、吉本興業の本部で開催された岡田斗司夫による読書会「ビブリオトーク」。
面白い本について語るこのイベントで、いの一番に紹介されたのが、新紀元社の「幻想都市物語〈中世編〉」
中世時代の架空のファンタジー世界を作る上での設定の指南書。
しかし、ただそれだけではない!
世界が何でどの様に構成されているのかを岡田斗司夫に教えてくれた本でもある。
映画、漫画、小説、ゲームを嗜む人なら読んでおくべき一冊。
なぜ岡田斗司夫は、作品を、そして世の中を一歩踏み込んだ視点で見る事ができるのか?
それはこの本に詰まっている。
「オネアミスの翼」の裏話も飛び出す。
その一部始終をどうぞ!!
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多分まだ売ってると思うんですけども、新紀元社の「幻想都市物語〈中世編〉」です。
新紀元社がこの「幻想都市物語〈中世編〉」を出したのは、もう多分25年以上昔だと思うんですけども、ロールプレイングゲーム(RPG)という言葉が流行って、ドラクエとかファイナルファンタジーがブームの最中の頃ですね。
で、そういうゲームデザインをしたいと思う人がいっぱいいた。
その時にどういう事を考えなきゃいけないのか。
中世の都市とか、中世の街とか村とか言うけども、そこにはどんな物があって、どんな生活してたのか。
これがかなり図解で描いてあるんですね。
僕は、というかガイナックスは、めちゃくちゃ参考にしました。
これを参考にして何をするのかというと、ここから引き写すんじゃないんですよ。
架空の世界を作る時は、「その世界ごとにコレが一冊作れないと駄目」ということですね。
例えば教会建築があって、ステンドグラスがあると。
そこには法則があるわけです。
キリスト教徒でいうところの教会みたいなもので、別世界である特定の宗教があったとしたら、そこはどんな建物が建っているべきだろうか。
そこにはカテドラルという縦に長い塔みたいなのがあって、その上に鐘があるのかどうか。
その鐘というのは、なんで日本のお寺の鐘は地面に近い所で、西洋のやつは高い所にあるんだろうか。
もうこの2つだけでも、対比があるわけですね。
日本の鐘は低い所にあり、西洋の鐘は高い所にあると。
それぞれの鐘の意味合いとかも書いてあるわけですね。
僕この本で、西洋の鐘の意味合いというのは、「この音が届く範囲が即ち神の威光が知らしめす所である」ということを知りました。
イコールその都市国家についての安全宣言なんですね。
僕らは、国家の防衛線というのが、国境とか川とかそういうもので慣れてます。
けれども、中世の人達にしてみれば、教会の鐘の音が聞こえる範囲が、即ちその王家なりその宗教の団体なりが安全保障している圏内であって、その圏外に行ってトラブルにあったら、「それお前の自己責任だよ」みたいな事を言われると。
こういう考え方を、僕達はこの本の中で学んだわけですね。
「オネアミスの翼」という映画を作った時に、じゃあ別世界で宗教みたいなものをやるんだったら、同じ様なルールがあるんじゃないかと。
その世界の鐘は地面に近いのか、それとも高い所なのか。
逆に地面を深く掘って、鐘が聞こえる人間を極めて少なくすることで、ある都市の中で、鐘が聞こえる範囲というのは本当にその教会の近くにしかいない。
じゃあ「その人達だけに時報を知らせる意味」、みたいな色んな使い方ができるわけですね。
こんな本って割と珍しいんですよ。
本を買う時ってついつい僕らは、興味であったり、なんか自分が調べる事の資料なんですけども、僕これ一般資料として、基礎教養として読んどくべきじゃないかな~、という風に思います。
で、これ一冊あれば、日本版が書けるんですね。
つまり、日本の当たり前だと僕らが思っている「プロ野球ってなんですか」とか、「賭け麻雀ってなんですか」とか、「パチンコってなんですか」っていうのをこの文体で書いたら、異世界の人達に日本を紹介する本ができる。
多分日本の紹介文からファンタジーの世界って、アナロジー・変換がなかなか難しいんです.
けれども、ここまで完成度が高い文献だったらば、この異世界の紹介文から、現実の世界でも、アメリカでも日本でも自分の学校でも応用が可能だな~と思いました。
「幻想都市物語〈中世編〉」大変オススメです。
ライター:天邪鬼のシュンスケ

価格:月額 884円 / 年額 10,500円
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