FREEexなう。

2010年03月13日

岡田斗司夫「FREE」インタビュー(週刊ダイヤモンド)その8

その7)からの続き               その1)はこちら

Q.面白すぎますね。
フリーソフトウェアの開発っていうのは、おカネは介在しないけど、ちょっと近いところはありますね。あれも中で評判が上がっていくんですよね、集団で作るじゃないですか。そこにさらにおカネも介在させるわけですね。


でもおカネを介在させるといっても、その最終的な目的は何かというと、うちの会社に1万円ずつ払っていって、例えば社員数1000人、そんなことあるかどうか分からないけど、月1000万円で、年1億2000万円の売り上げになっちゃいますよね。それを何に使うのかというと、それで機材を買って、僕が1人でしゃべっているのを地上波でオンエアできるようにするんです。これがフリーの目的ですね。 
 

以前は、ギャオで岡田さんの話が月に1回、タダで見れたのに終わってしまったとみんな言っていると。早く復活してくれっていうのが、みんなのゴールなんですよ。じゃあ分かったと。それをみんなでできるように持って行こうと。そのためにはみんなで、うちの会社で売り上げを上げて、それだけの設備を購入したらできるようになる。しかも地上波でできると。地上波がゴールであって、それでもまだおカネが余ったら次は翻訳しようと。翻訳して吹き替えして、全世界に発信しようと。それがゴールですよ。
 

その結果、伝わる話は僕の話かというと、そうではなくて、内部で議論して作った「岡田斗司夫2.0」の話です。それはノートの話かもわかんないし、洗脳社会2の話かもわかんないし、いろんなモノがあります。それをみんなで作っていって、僕はそういうのを人に説明するのがうまいから、みんなの思想を僕が説明していくんです。さっきの高速道路の例みたいに、僕は多分、FREEの作者よりFREEの説明が上手いんですよ笑。

Q.その通りですね笑

じゃあそれをやればいいじゃないかと。
 

Q.だから『僕たちの洗脳社会』も、『FREE』より分かりやすかったので、みんなに勧めているんですが、絶版なんですね笑。早く復刊させましょう。

だからこれもね、復活したら、botを作ってツイッターでこの中の台詞を「全て」ランダムに出しちゃえばいいんじゃないかってね。

Q.あ、いいですね、それ。

で、そのbotの発言を全部集めれば、実は『僕たちの洗脳社会』なんか買わなくても読めるよっていう風にやっちゃうんです。
 

Q.その台詞も言っちゃうといいですね。「買わなくてもいいよ~」ってbotでも発言しちゃう笑。このインタビューも『FREE』と同じように、事前にウェブで公開したいと思うのですが、いかがでしょうか。

もちろん、構いませんよ。人間、自分が「いいなあ」と思ったものっていうのは、最終的に「記念品」として買うものなんです。携帯小説が出版されるときっていうのは必ずハードカバーになるという法則があるんですね。タダのものを自分が記念品として買うときは、高級品として買いたがるんです。ネットでタダで読めるマンガも、それが単行本になったらバカ売れするってことが起きたりするんですね。
 

Q.それはなぜですか?

それは、自分が「面白い」と思ったものは、マテリアル、物質として、『FREE』の言葉を借りればアトムとして持っていたいから。なぜかっていうと、思い出は物質だからですね。なんでプリクラがなくならないのか、なんでアルバムがなくならないのか。デジカメが普及したらデジタルだけでいいはずなのに、なぜかプリントアウトしたものを欲しがったり。結婚式の写真もそうですよね。何か、ほんの小さいものでいいからマテリアルが欲しい。物質が欲しい。そこにまだ、経済は介入しているんです。
 

だからさっきも言ったように、デジタルは全てを駆逐するんじゃなくて、新しいルートを生むだけなんですね。で、そこの新しいルートのところにはビジネスがある。
 

さっき僕がこれ、書いてもらっていいかどうかわからないって言ったのは、まだうちの会社は社員説明会を今度の日曜にするのが初めてですので、このシステムが上手くいくかどうかもこれからだからなんです。『僕たちの洗脳社会』で言ってる、企業は最終的にはボランティア組織みたいなものになるだろうっていうものの、おそらく完成形に近いと思うんですね、これが。

その9)に続く




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