新宿歌舞伎町の深夜喫茶で僕を待っていたのは、すごく温厚かつ誠実なサラリーマンだ。みてくれに騙されてはいけない。彼こそがあの田中圭一。「手塚治虫そっくりの絵で下品なパロディ」という不名誉な題材でメジャーになった男なのだ。
2013/09/24日号掲載 興味のある人は彼の名前でグーグル画像検索してみればいい。手塚治虫だけでなく、永井豪、本宮ひろ志、横山光輝、福本伸行や松本零士の画でとてつもなくお下劣な絵が見れるから。
小飼弾が「『みんなのアニメ』にいま、必要なのは田中さんですよ。あの『ライブアニメ』のいい加減さこそ、岡田斗司夫が学ぶべきポイントです!」と「弾言」するのでさっそく時間を作ってもらったわけ。
さっそく田中氏の開発したライブアニメを見せてもらった。
http://www.webtech.co.jp/liveanime/
ひと言で言うと「生放送で、自分の代わりにアニメキャラを画面でしゃべらせる」という仕組みだ。画面のボタンをタッチするだけで「頭をかく」「よろこびのリアクション」など多くの動きが可能になる。
「これってもしかして・・・?」
「はい、普通の人がニコニコ生放送やるためのツールです」と外見温厚中身鬼畜のマンガ家は語った。
ニコ生で自分の番組を放送する一般人、いわゆる『生主』には、顔や背景の部屋を見せたがらない人も多い。たしかに彼らには福音かも知れない。
「これ、実はキャラや動きをユーザーが登録できる仕組みなんですよ」
「ええっ!」
製品版には実装されていないけど、ライブアニメのキャラや動きは登録できる。つまりユーザーが自分で勝手にアヤ◯ミやワン◯ースのキャラに改造して、彼らに演技させるのも可能なわけ。もしこれにボイスチェンジ機能を搭載すると・・・オッサンがマイクにしゃべるだけで美少女キャラの声と絵が生配信されるわけだ。
「だからね、ア◯カでもエス◯ー魔美でも、どんなキャラにもどんなエッチなことでも言わせることができるし、生放送にコメントしてくるオタクどもの性欲を掻き立てることができるんです!」
ネカマなり放題。さすがにマンガ界随一の変態さんは考えることが違う。
ここまで聞いて、やっと小飼弾が推薦してきた理由がわかった。たしかにこのライブアニメの「簡単さ」はすごい。これなら小学生にでもいますぐ「自分だけのアニメ」が配信できる。まさに「みんなのアニメ」だ。
ただし、キャラの上半身がしゃべる以外のことはできない。だからホリエモンの見たい宇宙開発アニメには向いていない。
「残念ながらライブアニメの開発は途中で終わって、最新のOSやスマホに対応していないんです」
「え・・・?」
「岡田さん、これに出資して作りませんか?」
ややこしいことになってきたぞ。でも面白そう!!
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