FREEexなう。

2011年04月29日

クラウド通信「スマートカフェとは?」

 クラウドシティに書いている日記で、一般に公開しても大丈夫なネタを時々公開します。
 これは最近連続でやっているイベント「ワールドカフェ」について、僕の考えを述べたもの。初出は4月22日(金)です。
http://www.facebook.com/event.php?eid=168006636584885


**********************本文開始**********************

 いまやってるワールドカフェのイベントは、来るべき「スマートカフェ」の開発期間なんだよね。

 ワールドカフェ以外に,同様の対話・会議法としては、OST(オープンスペース・テクノロジー)やプロアクション・カフェなどが知られている。
 各手法はそれぞれなりの位置づけがある。

●ワールドカフェ・・・3時間程度・対話向け。結論が出ないので、終わった後で「で、なんだっけ?」になりやすい。

●OST・・・2~3日必要・会議向け。結論どころか実行スケジュールまで手渡されてしまうので、「その場の解決策」に注意が逸れる。

●プロアクションカフェ・・・ネットで調べても「ワールドカフェとOSTの中間」としか出てこない。いまのところアイマイでこれという定義がない。

 岡田斗司夫オリジナルの「スマートカフェ」は、スマートノートや「問題発見と解決の技法」をベースにしている。
 「問題発見と解決の技法」とは大阪芸大での上級生向けの僕の講義。問題の解決を目指すのではなく、ポイント発見と掘り下げに労力を使おう、という思考法。この実践版が朝日新聞連載の「悩みのるつぼ」だ。
 
1.問題がある→それは「なぜ」発生するのか?「なぜ」私にとって不快なのか?
2.「なぜ」の理由→上の「なぜ」が発生するのは固有の「事情」があるはず。理由と事情を列記する。
3.肯定と舵取り→「理由と事情」を否定せずに受けいれる。解決を考えず、より「理由と事情」が上手くまとまるように方向付ける。
4.発見→ポン、と解決法または「次の一手」が降りてくる。降りてくるまで問題は棚上げするが、だいたい1~3を充分にやれば大丈夫。


 4/3にやったワールドカフェは、実は以上のプロセスを踏んでいる。
 スマートノートに例えれば、こんな感じかな?

右ページ:自己紹介=スマートノート・フェーズ1と2
 →問題の列記→なぜ?の掘り下げ
 →問題の抽象化(キーワード化)=スマートノート・フェーズ3
 →左ページへ

左ページ:模造紙に書いた思考過程を見る・見せる=スマートノート・フェーズ4
 →無責任な視点からの発想=スマートノート・フェーズ5
 →問題そのものの相対化
 →主体化1(「引き受ける」「応援する」「忘れる」のチョイス)=スマートノート・フェーズ6
 →主体化2「宣言」=スマートノート・フェーズ7

 イベントで、左右のポストボード(ポストイットを貼ったボード)は思考過程、すなわちノートの中身をあらわしている。
 正面のポストボードは結論や宣言という「ハッピーエンド」をあらわしている。
 ハッピーエンドそのものには、実はさほど重大な意味はない。
 これは「今日の結論」に過ぎないから。大事なのは、その「今日の結論」を得られたという達成感と、そのプロセスを「人と共有しながらも、自分で得た」という自覚。
 つまりポイントは「過程そのもの」、こういう考え方をするという訓練そのものだ。

 スマートカフェはスマートノートの思考法を使った集団思考メソッド。
 その手法としてコミュニケーション&悩み解決というプロセスを使う。
 目的は「悩み解決」ではなく「悩みによる苦痛軽減」と「”悩みがあっても大丈夫な私”になるための見識養成」にある。

 だから本当はワールドカフェ」じゃなくて「スマートカフェ」に名称変更したいんだよね。
 だってワールドカフェって略称がWCだから、使いにくいじゃない?(笑)

 でも今のところは「岡田斗司夫のイベントに参加したらワールドカフェの開催法まで学べるよ!」もウリだから、しばらくは名称はそのままにします。
 ワールドカフェの手法や技術が学べる、というのは本当なんだ。僕自身、かなりの数のワールドカフェに参加したし、ファシリテーター養成講座にもちゃんと通った。
 だからイベントの宣伝も「岡田斗司夫からワールドカフェを学ぼう!」「ちゃんとしたセミナーに行ったら一回何万円もするけど、ここなら3000円~5000円で直に岡田斗司夫から学べちゃうよ」でいいのかも。

 参加者にはなにかIDを発行して「スマートカフェ・ファシリテーター段位」みたいなのを認定するのも将来的にはアリかもしれないなぁ。







okada_toshio at 10:26コメント│ この記事をクリップ!
代表日記 

コメント一覧(新規コメント投稿は、上のFacebookソーシャルプラグインをお使いください)