その4)からの続き その1)はこちら
Q.「ぼくたちの洗脳社会」では、SONYやアップルには「イメージキャピタル(評判資本)」と呼ばれる資本があって、それを評価されていますね。それを踏まえると、企業はこれから先どうなるのでしょうか。
これねえ、どこまで説明していいか…。僕、実験でちょうど今から始めるところなんで、ちょっと書いていただけるかどうか分からないんですけども。
今度の日曜日に説明会をやるんですけど、僕、ずっと今まで「一人夜話」っていうイベントを月1回やってるんですね。
2000円入場料取って、僕がみんなに話をするっていうイベントなんです。
それをもう去年の9月からずっと重ねて、こないだ第6回だったんです。
その前はギャオジョッキーっていうネットのテレビで2年以上やっていた。
で、これらの評判もかなりよい。
「一人夜話」というくらいだから、1人で1時間しゃべるだけなんですよ、番組で。1時間カメラ目線でしゃべるだけの、本当にねえ、政見放送みたいな番組なんですよね笑。
面白い政見放送っていうんですかね。
ところが、これがイベント場になると3時間にもなるんですよ。3時間とか4時間、1人でしゃべるんですね。
こういうことをやっているんですけども、問題がいくつかあって、地方の人が見れないとか、3時間とは言っても時間は限られていて、話題は3つか4つくらいに絞られてくるんですけど、もっとこんな話が聞きたいという要望に答えられないとかね。
今回は「ガンダムの話聞きたかったのにガンダムの話がなかった」という人もあれば、「こっちの話をもっと聞きたかったのに、話が3つも4つもあるから嫌だ」という人もある。
ほかにも、「新宿は遠い」とか「歌舞伎町は怖くて行けない」とかですね、歌舞伎町でやってるんですけども笑。
いろんな需要があるんですよ。
で、これらをどうにか全部、満たすことができないかなと、ずっと考えてたんですね。
ぼくは古いタイプの人間なので、情報の発信者とお客さんという考え方をしちゃうんです。
その区別がどんどんなくなっているのは分かるんですけど、相変わらず壇上でしゃべる僕と、そのお話を聞く君たちという風に考える。
ところが彼らは僕の話を聞いて帰ったら、ブログに僕がしゃべったことを書くんですね。
つまり彼らも発信者なんです。
僕はメーカーで、彼らはお客さんだと思うんですけど、彼らは彼らでちっさい小売店を営んでて、そこにはお客さんがいるわけですね。
つまりどういうことかというと、僕は卸し市場なんだけど、僕も仕入れているわけですよ。
『FREE』読んだよとか、こんな映画見たよという風に、いろんなものを仕入れて。加工業者ではあるんですけど、それを卸している業者だと。
で、「はいはいガンダムの話するよ~」とか「FREEの話するよ~」っていう風に卸業者としてやっていると、みんなが「あ、それお願いします!」と言って、それを買って、それぞれのブログで自分で発表する。
つまり自分のショップを開いているわけですよ。卸業者、小売店、お客さんとつながっていって、そこから先にいるのはもうお客さんかどうか分からないような状態。
だって、そういうのをまとめている「まとめサイト」を作っている人もいるわけですよね。
つまり、なんだろう、もう誰が生産者で誰が消費者かわかんない時代に入ってきていることは確かなんです。
おまけにですね、僕が言ったことというのはネットでよく間違って引用されることがあると。
それ僕、昔は嫌だったんです。
僕そんなこと言ってないよとか、そういう意味じゃないよとか。
で、多分ね、今日本の、というか世界の著者のほとんどは、この問題に直面して「困ったもんだ」と思っているはずなんです。
ところが、これが困ったものであるはずがないんですね。
さっき言った、ハイウェイが通ったということを考えなきゃいけないのに、「ハイウェイができるのは間違っている」と思うようなものなんですね。
だから僕が考えたのは、「分かったよ」と。例えばSONYっていうのは、「SONY商品」とか、SONYの社員が考えている「正しいSONY」以外に、「初期の商品には不良の商品が入っているんじゃないか」とか、本当かどうかは知りませんけど、「『SONYタイマー』って言われたりして、ある程度になったら壊れるんじゃないか」とか、「でも技術は最先端だよね」っていう、いろんなイメージ込みで、それはSONY自身が言いたくないイメージも込みで「SONY」なんですね。
じゃあ僕も、誤解されたり、「どうせ岡田斗司夫のいうことだからこうだ」と言われたりということも含めて「岡田斗司夫」にしちゃおうかなと。
それを「岡田斗司夫2.0」と呼んでるんですけど(笑)。
だからそれまで僕は、間違った発言は敵だと思っていたり、過ちだから修正しようと思っていたりしたんですけど、そうじゃなくて、それを含めて「岡田斗司夫」なんだと。
で、僕の悪口を書く人や僕について書いてくれる人も含めて、巨大な「岡田斗司夫グループ」だという風に考えた瞬間に、ものすごく分かりやすくなったんですね。
なるほど、このグループを大きくすることを考えればいいだけなんだなあと。
その6)に続く