FREEexなう。

2013年07月04日

【レポート】内田樹先生、日本を変えるにはどうしたらいいでしょうか?

内田内田 これ、どんなテーマでもかならず聞いてくるんです!! ただ、これは聞いちゃいけないと思うんですよ。
岡田 いちおうぼくらの本を読んでここに来てくれる人が聞いてくれた質問に、いきなり説教から始めなきゃいけない。
内田 こういう質問から選ぶってのも問題だよね。
岡田 あはははは! この質問した方いらっしゃいますか? 内田先生が直々に説教してくれます!!


******************************************************************
6/11(火)の夜、『評価と贈与の経済学』出版記念トークライブが開催されました。

哲学者の内田樹さんのファンと岡田斗司夫ファンが一堂に会してのイベント。
予想以上の人気のため、急遽、席数を倍にしての開催となりました。

共著をもとに参加者の質問に回答する形式で、笑いあり、深い話あり。
本に書いてあることも書いてないことも、縦横無尽に語り尽くしました。

ここではそのハイライトをどうぞ。

******************************************************************

内田 私の師匠のレヴィナス先生が言ってるんですけど、「子どもにステーキを食わせちゃいかん、子どもはミルクから」って。


岡田 はい。


内田 フランスのリセっていう高校の最終学年で文系も理系もみんな哲学が必修なんですね。それで、何年か前に哲学の必修をやめようという話があって、フランス中の哲学者がこぞって反対したんです。


岡田 はい。


内田 そしたら、レヴィナス先生が「哲学なんかやらなくていいよ」って言ったんですよ。


岡田 言っちゃったんですか!


内田 「高校生にはまだ早い!」って言ったんです。「子どもはミルク飲んでればいい」って。それがカッコいいなと思って。


岡田 いまの日本で、「だれにでもわかるはずだ」とか、「わかりにくい問題があるのはだれかが隠してるからだ」「本質は単純な問題なんだ」っていう言説があるけど、それと真逆ですよね?


内田 わからないよ、君たちには。


岡田 あははははは! これがよく言われる「内田樹の上から目線」ってやつですね!


内田 わからなくても順番に階段を上るように一つひとつやっていくとわかってくる。教育的な実践をして確信をもつと、平然と「できなくてもいいんだよ」って言えるようになる。わからなくてもいいよ。だんだんわかるようになるから。それでいいと思うんだけどね。


岡田 その意味では、何かわかって言えるようになるのは50を過ぎても60を過ぎてもかまわないわけですよね?


内田 60過ぎてから大人になった人を見たら、俺らけっこう感動すると思うよ。あいつ50のときはホントにガキだったけど、60越してから味が出てきたよねとか。


岡田 あはははは! 逆に、20代で賢い奴を見たら不安になっちゃいますよね?


内田 不安っていうか、絶対ダメだね。とくに20代で賢い奴ってのはほぼダメだね。


岡田 最近の若い人って、ぼくが20代、30代のときに会ってた同年代の奴より明らかに頭がいい。この前話した高木新平くんなんて、あんなに若いのに物わかりがよくて。ぼくは彼が心配で心配で・・・。


内田 それだけ社会が危機的になってて、成功のロールモデルがないから、クレバーで生き方もすごくシャープになってるんじゃないかな。


岡田 でも、40、50超えてどんでん返しが何回かあると面白いけど、そういう余地があるのか心配になっちゃうんです。・・・まあ、この話はいいです。というわけで、最初の質問「日本を変えるにはどうすればいいか?」の答え。
日本の問題はお前にはまだ早い!!


内田 はははははは!!




otakingex at 07:00コメント│ この記事をクリップ!

コメント一覧(新規コメント投稿は、上のFacebookソーシャルプラグインをお使いください)