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2013年10月13日

【悩みのるつぼ】働く意味がわかりません 回答編

るつぼタイトル

 『悩みのるつぼ』、今回は「働くことの意味に悩む大学生の男の子」からの相談です。

***************************** 相談 ******************************

 大学三年生の男子です。

 そろそろ就活が始まりますが、何のために就職して働いていくのかわかりません。


 僕は世間では高学歴と言われるような大学に通っていて、成績も悪くないので問題なく卒業できそうです。先輩たちは、普通に頑張っていれば良い会社に就職できています。

 大学の4年間は自由に遊べる時間が多いので、受験はそれを励みに頑張りました。しかし、社会人になったら約40年間も働き、平日は毎日自宅と会社の往復生活。仕事も大変そうで、休みも少ししかありません。

 家が裕福でなくニートはできません。生きていくために働かなければならないのはわかります。でも、何のためにそこまで大変な思いをして生きていかなければならないのですか。家族のために頑張って働いている人もいるでしょう。でも、僕はゲイです。恋愛を楽しむことはできても、結婚して家庭を築くことはできません。お金持ちになりたいという欲もありません。

 働きたくないのに、「御社が第一志望です」と嘘をつき、何十社もの採用試験を受ける。こんなのは序の口で、社会に出たらもっと汚いことがいっぱいあると思います。やりがいや目標などを考えずに、なるべく楽な仕事を選ぼうとするのも間違っているような気がします。働く意味、生きていく意味って何ですか。教えてください。


 ***************************** 回答****************************** 
 
 青春、という言葉があります。「大人になるかどうかで悩む時期」のことです。

 大人は汚いし、ずるい。大人になって仕事したり家族作ったりするのは損。

 でも大人にならなくちゃいけない気がする。どう考えても損だけど、みんなが言うから大人にならなくちゃ。

 いや、ずっと今のままじゃなにがイケナイの? 別にいいと思うんだけど、心の中の何かがダメって言う・・・

 こんな悩みが自分の中に生じてこない段階は「子ども」です。そして、こんな問題でいちいち本気で悩まなくなった状態を「大人」と言います。

「子ども」に戻れず、悩んでしまう。だからといって割り切って「大人」にもなれない。人によっては10年以上も続く。後戻りも割り切りもできず、一番しんどい時期です。

 そして、子どもから青春にシフトしちゃったら、もう後戻りはできません。

 社会にでる意味がわからない、と言いながら「家が裕福でなくニートはできない」と考えてしまうあなたは、もうシフトしてしまいました。こういう問題意識を持つこと自体が、すでに「子ども」じゃなくなっちゃった証拠です。

 なので、あとは二択しかありません。「青春を続ける」か「しぶしぶ大人になる」か、どっちかです。

 前者を選べば、まだ大人にならずにすみます。悩み続けながら、問題を先延ばしできます。大学を卒業せず院に行ったり、いまからどこか留学先を探すのも青春を続けるのに効果大です。

 後者を選んでも、すぐに割り切りはできません。「働く意味・人生の意味」に悩まなくなるのは、たぶん5年ぐらいかかるでしょう。

 この記事を読んでる朝日新聞の読者、つまり大人の人たちには、あなたの悩みは「青春あるある」です。

「そういうの自分も悩んだよな~。え? 答? う~ん、どうでもよくなっちゃった!アハハ」

 子どもから青春にシフトしたら、もう戻れないのと同様に、青春から大人にシフトしちゃったら、もう「悩めない」んですよ。

 だから回答者の私には、もうあなたの悩みは理解できなくなってしまいました。自分のことを思い出して苦笑いするだけです。アハハ。

 バカみたいですか? うん、辛かった時期をバカみたいに笑えるぐらいですね。大人の特権って。悩み飽きたら大人になって、いつの日かいっしょに苦笑いしましょう。

<<前回、「息子のツイッター見てしまう」はこちら 

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