講義の中で、岡田は以下の業界が、1)から4)の順で縮小され、オワコンの道へと進むだろう、と予言しています。
1)大メーカー 2)金融 3)広告 4)大メディア
ハイライトでは、2)金融 を取り上げます。
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12/10(月)に、岡田斗司夫が慶應義塾大学で行った『慶應義塾大学國領研究会 特別講演会』。
一般公開なしで行われた講義ですが、特別にハイライトを少しだけお届けします。
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僕が滅びると思っている巨大ビジネスの一番が、大メーカー。
で、二番目は何か。
大メーカーには何が必要かというと、一瞬で商品を作って、世界中に運んで、世界中に売るためのお金が必要です。これがもういらなくなってきている。
つまり、金融が滅びると僕は思っています。
何か新しいことを始めるために、お金がかからなくなっているからです。
アイディアとネットワーク、関係性だけで、どんどん、ものが作れるようになってきています。
例えば、かつてだったらライブドアとか、今だったらGoogleとかラインでもどこでもいいんですけど、そういう企業を考えてみて下さい。
そういう大企業になりそうなベンチャー企業を、今たちあげるのに、最初に元手として数億円必要かというと、全然必要じゃないです。
だって、新しいビジネスを始めようとしている若い人たちは、そんなにお金を必要としてないんですもん。僕らが考えるような製品とかサービスというのには。
それよりはユーザーにどう知らせるのかとか、どういうふうに使ってもらうのか、の方が大事です。
じゃあ、それは宣伝費をかけたらユーザーっていうのは集まるのか。
そうじゃない、クチコミですよ、って言われたらますますお金が必要でなくなってくる。
そうなるとお金をどこに貸すのかが、全くわかんなくなってくる。
人にお金を貸すっていうようなことが難しくなってくる。
まず、大企業にとりあえず貸しときゃ安全だろうという、保険がなくなってきた。
だからと言って、次々と無数に生まれてくる、ちっちゃいビジネスプランを、一々その人にあって査定してたら、金融業界なんて成立しないんです
。
金融業界がなぜ、土地とかを担保にとりたがるのかというと、それが簡単だからです。
一つ一つのプロジェクトごとにもうかりそうかどうかを判断してたら、その判断にかかる経費の方が、利息というのをはるかに上回ってしまう。
金融で働いている人にも給料がいりますから、この人にお金を貸す、いくらぐらいお金を貸すかの決断にかかるコストというのは、そこから得られる利息より、絶対に低くなければダメなんです。でも、ビジネスが無数に生まれれば生まれるほど、彼らの決断にかかるコストと時間は無限大に近づいていって、やがてどんな金融機関もペイしなくなる。
これが、僕の読みです。