その11)からの続き その1)はこちら
Q.やっぱりBIの導入という話になりますか。
BIは何が面白いかって、月に5万とか6万の基本所得というのを国民全員に配ると、人件費安くできるんです。 BIを入れると、時給150円にしても大丈夫なわけですよ。となると、どうなるかというと、中国と対抗できるんですよ。製造業で日本が中国と対抗できるってすごいと思いません?
今、例えば小学校5年生とか6年生で、塾に60万円とか70万円かかるんですね。で、私立の学校に行くともっと上がっていく。公立の大学も上がってくると。すると、教育格差はどうするんだ、収入格差が階級差になるじゃないかというんですけれども、解決は簡単で、 BIを入れて、時給を下げて、みんな働いてもちょっとしかおカネをもらえない、でも食っていける、という風にしちゃえば、あらゆる産業の人件費が抑えられるから、新しく会社とかお店とかオープンしやすくなる。製造業も、今の日本の同じ品質を保ちながら、海外でまだ戦っていけるんですね。なんでこんな簡単なことやらないんだろうと。
BIっていうのが国で導入するのが難しいんだったら、地方自治体で、地域通貨で先にやっちゃうのはどうだろうかという考え方もあるし。
ちなみにこれは今、正の側面で話してます。いいやり方でやればこうなる。悪いやり方でやればどうなるのかというと、アメリカの刑務所が今、これと似たような、結果的に似たような制度になっているんです。アメリカで今、多くの州でホームレスって違法なんです。ホームレスが違法ってとんでもないんですよ。どういうことかっていうと、ホームレスになった瞬間に刑務所に入れられる。刑務所に入ったら、今は刑務所は民営化されているから、みんないろいろ借金を背負わされるんですね。つまりシーツ交換とかそういうことも全部、経費が発生して、その経費は受刑者負担になるんですよ。となると、刑期が終わって外に出ても膨大な借金を抱えているから、結局、犯罪に手を染めるかホームレスになってしまう。結果、もう一回刑務所に入ってくる。
その刑務所は、公的な資金援助が入るのはもちろんですけれども、受刑者に対して、社会に出たときの活動の教育と称して、木工所とかそういう簡単な工作機械の組み立てとか作業をやらせる。その作業の賃金が1時間に15セントとか25セントなんですよ。これって、新世代の奴隷産業そのものなんですよね。
つまり僕が言った、BIによって時給を下げることができて、それで国際競争力がつくっていう正の側面と、あらゆる国民を奴隷化して安い賃金でこき使おうっていう負の側面と、BIには必ずこの両方があるんですね。
両者の違いっていうのは、片一方は、収容されてしまって、そこから抜け出せなくなってしまうということ。BI政府っていうのは、自らそれを選んで、その地域や国に参加することができて、そこから逃げることができることが必要です。つまりこのBI制度が奴隷制度になるのか、もしくは新しいパラダイスになるのかは、そこに入るのも自由、出るのも自由っていう個人の選択がどこまで守れるのかによって決まる。
っていう話を(新版『僕たちの洗脳社会』に追加するために)六本木でしましょうか笑。
その13)に続く