先日、「カンブリア宮殿」で「モクモクファーム」の特集を見ました。
「過疎の町に年間50万人50億円!奇跡の農業テーマパーク」
単なる観光農園ではない。
地元の農業を大切にする。そのよさを伝え、興味をもってもらう。
そのための農業体験であり、製造体験であり、試食や販売だ、と明確に位置づけされた経営方針が、次々と紹介されていきます。
そういう「評価経済的な価値観」をきちんと中心にすえた視点が、とてもおもしろかったです。
最近、こういう視点からの番組が増えた気がします。
おもしろいなと思うのは、こういう取り組み自体は、何年も十何年も前から始めている場合が多い、ということです。
それが、今になって、急に注目され、紹介され始めています。
「流行っている珍しい商売」を紹介する「基準」や「視点」が、評価経済的になってきているのだと思います。
同じFREEexメンバー、名古屋のマサヨシさんも
「モクモクファームの社長も村上龍氏も、評価経済社会というものをそれほど深くは意識していない。にもかかわらず、視聴者には評価経済社会として受け取れる」という点に注目していました。
パラダイムが、「評価経済社会」へと、着実にシフトしつつある。
そう感じられるできごとでした。
今や、誰の目にもみえるようになってきた「評価経済社会」への移行。
それを最初に提示したのが、『ぼくたちの洗脳社会』です。
岡田斗司夫の作家デビュー作であるこの本は、1995年に発行されています。
ネットと言っても、Google検索もなく、Niftyサーブの掲示板が最先端だった時代です。
その16年後の昨年、リライト版が「『評価経済社会 ぼくらは世界の変わり目に立ち会っている』 」として再び、世に問われました。
「評価経済社会」まえがきより
本書の旧版は、一九八五年、今から16年前に『僕たちの洗脳社会』というタイトルで出版されました。東京大学のゼミで講義をしていた時、突然おりてきた着想をヒントに、一気に書き上げたものです。
朝日新聞社より発売された旧版は、十万部近い”隠れたベストセラー”になりました。
しかし16年前、日本でインターネットを使いこなしている人はほとんどいませんでした。そのため、「ネット社会においての未来」という私の予言は、一部の人を除いて、さっぱり信じてもらえませんでした。
未来?そんなに変わるわけはない。
社会の価値観そのものが変わるなんてありえない。
万が一、社会変化が来るとしても、数十年も先になるはずだ。
そう思われていたのです。
が、現在の時点で振り返ってみると、「社会はこうなる」という旧版の予言は、ほぼ現実になっています。記録用に旧版の内容そのものをネット上に保存し、ノーカットで誰でも読めるようにしていますので、興味のある方は私の公式サイトで読んでみてください。
というわけで、16年前に書いた予言書が、具体的な言葉、当時は存在しなかった用語をあてはめるだけで、現実社会の解説書になってしまったのです。
このまえがきがそえられている『評価経済社会』が出版されて1年、今や「評価経済」は最も注目される最新の用語になりつつあります。
それは、「僕らは評価経済の高度成長期に入った」 週刊東洋経済インタビュー ノーカット版掲載!で紹介したインタビュー記事が大注目を浴びていることでも、証明されています。
20年近く前に予言された「歴史的なパラダイムシフト」が、経済や政治、仕事、趣味、教育・・・あらゆる位相を塗り替え始めています。
誰もが、日々、実感せざるをえないほどの変化は、人々をとまどわせ、不安にさせています。
そんな今だからこそ、20年前に書かれた予言書をひもとく時なのかもしれません。
そこに書かれた具体例は驚くほど古いのに、語られる理論は驚くほど新しい。
提示される未来の方向は、今や誰もが納得せざるをえないものです。
最後に、ネットから少し、過去の書評を拾ってみましょう。
皆さまの良き道しるべになれば、と思います。
【レビュー紹介】
明確・鮮烈な未来像を掲示する希有な本, 2002/8/1
By カスタマー
この本が書かれた当時、果たしてどれだけの人が
今のインターネット文化や社会、事件を予測しえていただろうか?
いまだにこの本を超えるほど明確な、そして根拠ある
未来像、近未来社会を掲示した本に出会ったことがない。
私の中で今後の日本の社会、将来、未来を語る上で根幹となる本。
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1995年に書かれた本に評判経済につながる発想が記述されているのは驚きだ, 2010/9/14
By にゃんたこす
この本が書かれたのは1995年なのですが、2010年現在に書かれたといわれてもあまり違和感がありません。その上で、もう少し未来の姿を展望しています。
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高らかに歌え、ニュー・パラダイム, 2008/5/13
By テット
10年以上経った現在、その慧眼の精度の高さには今さらのように舌を巻く。
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今でも新しい「変わる世界論」, 2007/10/28
By ぷりうす
このような現状を考えるとき、岡田が10年以上前に予言した洗脳社会化の考え方の妥当性に驚く。この考え方の枠組みは今でも十分説得力を持つものだ。
最近の岡田の著作に影響を受けた方は、是非本書を読んでみてほしい。時代を読み解く上で今でも有効な本。
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的中率100%の予測本, 2010/10/16
By ちぇん
一言で言えば、ヤヴァイ本。
死ぬまでの間に5冊だけ本を選べと言われたら確実にその1冊に入る。
時代の目撃者になれるかも知れない。
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ブクログ せつこさんのレビュー .2012-03-24
10年以上も前に書かれたと思えないほど、「いま」と「これから」をズバリと示している。
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ぼくたちの洗脳社会 電子出版
ライター:のぞき見のミホコ