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2013年07月15日

岡田斗司夫の近未来日記 263回「ホリエモン計画」2

45 ところがこれ、一部のアニメファンの怒りを買った。ホリエモンのツイートを「声優なんか必要ない」「カネさえ払えば俺のアニメに出演させてやる」と解釈しちゃったからだ。
またたくまにホリエモン発言は引用や解釈されまくり、ネットニュースやまとめサイトにでかでかと載った。ツイッターにはホリエモンや、悪知恵をつけた僕の悪口が溢れていった。
週間アスキー2013年7/23号掲載 
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 このアスキーが発売される7月1日は僕の55歳誕生日。お祝いのメッセージはgfg04070@nifty.comまでヨロシク。
 
 さて前回の続き「ホリエモンとアニメ作る計画」だけど、いま現在ツイッターを中心として大炎上の真っ最中だ。刑務所出てアニメ作ると発表したら即炎上。さすがホリエモン。

 経緯を説明すると、僕が作りたいアニメは「精鋭のプロが作る超一流のアニメ」じゃなくて「誰でも参加できる一・五流のアニメ」。プロ否定じゃなくて、プロにもアマチュア感覚で参加してもらえるのが理想だ。声優に関してもその考え方は貫きたい。だから「誰でも参加可能なオーディション形式にする」とyoutube映像http://goo.gl/BF7p9で発表した。

 

 それをホリエモンがツイッターでこうまとめちゃったから、さあ大変。
「で声優の話。岡田斗司夫さんによれば主役級は素人でも大丈夫、脇を実力派が固めれば。なので有料オーディションはアリ。こういう試みが拡がれば声優スクールに搾取されるモデルも改善されるでしょって話。俺にオファーくるのは話題性や存在感なんだろうね。所謂狭い世界でのスキルなんて考慮しない」

 引用された前半の僕の意見は訂正するつもりはない。「主役級は演技力よりもパーソナリティーや存在感」なのは事実だからだ。だからこそ、「ものすごく演技は上手いのに人気は低い実力派声優」が多いワケだよね。

 発言の後半部分も、言い方はいつものホリエモン節だけど趣旨には賛成。ジブリ映画では宮崎駿の声優嫌いが理由で俳優やタレント・文化人ばかりが起用される。最新作の『風立ちぬ』の主役なんてアニメ監督の庵野秀明!予告編見たら完全に「棒読み」だった(笑)。 ディズニーやハリウッドのアニメも専門の声優は使わない。

 つまり「主役級の演技に必要なのは存在感や強いキャラ、またはすごい演技力。専門化した声優的技量は必ずしも必須ではない」と僕は思う。

 ところがこれ、一部のアニメファンの怒りを買った。ホリエモンのツイートを「声優なんか必要ない」「カネさえ払えば俺のアニメに出演させてやる」と解釈しちゃったからだ。

 またたくまにホリエモン発言は引用や解釈されまくり、ネットニュースやまとめサイトにでかでかと載った。ツイッターにはホリエモンや、悪知恵をつけた僕の悪口が溢れていった。

「あ、こりゃアニメ業界からも反発くらうかな?」と思ったら、驚いたことに複数の会社から「ウチも参加させて欲しい」と打診が来ちゃった。

 どういうこと、これ?

 つまり同様の閉塞感というか、アニメの作り方や声優の在り方には、僕たちよりずっと先にアニメ制作現場の方が危機感を持っていた、ということらしい。

 毎週のように大事件や炎上が起きるアニメ制作なんて、いったいどうなっちゃうんだろう? この騒動以上に面白い「僕たちのアニメ」なんて、はたして制作可能なんだろうか? 次回こそ「炎上」以外のニュースをお届けしたいです。


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