この連載は人生のトリセツ(取り扱い説明書)です。
人生で、困ったり悩んだりした時、努力したのに上手くいかなかった時、
どうしてもウマの合わない人がいて困っている時、こういった場合にお読み頂くものです。
もちろんトリセツですので、人生をお買い上げに頂いた時、
つまり自分の人生を主体的に決める、思春期から20歳までの段階で、まず一通り読むべきでしょう。
しかし、SPA!の読者の皆様は、この時期を過ぎてしまった方がほとんどですね。
つまりトリセツも読まずに、闇雲に人生を過ごされてきたノンキ者、というわけです。
これでは、あなたの人生で、何かと上手くいかないことが続いても当たり前と言わざるを得ません。
今からでも遅くはありません。
今後の人生のために、毎回このトリセツを熟読されることをお薦めします。
このトリセツでは、まず、あなたの欲求のタイプを判定することから始めます。
というのも、人の不幸の多くは「こうなれば自分は幸せになれる」と考えている方向が、
見事にトンチンカンだから発生するのです。
後に詳しく説明しますが、人間の本質的な欲求は大きく4種類に分類できます。
その4つの欲求には、個人毎に必ず偏りがあります。
そこでその偏りに注目し、どの欲求を一番強く持っているかによって、
人間を大きく4タイプに分類できるのです。
その、4つのタイプとは、
・軍人
・王様
・職人
・学者
の4タイプです。
ではこれから、その4タイプを説明しましょう。
・軍人タイプ
負けず嫌いで、常に勝ち負けや順位にこだわるタイプです。
仕事も恋愛も家庭も、すべて他人と比較して、
誰に対して勝ち、負けているか、客観的、社会的に見て自分はどれ位のレベルかをいつも計っています。
当然レベルがあがることが喜びであり、下がることが悲しみや嫉妬になります。
・王様タイプ
とにかく、誰よりも注目されたい。ほめられたい。認められたい。かまわれたい。
という欲求が強いタイプです。
勝負で負けても、「惜しいね」と注目され、慰められさえすれば、あまり気にしません。
逆に、無視されたり、ないがしろにされるのが、一番つらく感じるタイプです。
・職人タイプ
自分の考えている通りに、ものごとをやり遂げることにこだわるタイプです。
客観的な成功や完成ではなく、他人の目からはわからない確固たる基準や理想像が自分の中にあって、
それに近づく事が喜びとなります。
逆に、いくら努力しても近づけないことが悲しみや怒りになります。
・学者タイプ
ものごとの仕組みや法則を、自分なりに理解・発見・推測することに喜びを感じるタイプです。
たとえ勝負で負けても、なぜ負けたか分かれば納得し、
他人から嫌われても、なぜ嫌われているか理解する方が大事な事です。
逆に成功しても、その理由がわからないと落ちつかないのです。
以上、4つのタイプ。あなたはどのタイプかわかりましたか?
いえいえ、そんなに急いではいけません。
私が知っている限り、こんな単純な説明で「わかった、自分は○○タイプだ!」とか言う人の場合、
大抵は間違えています。
人間、自分のことはそう冷静に見れないもんです。
このトリセツの中でまず大切なのは、自分がどのタイプの人間かを正しく判断することです。
ここで間違えると、まったく違う機種のトリセツを読んでしまうことになります。
最初は自分の友人・知人を、4タイプにあてはめてみるところからお奨めします。
そうすることでこの分類法に、だんだん頭が慣れてくるからです。
僕が今までいろんな人達に説明した経験では、4タイプの相互関係、優位や劣位、といった話をして初めて、自分自身の正しいタイプが判断できるようです。
「だぁかぁらぁ、オレいつも損するんだ!ふ~ん、なるほどなぁ。岡田さん、これ使えますよ!」
なんてことになるわけですね。
しかもこれは、恋愛・家族・上司と部下の関係、といった人生の様々な局面で使うことが出来ます。
この観察学を完成する以前、
僕は今、エヴァンゲリオンで有名なアニメ会社・ガイナックスを経営していました。
その時には、例えばアニメなら「企画力のあるプロデューサー、個性のある監督、絵の旨いスタッフ、やる気のある制作」といった漠然とした認識しかありませんでした。
上手くいかない時も、制作の能力が低いからとか、みんなの志気が低いからとか、
目の前の要素だけで考えていました。
が、この分類法で見ると、それまで見えなかったものが見えてきます。
プロジェクトが無理なく動き出し、他の人を巻き込んでどんどん大きくなり、結果的に大成功をおさめる。
こういう時は、必ず4タイプの人が見事に配列され、
それぞれがうまく実力と個性を発揮している時なのです。
このように岡田式分類法は、実に汎用性が広く、実用性が高いものです。
皆様の人生にお使いになることを、是非お薦めいたします。
次回は、この4タイプを実際の有名人に当てはめて解説し、さらに具体的な判別法をご説明しましょう。ミュージシャンやニュースキャスターといった人々も、この4タイプの欲望に支配されているのです。