注目型にとって、基本的欲求は「求められたい」「捨てられたくない」です。この欲求をいかに行動エネルギーに転化し、自分の人生を運営していくか。それがレベルアップ=進化への決め手です。
それでは最低レベル「泣き虫」から始まり、「ひょうきん者」「親分」「王様」と進化する、注目型の人生模様を観察しましょう。
☆注目型レベル1 泣き虫☆
最低レベルの注目型は「泣き虫」です。「ドラえもん」の、のび太がその典型。他の人が自分をバカにしたり、仲間外れにしたりすると泣いて悔しがります。そして、泣くことでドラえもんの同情をひいて、助けてもらおうとします。
すべてに感情が優先する注目型は、基本的に自分の感情エネルギーを利用して行動します。他人も、感情を動かすことで支配しようとします。そういった場合、最も簡単な感情表現が「泣く」という行為なのです。
注目型の幼児は、みんな泣き虫です。が、泣くこと一本槍では、好かれるどころか、すぐに相手にしてもらえなくなります。大人になっても、残念ながらこのレベルのままという人が、たまにいますよね。働きもせず飲んではメソメソして、毎日を他人からの同情目当てで生きているダメダメ君です。
☆注目型レベル2 ひょうきん者☆
さて、メソメソから抜け出した注目型は、今度は「ひょうきん者」に進化します。泣くことの次に分かりやすい感情は、笑いです。泣くことを我慢できるようになった注目型は、みんなに注目され、目立つこと。みんなを楽しませたり、笑わせることをしようと、一生懸命になります。
注目型の子供はたいてい、「泣き虫」と「ひょうきん者」の間をうろうろしています。大人になっても、「単に明るいひょうきんな人」という人も少なくありません。
☆注目型レベル3 親分☆
しかしその中でも能力が高く、欲求の大きい人は「親分」に進化します。どんな職場でも、何となくみんなから頼られる、いわゆる親分肌の人がいるものです。別に仕事の能力が高いわけでもなく、鋭い意見を言うわけでもない。いわゆる「できるヤツ」ではありません。
しかし他人の面倒見がよく、気配りが利いて、人気・人望の高い人。あるいはただ単に声がでかくて押しの強い、主のような人間。そういう人はたいてい、注目型の高レベル、「親分」なのです。
当然、より多くの人から慕われるのが、よりレベルの高い親分ということになります。このレベルに達すると、ひょうきん者の頃にはタブーだった「泣く」ことも、うまく使いこなせるようになります。愛する子分のために、みんなの前で涙を流すことは「人情味の厚い親分」ということで、子分達からより強い支持を受けることになるからです。
余談ですが、中小企業の社長や政治家にとって「人前で泣ける」というのは、とてつもない武器になります。このような巨大な感情の振幅を目の前でさらされると、冷静沈着な法則型以外の人間は、もうどうしていいのか分からずにオロオロしてしまうのですね。この虚を突くのが、注目型の政治学です。憶えておいて下さい。
☆究極の注目型 王様☆
では注目型の理想像は何でしょうか。それは、皆から愛され尊敬される「王様」ということになるでしょう。法王や江戸時代の将軍など、多くの人に尊敬される存在であること。神様のように敬われることが、注目型の理想像です。
競争に勝ち、能力で頂点に立つ「支配者」ではありません。自分の気分次第で一国の運命を決め、人民を支配し、それを自分の私有物として疑わず、残酷にかつ慈愛深く扱うもの、それは王のみに許された特権なのです。
一時のきまぐれに部下や家族を巻き込み、なおかつその上で「そんなあなたが好き」と言ってくれるのを熱望するタイプ。気まぐれに優しい態度をとって、そんな自分の慈悲深さに陶酔する、それが注目型の生きる道です。
注目型のあなた、頑張って下さい。