副業でマンガを書く会社員・田中圭一氏の作った「ライブアニメ」とは、ひと言で言うと「生放送で、自分の代わりにアニメキャラを画面でしゃべらせる」システムだ。画面のボタンをタッチするだけで多彩なリアクションが用意されている。しかも自分の書いたキャラや動きが投稿可能だという。これならニコ生やyoutubeライブで顔出ししなくても、誰もが生放送できるようになるだろう。
2013/10/01日号掲載 しかし、目の前にいる温厚実直そのもののサラリーマンを信じていいんだろうか? だって彼が先日の夏コミケに出した同人誌なんかコレだよ?
しばらく考えてみたけど、やっぱりアリなんだよな、これも。「みんなのアニメ」というのは「みんなが見たいアニメ」じゃない。「みんなが作れるアニメ」のことだ。
このシステムだったら間違いなくアニメ作りの難易度は下がる。たぶん小学生でもできるようになるだろう。
でもなぁ・・・。問題は現行のライブアニメではユーザーによるキャラ登録や新OSへの対応などがされてないこと。田中さんの提案は「どうです岡田さん、面白そうでしょ?いっちょ出資しませんか?」という悪魔の囁きだ。
そう、まるで悪魔、「風立ちぬ」で二郎を悪夢の世界に誘うカプローニのようだ。
考えたり悩んでいたら、僕の頭のタガはどんどんゆるんできた。もうなんでもアリでいいじゃないの? マトモなちゃんとしたアニメ作ろうとしても、ジブリには勝てないし、深夜アニメのやたら絵の凝ったアニメには見劣りするよ。それよりも思い切って「なんでもアリ」を全面に出した方がいい。
いまピクシブに集まってるイメージボード、それこそ全部実現するような仕組みにしたい。「すごいイメージ」だけを実現化するんじゃなくってさ。
だとすると、どういう仕組みにすればいい?
まずやるべきは「外注はヤメ」だ。有名スタジオに発注して「ちゃんとしたアニメ作ってもらおう」と考えるのが間違い。それだったら僕やフリックスのメンバーでイチからアニメ手作りしたほうが正しい!
「ヘタでもいいから自由度を」という原則こそ守るべき唯一のルールじゃないの?
たとえば僕は毎月、大阪芸大の学生に授業をしている。だったらあいつらにも作らせればいいじゃん!内容は自由で構わない。でも、できるだけピクシブのイメージボードやサンプルストーリーを取り入れること!こんな条件でもアニメを作りたがる学生は多いだろう。だったら作ってもらえばいいよ。
もう一つ、僕はアニメ界に起こしたい革命があった。それは「声優の、声優による、声優のためのアニメ」だ。
説明するにはまず、深夜アニメ「悪の華」を解説しなくちゃいけない。
「悪の華」は絵柄と動きに最大の特徴があるアニメだ。ロトスコープという「実写で撮影した俳優を、そのままアニメ化する」技法で作られてる。絵柄はすごく面白い。新しいことに挑戦していて好きだ。でも、僕にはちょっと物足りないんだ。
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