2011/3/22 週刊SPA!の特集「アナタの[人間プライス]を査定する」で岡田斗司夫がインタビューされました。その取材内容のノーカット版です。
音声はhttp://go.otaking-ex.com/w88u1AAH
※取材は3/7に行われました。
当日の取材の様子
SPA:
今回は色んなジャンルで…ビジネスですとか、今で言ったらデジタルコミュニケーション力ですとか、あとは男性独身からのモテの分野、このあたりでさまざま
な識者の方に聞いて、例えばビジネスでこれだけのスキルがあると市場価値がありますとか、モテの分野ではこれだけやっていくとモテますよ、というような
様々な分野で査定を付けてるという特集で、今回岡田さんにお伺いしたいのは、今の時代、色んなところでこうしなければならない。ああしなければならない、
見えない圧力がかかっている中で果たして我々はどこに重点を置いて生きればいいのか?というようなお話をお伺いできれば。
岡田:基本的に仕事でも恋愛でも同じだと思うんですが、人間は「量産品のブランド物」か「一点物の中古品」かに分かれると思うんです。
「量産品のブランド
物」というのは超一流のスペックを持ってる場合です。すごくいい大学を出てるだとか、めちゃくちゃいい男であるとか、凄い美人だとか、親が超金持ちだと
か、これらはいわゆる「ブランド」ですね。この場合、中身が無くてもかまいません!
SPA:ほぉ~
岡田:全くいい!無ければ無いほどいい!個性が強い皇族なんて嫌でしょう?
SPA:ああ~
岡田:こんなの掲載できませんね。すいませんw
SPA:えへへへ
岡田:超一流のスポーツ選手は人格が普通の方がいいんですよ。普通の人はそうじゃないので、そこにのぼろうとしてみんな苦労しちゃう。
それ以外の人は、みんなビンテージ物の一点物ばっかりなんです。僕,中古のおもちゃとか集めたから分かるんですけど、ビンテージ物というのはですね、一個しか残ってないとか、
この世の中に何個しかないから、一人とか二人とか買い手がいると成立しちゃうんですよ。
ブランド物の量産品とかですけど、東大で出てるとかMBAの資格
持ってるとか、超高級のスペックをもってる人間とかいるんですよ。そういう人間であれば逆にそっから先はどっかの力を伸ばすってことを考えずに.そこそこ
好かれる人間であれば、超一流のスペックという部分だけで、いわゆる「エルメスなんだけど使いやすい」になった瞬間に売れるわけです。
超一流のスペックを
持ってる人は、好かれることだけを考えていればいい。逆に超一流のスペックを鼻にかけて嫌われるようなことをすれば、そこまで上がっている値打ちが裏返っ
ちゃうから損なんです。
そうでなくて、世の中の99%の一点物の人ですね。その人一人しかいないという場合は、あんまりスキル伸ばすとかやってもしょうが
ないと思うんです。
というのは、雇う側の人はたまたまこんな人が欲しいとか、もしくは女の子が私はこういう男が好きだというのに会わなければ、世の中の大
多数の人に好かれるようにスペックを上げていっても、もしくは大多数の会社で必要とされている…これから必要とされるであろうスキルを伸ばそうとしても、
そこには凄い競争が発生しちゃうんですよ。
SPA:確かに。
岡田:ネットワーク時代っていうのは何かっていうとですね、ハイパー情報時代っていう風にいってるんですけど。
ハイパー情報時代というのがそれまでと何が違
うのかといいますと、これまで例えば企業の求人とかだと、1つの求人に対して10人20人ときたわけです。競争率10倍20倍だったわけですど、これから
は世界中どこででも在宅でその企業に対して就職できて働けると…言語の壁もどんどんなくなりつつある。
そうなると一つの雇用に対して、募集が1億人来る世
界がやって来るわけです。これがこれまでと全く違う。
SPA:そうですね。
岡田:ということは、多少スキルを磨いて自分の順位が世界中で見て400万番だとしますよ。それが凄くがんばって380万番になっても全く意味が無いんです
よ。
誰もが入りたがるような…去年までグーグル,今年Facebookみたいな企業は、1億人就職したがってるわけですよ。そこに対して入ろうと思ってス
キル磨いても無駄。
日本で凄い人気のあるテレビ局とかでいっても、入りたがる人って数十万にいるわけです。そこでスキルを磨いて順位を100番、200番
上げてどんな意味があるのか。だから、それはあまり考えない方がいいと思う。
それよりはヴィンテージ物なんですから、特定の自分だけを必要としてくれるよ
うな、特定の場所に行った方がいい。実はそれは地域なんじゃないかと。
SPA:地域?
岡田:はい、近所。
SPA:近所…それは都心ではなくて?
岡田:都心に住んでる人は都心だし、都心で働きたい人は都心に行くしかない。近場で探すのが一番いいですね。
その近場というのは地縁みたいなものもあるし、
人脈みたいなものもあるんですけど。結局、人を採用するところは周りの意見を聞いて採用するんですね。
女の子とか男の子とかもそうなんですけど、周りの自
分の友達からどう見えるかによって、彼氏・彼女にしたりするのを決めるわけですから、そのグループの中に入っていかないとしょうがないんですね。
だから能力を磨いたりして入るという正面口はもう既に競争率が高すぎるので、横口ということはないんですけれども、常にその人の人脈・地脈みたいなものから入るこ
とを考えるのが現実的だと思います。
…というのが、まず概論なんですけれども。どんな特集なのですか?
SPA:
もうざっくりと「査定」なので、いろんな識者の方にお話を聞いて…
でも、あんまり実は…査定をしたがる方は、現実に今いないんですね。時代ににそぐわない
と言われているんですね。だから今はこういう世の中だから、例えば一昔前でしたら「社労士の資格を取りなさい」という話があったんですけども、今は社労士
なんか誰もお仕事がなくて。そういう事実があるので、例えば岡田さんの本にも書かれていたと思うんですけど、2年前にいろんなビジネス書が発行されてどん
どん陳腐化している中で「今これがなきゃいけないんです」とは言えない。「こういう人が市場価値がある」というのは言えない、というふうに言われている…
岡田:まずは今年ぐらいだったら通用するワイルドカードはfacebookです。facebookで実名登録しちゃうことです。たぶん何をするよりも効率がいいと思いますよ。
SPA:えっ!そうなんですか?
岡田:はい。というのは、今、著名人ほどfacebookに登録しているのです。何でかというと既にもう実名がさらされているから。
SPA:あー、そうですね。
岡田:彼らが付き合うのはどういう人かと言うと、同じく実名をさらしているヤツだけなんです。
企業のトップとかも、アメリカの企業のトップとかも
facebookで実名をさらしてますよね。何でかというと、彼らはもう実名をさらしているからです。彼らが付き合うのはやっぱり安心して実名をさらして
いるやつらだけなんです。
ということは、実名さらしている者同士のクラスターというか塊ができつつある。既にアメリカでは採用のときはfacebookを
見るわけ。そうしたらその人が過去に何をやっているかざっと一覧で見れる。
それが怖くてみんなfacebookに登録できないという日本人が多いんですけ
ども。逆に言えば、人事の人間は絶対facebook見ますよ。そうすると登録していないということは「あっ、登録していないから安全だ」と考えずに
「あー、登録できないことやってんだな」と考える。
SPA:あー!逆に!
岡田:日本はこれまでネットに名前を出すことの危険性を宣伝しすぎたのです。
SPA:そうですね。
岡田:でも結局、企業人事というのは採用の側、それを調べるのに膨大なコストをかけているわけですね。このコストを下げる方法って簡単で、facebookに登録しているヤツだけを雇うことなんです。
SPA:そこでフィルターが、まず…
岡田:はい。なので、まだ今年有効な手は、例えば恋愛に関してもおそらく、その人がfacebookに実名をさらしていたら二股をかけていないのは確実です。
SPA:あー、w。逆に登録をしている方が本当に裏表なくと言うか…
岡
田:はい、そうですね。裏表がもしあってもその裏表も一応そのカードをオープンにしているわけですね。「こんな趣味も実はあるんだよ」とわかっているよう
になっているから安全なのです。僕はそんなに流行ものは好きじゃないんですけども、facebookだけは有利になるなと思う。
SPA:facebookにピンときてない方が多くて、まだミクシイみたいなクローズの方が安全だと思ってる…
岡田:逆ですね。匿名の方が安全だと思ってるでしょう。
SPA:そうですねぇ。
岡田:逆。実名で顔を出している人の方が安全。
「実名で顔を出すこと」は安全じゃないです。
でも「実名で顔を出している人」は安全なんです。
そういう人たちのグループがどんどん増えていって、その中に入れるか入れないかで社会階層が分かれちゃう。
SPA:えぇー…
岡田:これから先、どうしても名前出したくない人は損をすることになると思うんですよね。なんでそうなのかと言われると、断片的なことしか言えないんですが、こっちの話をしていくと、どんどんズレていくので…
SPA:まあ、そういう世の中になっているよ、という話ですね。
岡田:顔や名前をださないと不利になる。そういうの「評価経済社会」と呼んでいるんですけど。
かつてのマネー経済社会というのが効果よくない。お金をいっぱ
い持ってても、そんなにいいことが起こらない。それよりは評価高いほうがいい。
匿名でやってることは、アンダーグラウンドマネーを貯め込んでいるだけで、
それは現実世界で使えないお金なんですね。それら全てをオープンにしたほうが自分の評価があがる。
アンダーグラウンドで悪いことやるっていうのは、あきら
めたほうがいいですけどね。僕らがネットが怖い理由は、どこで悪いことやってる人がいるかわからないってことで、実名をさらすネットワークに来てしまえ
ば、そういう人がいないってことになりますから。そこで安心なんですよ。
SPA:悪用されることもなかったら安心?
岡田:悪用ですか…どんなことが悪用なんですか?
facebookはいま8億人って言ってますよね。8億人の顔をさらして、あれをどう悪用するんですか?悪用しようがないですよ。
SPA:と、いわれてみると、そうですね…
岡田:8億人素材があるのに、だれも悪用していないでしょう?
SPA:ああ~たしかに…
岡田:あれは、気のせいだとw。悪用は気のせいだと思いますね。そうじゃなきゃ、8億人が先にエラい目にあってるはずですから。
SPA:私もまだピンときてないんですけど。facebookに登録はしているんですけども、ミクシイのようにガツンと活用しきれてない…
岡田:あれは何に使うのかよくわからないところが悪いところで。また大幅に仕様がまた変わるみたいですから。登録しているがどうかが評価があがる鍵ではないかと思いますけど。それ以外に査定となりますと、査定基準がみんなわからない。
SPA:そうなんですよ。
岡田:このあいだ、京大で入試問題のカンニング事件があったけれども、試験みたいなものが通用しないわけですよね。で、試しに雇ってみても、3ヶ月くらいは頑張っていい子になるんですけども、本格採用した瞬間に心がポキッと折れちゃうからw
SPA:ああ~試験まではだれもがクリアする。
岡田:これまで他にどういう査定の人を取材されたんですか?
SPA:査定して頂いた方は…マイニュースジャパンの渡邊正裕さんとか…
岡田:はいはいはい、ビジネススキル、デジタルコミュニケーション、マネー、ファッション、身だしなみ、モテ力…うーん。
SPA:ここらへんを押さえればいいかなと思いつつも、全部網羅してる方なんていないですね。どこに重点を置けば良いのかっていう… まとめ的に…お伺い出来ればなと。
岡田:うーん、ビジネススキルでいうとですね、これからはホントに仕事減るんでですね。
SPA:あのやっぱり仕事に時間をかけるという時代ではない…
岡
田:ないし、仕事自体の数も減るのでですね、中国バブルもはじけると、大前研一も言ってますからね、こりゃはじけるんでしょう(笑)
で、僕らは就職してる
のが当たり前で、就職してないヤツがダメと思ってる世界がですね、ゆっくりと崩れてですね「就職してるなんて!なんてお前運がいいヤツだ!」っていうよう
な世界にもうなっていく。
SPA:運がいい?
岡田:はい。
SPA:じゃ、就職している人が有利性があるっていうこと?
岡田:有利性っていうかですね、「ホントお前は運がいいね」ってぐらいの感じですね。でもその就職も、どんな企業も15年持たなくなりますから(笑)
SPA:やっぱりそうなんですね!それおっしゃってる方いました。今、勤めている会社が5年、10年あると思うなよっていう風な…
岡田:なので、生涯で5回くらいの転職はもうあたりまえの時代なんですね。
SPA:ああ、そうですね。
岡田:なので、ビジネスを考えるときに、かつては恋愛は生涯で一回でいい時代があったわけですよね。
恋愛一回して結婚するというのが当たり前の時代があっ
て、一回目の結婚に失敗したらキズものといわれた時代があったわけじゃないですか。それを私たちは過去のものとしてきてると。
となるとですね、一回の就職
でとかもしくは、会社にリストラされたら次の就職で失敗しないように考えるのではもうダメなんですよ。基本的に「今、フリーなんだけど、今、付き合ってる」くらいの感覚で「今、フリーだけど、今、仕事ある」ぐらい、この差ですね。
SPA:あっ、なるほど。
岡田:「生涯の半分は失業」だとみんな思うのがいいと思います。
SPA:はああーっ
岡田:そう考えるとラクなんですよ。失業半分!
SPA:ちなみに15年くらいで会社が潰れるかもっていうので、15年という数字はどうして15年なんですか。
岡田:15年というのはですね、よくビジネス業界で言うんですけど、上場してない企業含めて、倒産件数と企業の設立件数とを比べたら、ドンドンドンドン短くなって来ています。僕の子供の頃、企業の寿命って50年と言われたのが、2000年越えたときに25年って言われて、ここんとこしばらく15年って言われ
てる。
SPA:へぇーっ
岡田:でも15年っていうのは全ての産業を通じてですから、大企業含めてなんですよ。ライオンとかキリンとかサントリーとかああいうの含めて15年ですから、じつはもっと短い。
SPA:もっと短い!ほとんどの人がいる会社はもっと…
岡田:多分10年くらい。
SPA:はぁぁぁぁ…そこの心構えですよね。を、今のうちに付けておかないと…
岡
田:じゃあ、企業が15年持つとしたら、15年間フルでいるわけではないわけですよね。自分が入ったときには設立5年くらい経ってるはずだし。最後の2年
くらいにいたら災難ですよ(笑)で、やっぱり10年くらいになるわけですよね。
なので、入っては辞め、入っては辞め、ていうような社会になっていく、で自
分も生涯で仕事してない無職の期間ていうのが半分くらいあるだろうと。そのような時代でどのような人材が評価されるのかというと、どこにいても好かれるヤ
ツですね。能力じゃなくて人格ですよ。ホントにハッキリ。そりゃ、SPA!さんでも何回も特集されてる「愛されるバカ」の方が絶対に有利ですよ!
SPA:ああ~っ!
岡田:で、そうじゃなくて、「オレは有能になりたい!」っていう人は、もう雇われる事考えるのやめて、人を雇う事を考えた方がいい。
SPA:ああ、有能になりたければ
岡
田:有能であると自分で思うんだったらば、どうやったら人にお金をあげれるんだろうか、仕事を与えられるんだろうかって発想した方がいいし、「そうじゃな
くて僕は仕事が欲しいんだ!」って思うんだったら、もう、能力磨かなくてもいいから、字がキレイとかですね、笑顔が素敵のほうが、100倍役に立ちます。
SPA:へぇーっすごい、それはショッキングです。
岡
田:あらゆる企業は伸びていく時期と縮む時期があるわけですね。縮む時期にどいつから切っていくかというと、仕事出来てイヤなヤツと、仕事あんまり出来な
いんだけどいいヤツだったら、絶対仕事出来るけどイヤなヤツ切るんですよ。
なんでかというと、仕事出来るヤツの仕事って、そいつでなくても構わないからで
すね。そいつがやってる仕事というのはちょっと仕事出来ないけども、いいヤツ3人掛かりだったらできるですね。
そしたらこの3人残してやなヤツを切った方
が社内は平和じゃないですか。あらゆる経営者はやっぱり平和を望むんですよ。やなヤツだけ残して、もう一回やり直そうなんて、そんな経営者いないですよ
(笑)そんな根性のある経営者。
SPA:そういう経営者(やなヤツを残す経営者)から淘汰されるんでしょうね。きっと。
岡田:次、デジタルコミュニケーション力に関しては、これは日々変わっちゃうんでですね。
SPA:そうですね、追いていけないですね、もう。
岡
田:facebookの仕様がこんなにコロコロ変わってるんですね、来年とか再来年にはもう何を追っていいのかわからない。ですから、このデジタルコミュ
ニケーション力に関してではですね、普通の事が出来てりゃもうそこで十分だし、逆に言えばですね、デジタルコミュニケーション力を持っている友達が何人いるかなんですよ。ここもやっぱり人格力になります(笑)
ぶっちゃけ、自分が困ったときに助けてくれる友達が何人いるのかっていうこと。だから
facebookとかいいと思うのはそこですよ。それぞれの力を自分がつけようと思ったら大変なんですよ。
SPA:そうですよね
岡田:なので、ビジネススキル、デジタルコミュニケーション力、マネー、モテ力、ファッション、身だしなみの、友達がひとりずついた方が、絶対いいんです!
SPA:あああああ~っ!各分野に一人づつくらい。
岡田:はい、これまで人間ていうのは、自分の脳内にこれらのカードを揃えようとしていたんですけれども、これからはですね、これをアウトソーシングして外部に出してw、こういうのに関してお金を使わずに相談出来る友達が何人いるかですね。
SPA:ほお~
岡田:サロンの有用性っていうふうに言ってるんですけど、こういう人らがいるようなサロンとか、もしくはサークルみたいなところに出入り出来る事の方が大事。
SPA:なんかIT化って言われると、徐々に人とのコミュニケーションがドンドン薄くなってくんじゃないかってふうに思ってしまうものですけど…
岡
田:ITはね、逆に言えば、礼儀の世界だと思いますよ。あの世界って連絡が頻繁になるから、不義理すると、はじかれるんですよね。思いやりが無いと、やっ
ぱ嫌がられる。メールの中で用件だけ書いているような人っていうのはやっぱり嫌がられますよ。
そうじゃなくて、ちゃんと挨拶とか出来るというのはですね、
メールとかの方が問われるし…だって僕、娘からのメールがなんかこう、ハートとかついてるんですよ。それを付けて返さないと怒られるんですよ。
SPA:あああ~w
岡田:「父のメールには人の心がない」って言われてw
SPA:そうなんですね
岡田:デジタルコミュニケーションの中の思いやりとか、そっちの方がかなり要求されるので、これもね、相談出来る友達がいないとキツいですね。
SPA:
そうなんですよね、だから今まではホントにEメールにしても、携帯電話にしても、わりとテレビからとか自分が意識してなくても入って来て、当たり前のよう
に持つようになってきたんですけど、最近のツイッターにしてもfacebookにしても、なんか自分から能動的にやろうと思わないとドンドン取り残されて
いくような気がします。
岡田:やり方がまったくわからないツールが氾濫してますね。
SPA:そうなんですよ。それで結構、「情弱」っていう言葉があるように、自分は「情弱」なんだと思ってる人もやっぱり多いじゃないかなあと。
岡田:なるほど、たしかにそうですよね。能動的にやる気になるって、ネットみたいな巨大なものを相手にしてるとですね、どうしてもやる気出ないんです。
SPA:そうなんですよね。
岡田:たとえツイッターやってる人が何千万人いようと、自分がつぶやいても5人しか聞いてくれないとかですね(笑)フォロワー一人しかいないとかあるじゃないですか。「そんな世界でどうやって生きていきゃいいの?」っていうふうになっちゃうんですよね。
SPA:うーん
岡田:それってデジタルコミュニケーション力じゃなくて、ホントに人間力の、というか人格の方の力になっちゃうんで、やっぱ地域は大事だと思うw。ご近所様をフォローするしか無いと思うんですよね(笑)
SPA:会った事も無いような偉い人フォローするより…
岡田:うーん…それは消費者の立場になるっていう事ですからね。
ツイッターで言うとフォロー数何万人という人がいますよね。そういうような人を自分もフォ
ローしてその人の発言が来て、自分のフォローしてる人に流そうとする。ここの問屋さんを入れる必要ないわけです。
末端消費者が直で仕入れた方が安値なわ
け、面倒くさくないわけだから、有名な人にはドンドンフォローが増えて、有名でない人は全くフォロワーが増えない。たまになんか面白いニュース見つけてき
たら、次の人がそのニュースの出所知ってるから、そこに直で行っちゃいますよね。だから産地直産ばっかりになっちゃって、お店が成立しない。
いわゆる
デジタル世界で書店が潰れてアマゾンが栄える法則が、ツイッターでもあるわけですよね。で、そんな中でどうすればいいのかっていうと、それは他店ではない
品揃えをやるしかないわけですから、ネット以外のところで情報を仕入れて自分で発信するとか、そんなことしかない。
SPA:そうですよね。同じところで勝負しようとしても…
岡
田:あのね、facebookがツイッターより有利だと思うのは、ツイッターがテキストの世界だとしたら、facebookって写真の世界と言われている
んですよ。写真見せてナンボなんですね。で、写真だったらどんな人でも他人と違うこといえるんですよ。だから、「雪が降ったよ」だけだったら、なんにも
フォロー無いんですけども、雪ふった景色一枚撮って上げれば、まだみんなですねイイネとか言ってくれる。だからちょっと気が楽っていうかね。
SPA:イイネって機能はホント気が楽ですね。
岡
田:気が楽。だからデジタルコミュニケーション力が不安だったらば、フェイスブックの方がまだ向いてると思います。で、そこから先になってくると、もうホ
ントに詳しい友達を何人作れるのかっていうのが大きいなあ。マネーはね…この間銀行でですね、会社作ったとき口座作ってですね「利子がある口座にします
か?、利子が無い口座にしますか?」って聞かれてですね…
SPA:聞かれるんですか?
岡
田:聞かれますね。で、利子がある口座は、元金保証がされませんと、一千万までしか。銀行が破綻した場合。で、利子が無い口座は銀行が破綻した場合、最後
まで元金保証されます。「利子がある口座いくらなんですか?」っていったら「0.02%です」w「一億預けると、年2万円の金利ですね」「そうですね」
「一億で2万か…利子要りません!」w
SPA:そうですよねw
岡田:利子要りませんという事は、つまり「アンタのところの銀行の危険率は、オマエのところの利子率より高いよね」っていうことなんですよね、破綻率、それを銀行が認めてるってことでw
SPA:そうですよねw
岡田:そんな社会でですね、金利が0.02%しか付かない社会でですね、お金を考えても仕方がないとw
SPA:
どうなんでしょう。どういう生き方を考えて…だからまあ、ファイナンシャル・プランナー的な言い方すると、やっぱり「とにかく今は守りに入りなさい」って
どの方も言うんですけど、それでお金を自分の中で囲ったところで、どうなるんだっていうのもあったりもするんですけど。どうなんでしょ。これから生涯半分
は失業してるっておっしゃってるんですけど、その場合どうやってお金をやりくりしていけばいったらいいのか。
岡田:お金があるうちに、お金がなくてもいい暮らしの体勢を整えるしかないんじゃないですか。
SPA:やっぱり、そういう生き方ですか?
岡田:はい、はい、そうですね。年収100万で暮らせれば、たぶん人間幸せだと思います。
SPA:あっ、年収100万?
岡田:はい。年収100万で暮らせる癖がつけば、生涯半分失業しても大丈夫ですよ。あと、家族の中で誰か一人でも働いてればオッケー!って考え。
SPA:ああ~っ。
岡田:いわゆる5人兄弟っているじゃないですか。お父さん働いてて、お母さん専業主婦で5人兄弟!っていうのがあるじゃないですか。
ということは、これはつ
まり7人の家庭で一人だけ働いてて、残り6人食わせるという状態です。これがアリなんだったら、兄弟で暮らすというのと夫婦で暮らすというのと、もしくは
夫婦が3組集まってると、誰か一人が稼いでて残り6人がそれにぶら下がればいいわけです。
このぶら下がり、東南アジア型の生き方が当たり前と思って。親戚
の中でひとりでも稼いでたら、もうみんなでそいつにぶら下がるというのは当たり前。みんなが働いてないとロクデナシだということで考えたらですね、辛くて
やっていけませんよ。
SPA:年収100万円で暮らそうっていうのは、生活レベルを今よりも落としても大丈夫なようにしていこうっていうことですか。
岡田:大丈夫、大丈夫。ビックリするくらい落としても大丈夫。
SPA:でもやっていけるですかね?いろんな新製品が出て…
岡田:新製品は2年待てば激安になります。
SPA:ハッハッハ、新製品の状態で買わなくてもいい…
岡田:いえいえ、違います。iPhoneなんて2年経ったら激安になってるじゃないですか。無料になってますよ。で、すごい性能のいいパソコンであれ、携帯
であれ、2年経ったらちゃんと単体の値段はゼロ円になってますから。でも「コレが欲しい!」っていう機能だって、2年待てば激安です。
今売っている3Dテ
レビも、今買えば50万ですけど、2年後はたぶん15万です。さらに2年後は3Dテレビという機能が’付いてたら、もう次の機能のテレビが出てるから、叩
き売りの状態になってます。引き取ったらお金くれますよ。
SPA:ほぉ。じゃあ新しいものを狙うんじゃなく、もう…
岡田:新しいものは物好きが買うんですよ。センスがない物好きが新しいものを買うんです。
SPA:センスがないw
岡田:はい。新品を買うなんてなんてセンスがない。
SPA:っていうふうに言われてしまう世の中になるわけですよね。どうなんでしょう。じゃあ、どんどんどんどん経済は縮小して…。
岡田:あ、はい。縮小縮小。はい。
SPA:モノ買わない。
岡田:買わない。
SPA:安いものばかり買い求められるとか…
岡田:もしくは誰かが買ったものをみんなで一緒に使う。いわゆるシェアですね。あと中古使う。それで充分。はい。年収100万余るんじゃないのかなぁ。
SPA:ふふふw 家とかあればなんとかなれば、まぁいけそうですよね。
岡田:家?家なんていらないじゃん。
SPA:えぇ?あれ?w
岡田:自分の家っていらないですよね。いや、部屋は欲しいとか、住むとこは欲しいけども、家いらないし。
SPA:あ、マイホームなんていうのは。
岡田:マイホームもそうですし、誰かの家に住めればいいでしょ。
SPA:そうですね。寝れればいい。住まわしてくれる人がいれば…。じゃあ今まで本当にサラリーマンが思い描いていたマイホームがあって、結婚して、奥さんが専業…
岡田:あれは20世紀の夢ですね。
SPA:ゆ、夢w
岡田:はい。西部開拓時代の夢とかですね、あの日本人はみんな刀を差していた時代があったんだ、ちょんまげ結ってた時代があったんだ、というのとおなじように、20世紀の夢ですから。それに僕たちは10年間振り回されていたんですよw
SPA:いや、なんかいまでも振り回されている人って多いんですよw 結婚したら幸せな家庭が待ってても、家買うために頑張ってがむしゃらに働いて、子どもを作って、みたいな。独立させて。
岡田:こんな仕事してるんですから、3人食わせてください。
SPA:ふふふw
岡田:いやマジで。3人食わせてください。まぁ、ダメ男とダメ女を一人づつかな。あとお年寄りを一人かな。これでいい感じの家族作れますよ。
SPA:家族?w 自分で作ったものじゃなく?w
岡田:うん。ぼく拡張型家族って呼んでるんですけども、世話している人がいたらそれはもう家族ですよ。誰かの世話になってりゃ家族なんですよね。ぼくらペット飼っててもそれに感情移入していたら、それを家族だっていうじゃないですか。
SPA:(共感している)あぁぁぁ。
岡田:それは一方的に世話するだけの関係なんですよね。なんか貰ってるわけじゃなくて。
SPA:じゃあ、もうそういう婚姻関係がなくても家族みたいな感じで、支えあって…支えあってじゃないか、誰かにぶら下がって。
岡
田:誰かにぶら下がって。もしくは誰かにぶら下がられて。私はいま仕事があるんだからぶら下がられてもOK。で、私の収入が途絶えたときは、次は誰かが頑
張ってくれることを期待する。そのためには見込みがあるヤツとやっぱり一緒に暮らす。私にぶら下がることだけを生き甲斐にしているヤツとは付き合わな
いw
SPA:どうなんでしょう。なんかまだ、現実味がないような感じがするんですけど、どうなんでしょう?それが具体的に何年後に当たり前のようになると…。
岡田:え?もう今そうなってんじゃないですか?
SPA:そうなんですか?
岡田:だって彼氏は稼がないもんじゃないですか。女が働くと彼氏は稼ぎませんよ。絶対に!
SPA:ああ~
岡田:みんな、あの、いま男の子はギャルだから。
彼女が稼いでるんだと思ったら、徐々に徐々に稼がなくなる。昔みたいに「彼女がこれだけ稼いでいるんだか
ら、オレはそれ以上に稼がなきゃ」なんていってたら別れることになっちゃうんですよ。
結局、女の子が稼いで年収200万くらいあるとするじゃないですか。
そしたらその男の子は、男のプライドで250万稼がなきゃいけなくなるんですよ。そうすると250万稼げるときはいいですよ。稼げなくなった瞬間、この
カップルは微妙な関係になって別れなきゃいけなくなっちゃう。そんな理由で別れるくらいだったら、250万割ってもいいやって男のほうが、やっぱ定着率が
いいんです。
SPA:はははははw
岡田:結果、そういうカップルだけが残ることになる。
SPA:そういう父性だとか、そういうのは全部幻想になってしまいますね。
岡田:はい?
SPA:父性だとか、なんかそんな「男とはこうであるべきだ」みたいな。
岡田:ああ、20世紀の夢、ですね
SPA:はははw
岡田:江戸時代とかそういうのはなかったですから。もうほんとうにそれは20世紀の夢ですよ。100年もいい夢みたんですよ。よかったですねw
SPA:じゃあそういう幻想はここいらで…
岡田:はい、ここいらで。それは高度発展期特有の夢ですからw
SPA:はあああ。
岡田:たとえば中国とか韓国って男強いじゃないですか。あれは経済が発展してたからなんですよね。
SPA:あぁ、そうですよね。
岡田:はいはい。で、どの国もですね、経済が閉鎖的になってですね、景気が悪くなると、江戸時代みたいなもんですけど、女の勢いがすごく強くなるんですよ。
SPA:あぁぁぁ。
岡田:なので、もう高度経済成長の夢は諦めてですねw
SPA:そうなんですねぇ。やっぱり時代が変わるときってやっぱりそうなんですね。やっぱり。まぁ江戸時代があって、まぁどんどんどんどん上っていくと男性が強くなってって。
岡田:そうですね。
SPA:そうなっていくと、その変わり目ってどう対応…対応しきれない人はやっぱり…
岡
田:対応しきれないっていうのは何かっていうと、いままでの稼ぎを維持しようとかですね、この消費社会を維持しようとすると、すごい無理があるんですね。
このモテ力も、どんな男がモテるのかといのかに関してもですね、その、うーんとね、モテという幻想を持っていると、すごい苦しいだけですよね。
SPA:あぁぁぁ。
岡田:うん。モテっていう幻想はちょっとしんどいよなぁ。モテっていうのは何かっていうと、自分の魅力で女の子が寄ってきてくれる、みたいなことだと思うんですけども、女の子寄ってこないと思うんですよね。なんかこういうことを考える段階で…。
SPA:あぁぁぁ。
岡
田:うん。なので、そういう男性はですね、もうオレ女の子と縁がないんだっていう風に切り替えるか、あとはモテ以外の方法で女の子を手に入れるか、どっち
かなんですよ。
恋愛をバイパスしていきなり結婚に行くとか、恋愛をバイパスしていきなり付き合うとかですね、そっちのほうが現実性があるなぁ。
恋愛という
ですね、難しい峠を越えて、付き合うとか結婚するという場所へ行こうとすると、ちょっとハードル高すぎるんですよ、普通の人には。そうじゃなくて、地下道
を通っていったほうがいい。
SPA:地下道?
岡田:地下道。つまりいきなり結婚しちゃう。恋愛なしで。
SPA:え~~~!:お見合いとかのほうがよいということですか?
岡田:うん。それも自分のほうからカード出して。女の子みたら「必ず結婚しよう」っていう。
SPA:え~~~!
岡田:そのほうが成功率高いですよ、絶対。
SPA:あ、でも、数打ったら当たりそうですよね。
岡
田:そうですね。はい。いまのですね、昔からナンパ師が言う「お茶しない?」とかですね「付き合わない?」っていってて、一日中やってたら、必ずひっかか
るって言うじゃないですか?であればですね、「お茶しない?」って言って、ひっかかってですね、恋愛してもですね、たぶんそんな男の恋愛は3日とか1週間
とかで破綻するんですよ。だったら「結婚しない?」のほうがマシですよ。
SPA:あぁぁぁ。
岡田:ちょっといいと思った女とは結婚しろ。なんでかっていうと、これから将来5回結婚する社会になるからです。
SPA:えぇぇぇぇ!
岡田:だってさっきと同じですよ。
SPA:えぇぇぇ! 付き合って別れてみたいな。
岡田:はい。
SPA:はぁ~~。5回…
岡田:5回ですよ。だって5回就職するんですよ。生涯5回結婚するに決まってるじゃないですかw
SPA:あぁぁぁぁ。
岡田:手近で、一番最初に「結婚してもいい」っていってくれた女の子とさっさと結婚すりゃあいいんですよ。「モテ力」じゃなくて「さっさと結婚力」。
SPA:さっさと結婚力w
岡田:さっさと結婚力っていうのは何かっていうと、結婚する能力が自分にあるのかではなく、「結婚してくれ」と毎日言い続ける根性があるのかという「根性力」ですよw。
SPA:えぇぇ。いままでだったら、もうちょっと貯金をしてだとか、だんだんステップを…
岡田:ダメダメダメ。そうじゃなくて、今日、いま結婚したい女が、この世の中には毎日、毎瞬間、百万人くらいいるから大丈夫!
SPA:あ、言われればw
岡田:そうでしょ?w その心に入っていくには、年がら年中言うしかないんですよ。
SPA:はぁぁぁ。自分のスペック気にしないでってことですよね。
岡田:気にしないで。
SPA:まぁ、でも、数打ちゃ本当にいそう。
岡田:いるんですよ。いますよ。あのねぇ、ものすごいね、さえない男でもですね、付き合ってくれっていわれたら躊躇する女の子でも、結婚してくれっていわれたら一瞬考えますよ。
SPA:あははははw
岡田:心がぐらついている時だったら。
SPA:「えっ…?」ってw
岡田:そうそうそうw そのほうが成功率高いんですよ。
SPA:あぁ、「付き合ってくれ」より?
岡田:そっちのほうが誠意があるから。
SPA:まぁ、そうですよね。あぁ、誠意。確かにありそうな感じしますね。だからまぁ、一生この人と連れ添っていこうという考えではなく。
岡田:うん。「これから5年間独身より、これから5年間俺と結婚しているほうがマシじゃないの?」という下手に出たプレゼン。下手に出たプレゼンw
SPA:えぇぇぇ。なるほど。面白いですねw そういう考え方があったんだ。
岡田:ファッション、身だしなみは清潔だけですね。
SPA:せ、清潔だけw
岡田:清潔だけw
SPA:お金はかけずに
岡田:清潔!w(お金は)かけなくてもいい。無駄な金をかけるんだったら清潔。清潔に自信がないんだったら、安い新品を次々と買え。
SPA:あははw ユニクロでいいかな。
岡田:はい。ユニクロなんて高いもんじゃなくていいです。「しまむら」でいいです。
SPA:あぁぁぁ、「しまむら」で。しまむらでいいんだ。:あぁぁぁ。どんどん、どんどん「レオン」みたいなファッションの人がいなくなりますねw。チョイワル的なw
岡田:あれはもう、そういうことに金と手間をかけているという記号だから、実はモテなくなるんじゃないかなと思うんです。僕が女のコだったら「この人自分にカネと手間かけないだろうな」って見えるもんなあw
SPA:最近の女のコは、あんまりキメすぎてる男性が苦手だって…
岡田:大学で教えてるんですけど、ウチの大学の女のコも、ゴハンを食べにいく男とは付き合えないって言ってます。
SPA:えっ?
岡田:外食経験がみんなスゴい少ないんですよ。なので、外にゴハン食べに連れて行く男の子とか、男の人がいたら、「そんなとこ行って恥かくのイヤだ」ってことになって…
SPA:えええええっ?!面白いですね。
岡
田:フレンチとかイタリアンに連れてこうとする男は避けられるんですね。そうじゃなくて、家で飲もうとか、友達と一緒にゴハン食べようって言った方がずっ
と安全で好かれる。
女のコらにしてみれば、自分の友達の女のコに、その男の子がどう見えるのかがスゴいポイントだから、自分一人がどこか連れてってもら
うっていうのは、たまにそういうことがあったら友達言えていいんだけど、ほとんどのシチュエーションはそれよりこの男の子が周りの人にどう見えるかだか
ら、一緒にゴハン食べたときにチャンと皆に嫌われないかの方がずっと大事なんです。
SPA:ああ、そうか。
岡田:セーフティの方がサービスより優先するんですよ。
SPA:おおお~っ、ほんっと極端に変わりましたね。時代が!昔だったらそれこそコギャルが出たときは男の人何人と付き合うかとか、そういう性がちょっと乱れてた時代が…
岡田:女のコの方が性欲が強くなってるから、次々と男の子とか切り替えたり、何人もカレシがいたりはするんですけど、それは友達に知られるのがイヤがるので、そういうことする子はやっぱりFacebook登録出来なくなるw
SPA:あああ~っ
岡田:学生に話聞くと面白いんです。「なんでFacebook登録出来ないの」って聞いたら、「フタマタがバレる」ってw。だから登録してるヤツは(フタマタを)してないってことw
SPA:ああああっ
岡田:だから安全度が高くなっていくw
SPA:一般的なこれまでの考え方だと、ある程度お金があって理想的な生活があって、という典型的な幸せ概念っていうのがあったと思うんですけど、これからってどうなっていくんですかね?
岡田:「所有」でなくて「体験」になると思うんですけどね。
幸福感っていうのは、こんなふうに成功して稼いだおかげでこれだけモノを持ってる、っていうふう
なことがかつての幸福感だったんですけど、逆に今はこんな体験をしたとかですね、デートでもいいんですけど、この人とこんなストーリーがあったという、ど
んなストーリーを得れたかなんですよ。
体験っていうのはストーリー化されてないとダメなんで、いかに人に話せる、自慢出来る、モノではなくて体験…
えっ
と、具体例で行くと、昔は大きい家に住んでるのは金持ちだけですよね。で、金持ちだけの生活というのは大きい家に住んで、豪華な家具があって、これはお金
持ちじゃないと過ごせない、貧乏人は生涯狭い家で家具もろくに無いわけです。
これが消費社会になっていくとどうなるかというと、みんな自分の家を広くしよ
うとして、いい家具をいれようとしているわけです。
ところがやればやるほど上には上があることが分かってきちゃうので、狭い家の中に豪華な家具があった
り、なんとか家を広くして、それは都心からうんと離れたところで通勤が不便なところだということがわかっちゃった。
結果どうなるのかというと、カフェとか
喫茶店みたいな場所で代用するようになる。つまり自分の部屋でなくていいから自分の気持いい居場所みたいなカフェに行くことで豪華な気分が味わえる。結果
的に都心とかで何軒豪華なホテルのラウンジを知ってて行きつけの店があるのかという合計値がその人の幸福感になる。
1回行くのに確かに500円かかる。で
も毎日500円、1000円でもいいのですが、超高級なところでお茶を飲んだとしても年間36万かからないわけです。
SPA:そうすると、家で事務所を持つと考えるよりは全然安上がり。
岡田:そうですね。年間36万だったら家賃換算したらすごい低いことになりますね。月当たり3万ぐらいになっちゃう。
月3万だったら豪華な部屋に絶対住めな
い。でも毎日1000円だったらお茶は飲める。その方が人間は豪華な気分が味わえる。
これがその「シェア」的な感覚なんですね。さらに効率化すると、何人
かが共同でルームシェアしてもいいし、何人かでリビングを持ってもいいわけです。リビングみたいな空間。
そういうふうにしちゃうと、これまで一人で持たな
いといけなかったからお金がかかっていたのが、何人かごとに手分けして持てばいい。これまで年収400、500万円じゃないとこんな生活ができないと思っ
ていたのが、同じような生活が「所有」という考えを手放した瞬間に年収150、200万円ぐらいで可能になる。
SPA:ふーん。
岡田:こないだ読んだ本でおもしろいことが書いてあったんですね。電気ドリルありますよね。ガーッとする。ほぼ全員、アメリカ人は持っているんですけれども、それぞれアメリカ人が生涯で使う分数が6分ですって。
SPA:いらないじゃないですかw
岡田:いらないんですよ。「これを無駄というもんですわ」と書いてあって。そりゃそうだわ、今「シェア」というものが流行っているのが。だったら誰か一人そのレンタル網を作った方がいいじゃないですか。自転車とか自動車とか全部シェアになっているんですよね。
SPA:そうですよね。シェアカーとか結構ありますもんね。
岡田:「シェア」の方が選択肢が広くなる。
車買うんだったら1台しか買えない。すごいお金持ちだったら2台目買えて、ものすごくお金持ちだったら7台買え
て、毎日気分によって乗りかえられる。
では「シェア」だったらどうなるのか。毎日車を変えるのは簡単なんですよ。その方がお金がかからなくて選択肢が広が
る。唯一違うのは「俺の車」という感覚がないことだけ。
SPA:所有欲がどんどんなくなる。
岡
田:何か今アメリカでね、グッドガールという…名前はちょっと忘れたんですけれども。女の子の全身のサイズを登録してですね、上半身・下半身のサイズを登録してですね、自分のサイズの交換会に行ったら自分の上着・スカート・ワンピースのサイズと同じものがずらっと並んでいて、どれとも交換できるんですよ。
入る時に3段階か5段階で登記のタグくれるんですよ。で、3をもらったら、自分が1出したら3枚持って帰れる。
SPA:ああ~なるほど!保存やデザインが良かったりすると高い。
岡田:そうすると最初、誰も着ないような服を絶対持って行くんですよ。ところが1とか2とかもらえなかったら「あれ?」と思って、2回目からはものすごいお気に入りの服以外を全部持ってくるようになるわけです。結果的にそこへ行くと、ほとんどタダでナンボでも服が手に入るわけです。タンスがいっぱいで皆困っているじゃないですか。
SPA:はい。
岡
田:服を買っても皆実は困るんですよ。はっきり言って困るんです。それより服を家から出せて、おまけに同じ分量持って帰られる、この幸せ!
皆その交換会の
方に行っちゃって、一流のメーカーとかデパートがどんどん潰れていって、服の交換会とか無料の交換会が流行っている。これも年収100万の世界。
SPA:確かにかかんないですね。
岡田:かかんないです。僕ら「買う」と思うからかかる。買わなきゃかかんない。買うのはたぶん生活必要品だけです。
SPA:消耗品。それだったらいくらでもお金を使わない生き方ってありますね。システムがおもしろいですね。日本でもレンタルもすごいなーと最近思うんですけれど、レンタルももはや「シェア」ですね。
岡田:「シェア」です。はい。
SPA:消費力を無くすっていうが一番先決ですよね、これからの時代は。なんかもう、あれですね。プライドとか気にしなくていいっていう。
岡
田:うん。そっちのほうがプライドを保てるというかですね、無理やり買って一種類なものよりは、何種類かあったほうが絶対にいい。カバンとかもそうで
しょ? すごくいいカバンを買ったら年に2回しか使えないじゃないですか。「前とおなじカバン」っていうふうに言われちゃうから。それよりはカバンもレンタルっぽいものにするか、もしくはシェアにしちゃったほうが。
SPA:こういう生き方って、バブルとか経験してきた人ってしんどいのかなって。
岡田:そうですね。
SPA:なんか若い人のほうが有利かなって。さっきお話聞くと。フレンチに連れて行くような男性は嫌だっていうのから考えると。若い子たちのほうが生き抜く術をもっているのかな。
岡田:そのへんは、若い人はハッキリ…自分の体験にならないようなことは評価しないですよね。
SPA:体験にならない?
岡
田:はい。所有にしかならなくて、体験にならないことって嫌がりますよ。たとえば豪華なプレゼントっていっても喜ばずに、「なんでこれを買ったのか」と
か、そういったお話付きでないとつまんないと言われちゃう。ほんとにね、いまのね、大学生の女の子は高いチョコ買わないですよ。このあいだのバレンタイン
では。しみじみ思ったのは。
SPA:なんですか? ポッキーを?
岡田:ポッキーアートですね。
SPA:ポッキーアート?
岡田:ポッキーアートっていうのがあって、ポッキーをいろんな色のポッキーを並べて、そのうえにチョコで描いたりするんですよ。あとマカロンアート。
SPA:あ、なんかデコレーション…
岡田:あのね、バレンタイン直前のね、スイーツパラダイスあるじゃないですか。あそこはいま、ポッキーアート、マカロンアートの戦場ですよ。
SPA:あはははw ちょっと行ってみます。
岡田:女の子が行って、吉祥寺にもあるんですけど、女子高生が険しい顔して降りてきてですね、「ケーキ食べられなかった!」っていって。
SPA:あははw
岡田:あぁ、ポッキーアートに夢中になって一時間半のあいだポッキーアートばっかりやってたんだ。ケーキ一口も食べられずに時間きちゃったんですよ。で、険しい顔して降りてきて。すっげー笑ったw
SPA:恋愛でもこんなことが起こってるんですねぇ。
岡田:そうですね。リーズナブルというよりは、もうほんとにお金をかけるっていうのが、なんでしょうね、ちょっとヘンな人みたいな。
SPA:ヘンな人w そうなんですよね。「なんでこの人車持ってるのかしら?」っていう目で見られるみたいですよね。都内とかだとありますよね。「なんで車持ってるの?」とか「なんでこんな無駄に広い部屋に住んでるの?」とか。恋愛でもそういう評価されたり。
岡田:でありながら、テレビで紹介されたりするときっていうのは、消費っていうのを煽らなきゃいけないから、そういうものを紹介するので、どんどんどんどん
テレビで紹介する「これが楽しい生き方ですよ」っていうのと、一般の人の考える「これがいいんだよな」っていうのがズレてきて、だからみんなテレビを見な
くなっちゃうんですよ。ほんとに見ないですよね、彼ら。
SPA:そうですね。なんかヘンにギラギラしている芸能人の生き方とか見ていると、もう消しますよね。たしかにそこの格差はあると思います。ファッション誌を読んでも、上から下まで10万円くらいかかるようなのが…
岡田:なんでそんなヘンなペン持ってるんですか?
SPA:これはあれです。「ガンガン」のおまけの。
岡田:あ、「ガンガン」のw ちょっとすごかったなぁ。
SPA:なんでしたっけ?「とある魔術の禁書目録」
岡田:はいはいはい。す、すげぇw
SPA:すいません。よく言われますw
岡田:カッコいいなぁ。
SPA:あたしも好きなんです。マンガも買わなくなったし、ほんとに…じゃあ、どうなんでしょう。マスメディアとの普通の人の生き方というのは…。
岡田:ズレがあるからみんなテレビ見なくなるだけです。
SPA:じゃあどんなるんでしょう?こういう業界、われわれもその端くれですけど。
岡田:はいはいはい。その話していいんですか?
SPA:たぶん書けないとはおもうんですけどw
岡田:お金を払って情報を得るような変人はもう減ってきますから、ほんとうに早く仕事を変えたほうがいいと思いますw
SPA:え~~。webとかどうですか?
岡田:webはいいんですけども、webってお金にならないから。
SPA:あぁぁ。
岡田:はい。趣味でやるぶんにはいいんじゃないでしょうか。
SPA:じゃあどうしましょう。転職。webは金にならない…
岡田:ならないですね。ただ出版社はまだそんなことがあるって知ってながら辞められないに決まってますから、あと何年いるのかっていうのふうに…。そうです
ね、お父さんから後何年お年玉もらえるのか、みたいな気持ちで会社に勤めていると気持ちがすごいラクですよ。ある日「出ない」って言ったら、「そりゃそう
だよね、お父さんももう苦しいもんね」くらいの感覚で考えたら絶対楽ですよ。
SPA:その先が…
岡田:最後の最後まで居て、でもなんかって考えたり、次も出版って考えるとすっごいしんどいですよ。
SPA:しんどいですね。ずっとやってかなきゃって考えると。
岡田:はい。
SPA:お金になる生き方とか考えたほうがいいんですよね。
岡田:お金になる生き方か、もしくは今のうちに100万で生きる人間関係を作るか。100万でいけるんだったら、ほんと人間関係ですよ。
SPA:たしかに。それはwebの人、なんとかしてくれないですもんね。ちょっと気が楽になりましたけど、ちょっとしんどいなって気も…wスペックの高い1%の人と99%のヴィンテージの人が100万円で生きるような工夫をいたほうがいいと。
岡
田:うん。そうです。で、スペックの高い1%の人がムダな高級品をいっぱい買ってくれるんですよ。
それは3年後にぼくたちがそれを無料で手に入れるための
先行投資をしてくれる気の毒な人たちです。
その人たちは意味なく高いものを買って、意味なく広い部屋に住む可哀想な生活をする人たちです。
SPA:可哀想な人たちなんですね。勝ち組でもなんでもなく。
岡田:そうですよ。その人たちは人間力がないから高いものを買うしか生きようがないんですよ。で、高いものを買える人が集まったら、高いもの自慢になるに決まってるんですよ。だから彼らは意味なく高いものを買うんですよ。気の毒に。
SPA:気の毒にw そこ目指さなくていいというのは気が楽になりましたけど。
岡田:これまでそこに中間層がいたからしんどかったんですよ。すごいお金持ちと貧乏人のあいだに無限のグラデーションがあった。いわゆる中間層があったんですね。
SPA:ええ。
岡田:で、この中間層がなくなるというのは、あらゆる経済学者がいっていたことなんですね。二層化が日本で進行している。てゆうか、世界でも進行している。ここでみんな間違えたのは、「どうやって勝ち組に入ろうか」と思ったんです。
SPA:あぁ、そうです。
岡田:でもこれ1%しかいないから入れないに決まってんですよ!そうじゃなくて、いかに気が楽に、下のほうへ行くのかがポイントだったんですね。ここで上に行こうという努力をすればするほど、傷ついた負け組になるだけです。
SPA:苦しくなりますよね。生きるのが。
岡
田:えぇ。ポイントは勝ち組負け組じゃなくて、1%の変人と99%の幸せな人に替わるんですけどもw
、その1%の変人の世界に行けなかった心が傷ついた人になるよりは、ぼくは99%のふつうの楽しい人になったほうがずっと幸せだと思います。iPhone
なんて金持ちが手に入れる2年後に買ってなんの支障もないし、iPadは買うのは来年でいいですよ。そしたらもっと安い。
SPA:そうですよね!私、がんばって買っちゃいましたw
岡田:僕も買っちゃいましたけどw
SPA:情弱でした。躍らされて。
岡
田:いえいえ、それはいま仕事がある人間の義務ですから。高貴なる義務。ノーブレス・オブリージュってやつですね。
いま収入があるやつは貧乏人のために、
いま無駄に金を使います。で、僕らが使わなくなったものを…。いまだからiPadがあるんだったら、誰かに無料であげりゃあいいんですよ。誰かがまたお返
ししてくれるから。
SPA:あぁぁぁ。
岡田:だってもう使わないんですから誰かに渡せばいいだけ。だからいまiPadを真剣に必要としている人にあげれば、その人がたぶんいつか、もしくは回り回って誰かがいいことをしてくれるって。これをやるにはいい関係をつくるしかない。
SPA:IT化とかいわれてても、なんか意外と人情で成り立つ世の中になるんですよね。
岡田:そうですね。楽しいっすよ。
SPA:ちょっと前向きにw
岡田:はい。そんな感じでよろしいでしょうか?
SPA:はい、ありがとうございます。
おいそれとコメント出来ないぐらい。
この内容を掻い摘んで就活中の子に教えてあげたら
ちょっと気が楽になったって喜んでましたよ
まさに自分が切望する世界です。
読んでると不思議と気が晴れてくるから、イイっすね!
ずっとファイルが確認できないままです(つД`)
どうにかできないでしょうか、お願いします。
Googleアカウントにログインしている場合、ファイルがダウンロードできない場合があるようです。アカウントからいったんサインアウトしてから再度クリックしていただくか、あるいは別のブラウザからURLをクリックしてみていただけますか?
ちなみに短縮していないURLはこちらになります。
https://docs.google.com/leaf?id=0B_cVj61J8HqCOTkwOTI4ZmMtNzUzNy00Yzg2LWFmOGQtNzI4M2RlNWVkZjk4&sort=name&layout=list&num=50
すばやい返答ありがとうございます。
Googleのアカウントに登録して使う
サービスだと知らなかったので(^_^;
アカウント登録したら問題なくダウンロードできました
お手間かけさせて申し訳ありません
ありがとうございました。
(活字もいいですが、自分は音声で聞くのが好きなので 両方あると助かります)
解決できてよかったです。
本来的にはGoogleに登録していなくてもダウンロードできるはずなんですけどねーちょっとまた今度調べてみようと思います。
音声も楽しみにしてくださっていて、とても嬉しいです!