FREEexなう。

2012年05月31日

わかりあえるという幻想~4つの欲求による分断

5月の特集は呪いです。
最後にあたる今回は、
人間関係につきまとう呪い「人はわかりあえるのか」について、
“4タイプ”というツールから考えてみたいと思います。

   「話し合えばわかる」
  「人がわかりあうなんて不可能」
  

どちらにもうなずいてしまう経験がありませんか。

相手の対応に納得できない。
こちらが一生懸命説明したのにどうも反応が薄い。
生活の様々なタイミングで起こる他人とのズレや齟齬。

仕方のないことではありますが、
こういった疲労やイライラや納得のいかなさを、
少しは楽にできないものでしょうか。

「人類の苦痛の0.3%軽減」を目標とするFREEexでは、
この呪いに対する処方箋の一つがあります。
それが4タイプです。

4タイプは人間を欲求により分類します。
性格ではありません。
欲求の偏りは人格を構成する層の一つですが、
本能より表層に、
性格より下層に位置します。

人格の「模式図」公式ブログ用


キャラや見た目のような外面も、
行動や生い立ちや性格を含む内面も、
全てが欲求の偏りを土台とするものである。
という視点から考えてゆくのです。
“個体維持の仕掛け”である本能は人類共通ですので、
この欲求が個性のベースになっているとも言えます。

この欲求が異なると出来事に対する視点や対応が変わってきます。

その価値観は外交的か内向的か。
その考え方は具体的か抽象的か。


外交的・具体的=司令型 軍人
外交的・抽象的=注目型 王様
内向的・具体的=法則型 学者
内向的・抽象的=理想型 
職人
 ※太字がタイプ名です。
 ※※カッコ内は旧来のタイプ名で、
 『人生の取り扱い説明書』『恋愛の取説』ではこちらの表記となっています。

この4つのタイプによる異なった反応。
例えば、遅刻について。

平日の夕方に美容院に行ったところ、
店長しかいないということがありました。
色々話す中でバイトの子が遅刻したときの話を聞きました。
店長は言い訳を聞く時間が惜しいので、
すぐにでも作業に入って欲しいとのことでした。
とても驚きました。
私なら遅刻の理由を知りたいからです。
謝罪もそんなにしなくていいから、
何事もなかったように仕事していいとも聞き、
さらに驚きました。

余りにも違う価値観に驚いて、FREEexメンバーに聞いてみました。
こういうときにあなたならどう思いますかと。

店長の意見に賛成してくれたのは注目型です。

4つのタイプごとの反応はだいたい以下のようになりました。

注目型
・謝罪は一言でいい
自分も許されたい心理がある。
・言い訳は聞きたくない
そんなことをする時間が惜しい。
・怒らない
作業に入ってと言った段階でもう許している。

司令型
・謝罪は一言でいい
そのかわり仕事はいつもより頑張るくらいの姿勢が欲しい。
・言い訳はいらない
ただし関係先への説明が必要になったらきちんと対応して欲しい。
その場合のフォローはするつもり。
・怒らない
許す許さないは遅刻段階では問わない。結果を求める。

法則型
・謝罪で印象は変わらない
理由や頻度で評価を決めるので、謝罪だけでは許しに繋がらない。
・理由は聞きたい
その人の責任じゃなかったら気にしないが、
内容によってその人の評価が決定する。
・怒りはしない
ただし二度と一緒に仕事をしない可能性がある。

理想型
・謝罪はきちんとして欲しい
自分だけでなく、関わる人全体に対しその態度が欲しい。
・理由は聞きたい
納得できる理由なら許せるから。
・怒るかもしれない
なるべく怒りたくないので、
反省の意志の表明としての謝罪と理由が欲しい。

何か見えてきませんでしょうか。

・注目型は目の前の作業を進めたい
・司令型は結果が欲しい
・法則型は理由によってこれからの関係を決めたい
・理想型はその場をおさめる理由が欲しい


タイプごとの欲求がどのような形で現れるかの一例です。
何か面白そう、と思っていただけたらよいのですが。
自分のタイプが気になってきた、という方は判定テストをどうぞ。

面白そうなのでもっと知りたいという方は、
『人生の取り扱い説明書』をご覧ください。
岡田斗司夫の『SPA!』の連載をまとめたものです。

4タイプって、性格テストのようなものだと感じられるかもしれません。
確かにその側面はあります。
しかし伝えたいのは人はそれぞれ異なった存在であることです。

これまでの人生の出来事が、
現在のその人の価値観に影響を与えています。
そうして一人一人が違った個性を持っています。
そしてその個性の奥深くに、
人生のテーマとも言える欲求を抱えている存在だということ。
その場その場の判断は、
欲求に動かされていたかもしれないということ。

自分がどのようなテーマを持っているのか。
目の前の人や思い出の人が、
どういったテーマを持っていたのか。

人と人とはわかりあえないかもしれませんが、
どのように違うのかを想像することは出来ます。
わからなくても、
わかろうとすることで得るものや安心することがあります。
また、相手に伝わるような表現を選ぶことで、
安心や何かを与えられるかもしれません。

人との違いを意識して、
そうして自分も相手も少しでも楽になるといいな、という処方箋です。
どうぞご活用下さい。


各タイプの具体的な話をもっと知りたい方は、こちらもおススメです。
月刊「マキア・(集英社)」10月号岡田斗司夫インタビュー全文(1/4) 


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ライター:しおりのユキコ 






otakingex at 20:30コメント│ この記事をクリップ!
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