皆様の人生をより効率よく幸せにするための「人生のとりせつ」も第7回目。
今回は、各タイプごとの「優位・劣位」に関してお話しします。
前回、対角線上に位置するタイプ同士は、お互いに相手の欲求をほとんど持っていないと説明しました。
つまり、王様タイプと学者タイプ、軍人タイプと職人タイプは、お互いに、最も理解しにくい者同士なのです。
逆に、かなり正確にお互いの本音を推測しあえるのは、当然同じタイプ同士です。
但し、同じタイプ同士だから気が合う、と言うわけではありません。
むしろ、お互いの欲求が同じ方向に向かっている為に、利益が対立してしまうことの方が多いようです。
むしろ気が合うのは、隣り合うタイプ同士です。
しかも、おもしろいことに、隣あうタイプ同士ではある法則に沿って、自然と「優位・劣位」という関係が発生します。
「優位、劣位」とは、なんでしょうか。
ある人に対してなぜか、あこがれを感じたり、近寄りがたい印象を持ったり、その人の言うことについ従ってしまったりする先入観、
いわば心理的な位置エネルギーの低さを、「相手が自分より優位である」と表現します。
同様に、相手を軽んじたり、組し易いと感じたり、かわいく感じたりする心理的位置を、相手が自分より劣位であると表現します。
この連載での4タイプの場合、
職人タイプより王様タイプが優位、
王様タイプより軍人タイプが優位、
軍人タイプより学者タイプが優位、
学者タイプより職人タイプが優位、と右回りに配置されます。
お互いがそれぞれ優位にも劣位にもなるジャンケンのような構造なのです。
もう少し詳しく見てみましょう。
成功している王様タイプは、職人タイプにとってあこがれの対象です。
自分の感性を貫きながらもみんなに認められているように感じられるからです。
逆に、王様タイプにとってこだわりの職人タイプは、
せっかく、みんなに認められるチャンスがあっても、個人的なこだわりで不意にしてしまう、しょうがないヤツに映ります。
成功している軍人タイプは、王様タイプにとってあこがれの対象です。
みんなからの認められ方が、地位や順位、資産といった形ある確かなものなので、安定した本当の賞賛を受けているように感じられるようです。
逆に、軍人タイプにとって王様タイプは、お世辞に弱く、頼られるとつい安請け合いばかりする、しょうがないヤツに見えます。
成功している学者タイプは、軍人タイプにとってあこがれの対象です。
築いている地位や権力が、運や生まれではなく、確かな哲学や社会観察の結果の安定したものに感じられるからです。
逆に、学者タイプにとって軍人タイプは、目先の損得、勝ち負けに惑わされて、真実を見失うしょうがないヤツに見えます。
成功している職人タイプは、学者タイプにとって、あこがれの対象です。
感性による成功を、より深い洞察力や広い視野によるものだと感じられるからです。
逆に、職人タイプにとって学者タイプは、自分の心で感じずに、理屈でばかり考えるしょうがないヤツに映ります。
ここでもう一つの法則。
どのタイプも、調子が良く、気力が充実している時は、憧れの右回りの欲求を満たそうとし、調子が悪く、元気のない時は、左まわりの欲求でがまんしようとします。
具体的な例で説明しましょう。
例えば、徹底したマーケティングでヒットを飛ばし続ける軍人タイプのユーミン。
彼女が絶好調の時は、「私の成功は、独自で開発したマーケティング理論によるものだ」という風に考えているでしょう。
又、スランプで落ち込んでいる時は、「みんなが喜んでくれてればまぁいいか」と考えてしまいます。
プロデュース活動自体が、この社会を使った巨大な実験と考えている学者タイプの小室哲哉。
彼が調子のいい時は、「自分のセンスを分解し、再構築することこそ、本当のクリエイティブだ」なんて考えているかも知れません。
が、スランプの時は「まぁ、今度の曲は10位以内に入ればいいよ」と消極的に考えているかもしれません。
でも、いくら元気がいいからと言って、右回りの欲求を満足させる為にことを始めると、結局うまくいかない事が多いようです。
例えば、王様タイプのビートたけし。
軍人タイプの実業家をめざして、カレー屋を開業したものの、もうからず失敗。
宣伝には余念がないのですが、肝心の損得勘定はおざなりになってしまうからのようです。
芸能人が始めたお店は、このパターンで失敗する場合が多いようです。
交通事故にあって元気が無くなってしまった彼が、「映画監督」という職人的位置を逃げ場所に選んだのも、そう考えれば納得がいきますね。
また成功した企業の社長さんが本を出版するのも、同じです。
軍人タイプの社長さんは、功なり名を遂げた後、「人を使う法」とか「ヒット商品の作り方」とかいった自分の道程を一般化・理論化し、ビジネス書として出版したがるもんです。
が、いずれも理論としては脆く、ただの自慢話に終わってしまうことが多いですね。
しかも、こだわりの職人タイプとは対極に位置する軍人タイプの書く文章は工夫もなく、読みにくいものになりがちです。
学者タイプの理屈っぽい人が、いきなり宗教などという、こだわりと信念のかたまりのような世界に入ってしまったりすることも案外多いようです。
話題のカルト宗教やオカルトにハマってしまうのは、きまって学者や知識人たちなのです。
学者から見て優位にある職人に対する憧れ、ですね。
大学教授の奥さんといえばピアニスト、というお約束はこのリクツで説明できてしまいます。
いかがでしょうか。
あなたが今、自分の中で一番強いと感じている欲求は、必ずしもあなたのタイプと一致しない場合があります。
絶好調のあなたは、右まわりの欲求を自分の「本当の欲求」と思いがちですし、スランプで鬱状態のあなたは、左回りの欲求に目を奪われてしまうのです。
が、いずれの欲求も、決してあなたの心の中心を埋めることは出来ません。
あなたの心の大部分を支配する欲求は、前回までで説明した通り、あなたがほとんど共感できないタイプと対角の位置にあるはずです。
自分の欲求を素直に認め、その欲求が満足されるように行動することこそ、あなたの本当の幸せに繋がることを、まず認識して下さい。
もちろん、絶好調のあなたが、余った気力で右廻りの欲求を満足させようとチャレンジすることは良いことです。スランプの時は、左の欲求で心を休めることも 大切でしょう。が、そういう状態では、けっしてあなたの本来の状態ではないので、長持ちしません。チャレンジの場合は、短期決戦をお薦めします。
次回は、あなたのタイプを判別するYES、NOテストです。