僕とホリエモンが作るアニメ、それは「まるでレゴのようなアニメ」だ。
レゴはブルドーザーやお城のパッケージで売られている。中のパーツを全部使えば、誰にでもブルドーザーやお城が作れる。でもそれだけじゃない。お城を作らずに、別の自分の好きなものだって作れる。この自由度の高さと、「誰にでもできる」という敷居の低さがレゴの魅力だ。
2013/09/03日号掲載
同じく「みんなのアニメ(以下みんアニ)」は、いちおう完成品のアニメは支給される。しかしそれは「パッケージの見本」にすぎず、自分で好きなように映像や音声をバラして組み替えたりできる。ホリエモンの見たい「宇宙を目指す中年男の話」は、そのパッケージ見本になるわけだ。
それだけじゃない。「足りないパーツは自作可能」というのも、みんアニの特徴だ。数秒の映像や自分の声などの音声を投稿サイトからUPできて、誰でも利用可能になる。
まとめると、要点は二つ。
① 映像をカットごとに音と絵で分解可能。それぞれをバラバラに編集したり並べ替えたりできる。(レゴ化)
② 誰でも追加映像や音声が足せる。足したパーツはネットで共有でき、誰でも利用できる。
「そんなこと、本当にできるのかな?」
聞いていたホリエモンはいきなりパソコンを開いた。
「そんなことが可能なら、誰かやってるかも」「すでにあるサービスなら、提携も買収も可能でしょ?もちろん一番いいのは、無料で使用できることだけど」
つぶやきながら、ホリエモンは次々とアニメ制作サイトや映像加工サイトを探した。しかし世界中でこんなことやってる人や組織はいない。
「作らなきゃいけないかなぁ。大変だなぁ」
「なにが大変?」
「回線の問題なんですよ。数十分の映像をダウンロードさせて、自分のマシンで編集し、またアップロードさせる。
そんな環境持ってる人はごく少数でしょ?」
ため息をついたホリエモンは僕に尋ねた。
「このサービス、パソコンじゃ無くてスマホで利用できるようにしたいですよね?」
「え?僕はボーカロイドと同じようにパソコンでアプリ走らせると思ってたけど」
「それじゃつまんないし、広がらないですよ。僕はいま、なんでもiPhoneでやってます。逆に言うとiPhoneで
できないことはやりたくない。そういう人がこのアニメのユーザーであり視聴者でしょう」
「なるほど。じゃあスマホ対応にしよう!」
「そしたら、もっと不可能ですよね」
「え?」
「パソコンでさえデータのやりとりが大変なのに、スマホでアニメ一話分のデータをダウンロードして編集できないでしょ?」
まいった。その通りだ。
「でも僕は、スマホでやりたいな」
ホリエモンのワガママがはじまった。
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